食べるは元気につながるから手抜きできない。

私は毎日料理に追われている。毎食キチンと作ろうと思うと気が抜けないし、手も抜けない。
何故なら93歳の母にとって毎日の食事が何より大切な時間だからだ。

自宅の中でシルバーカーを使って移動している母は外出することがほとんどなく、一日の楽しみは美味しい食事を食べることなのだ。

母はとにかく食事にこだわる。好き嫌いがはっきりしていて、柔らかいものでないと噛み切れないし、味にもうるさい、母の舌と要求を満たそうと思うと、一苦労なのだ。

気に入ったメニューが出るとこの上なく嬉しそうな表情で食事をしている。そんな母の姿を見るとほっとして、気に入ってもらって良かったと思う。

気に入らないメニューだとがっかりした表情になって気分が沈むようだ。

私は時に「面倒くさいな」と思うこともあるが、これが母の長生きの秘訣と思って日々頑張っている。

母から「美味しかったわい」と言う言葉を聞くために、私は日々料理に励んでいる。

料理は母の元気の素だから、手抜きは出来ないし、したくないのだ。

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