夢はまだ破れていない。君には公園がある。
「不要不急の外出を避けなくてはならない」
こんなことを政府から言われると
だれが想定しただろうか
自分も天地がひっくり返ったような気分だった
元々出不精だし
家で引き籠ることが夢だが
小さな子ども2人が毎日家にいることが大問題だった
外で元気いっぱいに遊びたい盛りの子どもたちは
家の中で暴れまわり
「キャー」
などと全力で叫び続ける
そして
機嫌が悪くなると
耳元までやって来て
何時間でも大声を出しジャンプしながら泣き続ける
子育てを抱えた家庭なら
どこも似たようなものだろう
我が家には専業主婦がいる分だけマシかもしれない
共働きの家で
リモートワークを強いられていたら
仕事に支障が出るだけでなく
子どもにノイローゼにさせられるのではないか
そんな最悪の状況ではないにしても
子どものガス抜きは急務である
困ったことにドライブする自動車はない
とにかく子どもを散歩に連れ出して疲れさせるしかなかった
2歳の子どもを10キロほど歩かせるのは
かなり田舎の家でも珍しいのではないだろうか
だがそれをやらなくてはいけない
始めは歩く速度が遅くて
何度も転んだが
毎日続けるうちに変化が起きた
体幹が強くなって転ばなくなったのである
ずっと手を繋いでいるせいか
肩回りががっしりとしてきた
歩く姿も軸のブレがなくなり
足が滑らかな動きをするようになる
そんな散歩の行先は
アスレチックがある公園だった
周囲1キロ以上ある沼のほとりにあって
毎週イベントが開かれている
大きな公園である
そこで体に合わない遊具にしがみつき
懸命に遊ぶ子ども
その傍らでコーヒーブレイクで一服している自分
そんなひとときが日常になった
今では2人ともボルダリングが大好きになり
友達とじゃれ合っているときに足腰の強さを発揮するようになってしまった
「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。