見出し画像

ミュージックビジネス専攻一期生のみんなへ〜大阪音大入学式に贈る言葉

 入学おめでとうございます。3年前に大阪音大の経営陣の皆さんから、「ミュージックビジネスのコースをつくりたい」と相談されてから、実際に開講できるまでいろんな事がありました。今日、46人の一期生を迎えることができて、とても嬉しく思っています。
 入学式への参列を楽しみにしていたのですが、コロナ感染対策の関係で、特任教授の僕は参加できなくなりました。noteの場を借りて、お祝いの言葉を贈ります。

音楽を通じて自己実現をしよう

 これから4年間で皆さんに期待することは、「音楽を通じた自己実現」をしてもらうことです。自分のやりたいことを明確にするために、学んでほしいし、いろんなことにトライアルしてもらいたいです。

 ラッキーなことに、皆さんには大きなアドバンテージ(優位性)があります。2000代生まれで音楽を仕事にしたいと思っていることが素晴らしいのです。時代の節目や、タイミングというのは成功のための重要なファクターです。デジタル化による構造的な変化が音楽ビジネスに訪れています。この20年で音楽を取り巻くあらゆる環境が大きく変わりました。新しい環境では、従来のノウハウだけでは通用しません。むしろ、子供の頃からスマホに触れているみんなの感覚の方が、おじさんおばさんたちよりも正解に近いのです。
 昨年のオープンキャンパスで、元エイベックスマネージメント社長(現ワタナベエンターテインメント取締役)で、客員教授をお願いしている伊東さんも、ウラヤマシイと言っています。YouTubeに動画もアップされているので是非、見てみてください。

デジタル世代の優位性を活かそう!

 みなさんには、時代環境というチャンスを活かして、音楽を通じて自己実現をしてほしいです。そのために必要な道具はすべて、僕たちが用意できます。大阪音大ミュージックビジネス専攻には、音楽で成功するための環境が用意されるでしょう。僕自身も月に一度はキャンパスに訪れて、みんなの自己実現を伴走します。リアルで会うだけでなく日常的にオンラインでコミュニケーションを取って、スキルアップを促していくつもりです。

 上の世代に対して優位性を持つみんなが、自己実現していくためのキーワードは「デジタルとグローバル」です。音楽に携わる時に大切なのはこれです。端的に言うなら「スマホとインターネット」を言い換えても良いでしょう。インターネットが「これまでの人達によるブラックボックス」を消失させる「民主化」を促していますが、音楽はその典型的な分野です。ポジティブに取り組んでいきましょう。

コミュニケーションの道具としての英語

 「グローバルって言っても、英語苦手だったなー」という人も心配はいりません。テストのための勉強ではなく、外国人とのコミュニケーションのための英語を音楽を中心に据えて教えます。なんと言ってもMB専攻の専任英語教員(助教)は、昨年末にDa-iCE 「CITRUS」でレコード大賞を受賞した作曲家KAZ KUWAMURAです。海外留学の経験は無いのに、外国人作曲家とのコーライティングの経験もは豊富です。独自のメソッドを蓄積しています。「道具としての英語を」楽しみながら学ぶ方法を教えてくれることでしょう。
 ネット上の情報を収集するためには、Google翻訳などのツールを積極的に活用しましょう。高校までの英語の「お勉強」とは全く違う世界が広がっているはずです。
 個人的には、英語が母国語の人(米英豪など)との会話以上に、第二外国語として英語を使っている人たちとのコミュニケーションが大切だと思っています。「音楽は国境超える世界言語だ」という言葉ありますが、ポピュラー音楽の分野では、ニア・イコール英語でコミュニケーションするという意味になります。僕も英語は下手くそですが、第二外国語話者同士が不完全な英語でわかり合えた時のコミュニケーションの感覚が大好きです。現役感を持って、一緒に、楽しく習得していきましょう。

音楽ビジネス現役感バリバリの教授陣を使い倒そう

 ミュージックビジネス専攻の教授陣は、客員も専任も「デジタルとグローバル」を課題とする、これからの音楽ビジネスにリアルに関わりを続けている猛者揃いになっています。
 いわゆる業界コネクションは強力です。アーティスト活動をしたい人も、音楽業界で働きたい人も客員教授のサポートがあることは心強いことでしょう。情報も最新ですし、ノウハウも具体的です。

 起業をしたい人には、音楽関係のスタートアップとして注目を集めている3社の代表CEOがいます。nanaは若年層に人気の音楽コラボアプリです。Audiostockは、映像BGMのマッチングプラットフォームとして急激に成長しているサービスです。TunecoreJapanは、デジタル配信を誰にでも簡単にできるようにした革命的なインディーアーティスとの必須ツールです。彼ら起業家との交流でどんな化学反応が起きるでしょうか?

 アーティスト活動とか起業とか「夢みたいなことを言っていて大丈夫?」とご家族が心配されたら、「これからはインディペンデントな活動をした学生が就職に強いんだって」と胸を張って下さい。大阪音大MBは、産業界と教育機関のミスマッチを解消する存在として注目されていくはずです。
 元YouTubeの日本代表や、カンボジア中央銀行のデジタル通貨導入をしている会社の会長や、サイバーエージェントの株式上場に関わり、長らく取締役を務めていた金融マンなど、ビジネスフィールドでも超一流の人たちも客員教授です。みなさんが音楽で自己実現するための武器=最新の的確な情報、人的ネットワークが学内で手に入る環境になっています。

僕がデジタルネイティブ世代から学びたいこと

 武器を渡すというと、「上から目線」で語っているように聞こえるかもしれませんが、デジタルネイティブ世代は、僕らおっさんには持っていない感覚を必ず持っています。そして社会構造がデジタル中心にシフトしているので、みんなの感覚がこれからの常識になっていきます。
 惜しみなく知識や情報を教えて、人脈を提供するつもりですが、おそらく僕がみんなからもらうもののほうが大きいのではないかと予感しています。

 以前書いたnoteです。「オトナはだいたい間違える、みんながだいたい合っている。」僕はそのことを知っています。

 そんな僕の最初の講義は4月21日(木)を予定しています。みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。

 ちなみに、4月24日(日)13時〜は、高校生対象のオープンキャンパスイベントで、ソニー・ミュージックでいきものがかりや宇多田ヒカルの宣伝プロデューサーを務める、客員教授もお願いしている梶望さんと対談します。後輩たちに紹介をお願いします!もちろん観に来ていいよ。

※TOPのカバー写真は、昨年8月のオープンキャンパス時で、nanaCEO文原客員教授と脇田敬専任教授との3ショットです。二人のワクワク感が伝わっている気がしたので使わせてもらいました。

<関連投稿>


モチベーションあがります(^_-)