「アルコールランプが消えるまで~理系くんと文系くんの青春ミステリー~」2-3
「あと。百瀬は昼休み、女子の会話を盗み聞きして――」
「してねぇよ!」
光太は実験台を叩きつけた。
「友だちと弁当食ってたら、あっちが勝手に寄ってきたんだよ。自分で弁当作ってくるなんてすごいねーとかなんとかって」
「……先生。僕はどこから突っ込めばいいんでしょう?」
「いわゆる『リア充』というやつね」
現代語は言い慣れないのだろう、万理子は少し噛んだような口調だった。
「爆破しちゃだめよ、充一くん」
「しませんけど。しませんけど! 弁当自作って何? 勉強だけじゃ飽き足らず