妹から教わった事

久し振りに妹が東京から帰省しました。
彼女は私より7つ年下ですが、最近になってどちらが姉か分からなくなってきました。私と違ってどっしりと構えている妹は、人間的には私よりもしっかり大人の風格が備わっているように思います。

私が母との日常的な小さなバトルの事を話すと、妹からは「またお母さんがいつものように言っていると思って、右から左に聞き流すの、それがストレスを溜めない方法だよ」と言って、私を励ましたりなだめたりしてくれています。

私が「面と向かって話していると、中々そうもいかないのよ」と愚痴ると「まあ、そう言わないで、お母さんも言葉に出したら、その後はケロッとしているから」と、鷹揚おうようなコメントが返ってきます。

いつもは二人っきりのリビングが今は女三人になって、にぎやかです。
「三人だと楽しいなー」と思いながら、私は母と妹の会話を聞いていました。

二人は楽しく話しています。妹は母が何を言っても、にこにこ笑っていました。いつも以上に饒舌な母がいて、笑顔が絶えません。

傍で聞いていると、93歳の母が妹のことを気遣っているのが分かります。

母と私はいつも衝突しています。お互いが相手を気遣って発する一言が、気に触るのです。

出かける時に雨が降っているのを見て、傘や履物の心配する母に対して、私は煩わしいと思い、散歩に行く時に「今日は雨が降りそうだからやめておいたら」と言う母の気遣いが、私にはめんどくさいのです。

日常の小さなすれ違いが積み重なって、お互いのストレスになっています。

妹が言うように右から左に聞き流し、その言葉にいちいち反応していなければ相手を傷つけてしまう事もないはずです。

同じ屋根の下にいると小さなバトルになる事でも、離れて暮らしている相手の言葉だと我慢できたり、一歩引くことだって出来るのです。

私は妹の母への接し方を見ていて学ぶところがたくさんありました。

余計な一言は言わないで、呑み込むくらいの気遣いを持たなければいけないなと思いました。暫くは妹の効果で、母への接し方が変わりそうです。

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