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日々の演劇

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メモ。
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#観劇

観劇記録「Good bye, Robert」

観劇記録「Good bye, Robert」

先月初めに観た、陰湿集団にも所属し、大学演劇部時代には九州戯曲賞大賞を受賞した木下氏の新作で、彼の個人企画砂漠のクロ猫企画の初公演。

会場は、毎週のようにジャズセッションやイベントが行われる箱崎水族館喫茶室。
(ちなみに箱崎水族館とは昔近くに実際にあった水族館らしく、夢野久作の「ドグラ・マグラ」にもその名前が出てくるが、今は箱崎宮の近くにその跡地だけがある)
この喫茶店はたくさんの本や漫画がおか

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「時代」感、古い戯曲の上演

「時代」感、古い戯曲の上演

今日は九大演劇部の後輩の新入生歓迎公演を観に行った。

新3年生、つまり2つ下の代の演目は岸田國士の「紙風船」で、90年も前の戯曲。
僕が以前参加した戯曲解釈のワークショップで扱われていたこともあって、演出を楽しみにして行った。

初々しい夫婦の会話。
縁側で夫は本を読み(これ、戯曲では新聞だった気が)、人一人入る程度のスキマを開けて、妻が裁縫をしている。既に、なかなか現代では見られない光景。

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観劇記録、コックピット「あしぶみ」

観劇記録、コックピット「あしぶみ」

演劇ユニットコックピットの「あしぶみ」北九州公演に照明スタッフとして参加して、ゲネプロを観させてもらった。

初演は福岡学生演劇祭で上演した30分の芝居で、今回の再演は全国学生演劇祭に向けて脚本を改変し、俳優も一部変わり、45分の芝居になっていた。

誠一は戦争で死に、「霊魂」が娑婆に留まっている。誠一の家族は彼が死んだこと初めは受け入れられないものの、互いに感情を吐露し、前を向き始める。その光景

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観劇記録、ハイバイ「夫婦」

観劇記録、ハイバイ「夫婦」

ハイバイを生で観たのは西鉄ホールの「おとこたち」ぶり。それに感激してファンになったのだが、「ヒッキー」や「ヒドミ」を見逃して見逃して、やっと北九州で観ることができた。

今回のは、「おとこたち」ほどさんざん笑わせておいて最後に落とす、ようなものではなくて、もっと演劇的な仕掛けでリアリティを生んでいた。とは言いつつ、やっぱり面白くて、最初にいつもの前説でひと笑い。(今日気付いたんだけど「ぷるぷるぷる

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観劇記録「彼の地」

観劇記録「彼の地」

北九州芸術劇場プロデュース「彼の地」を観た。

これは2年前に上演されたものの再演で、東京から来た演出家が小倉で生活して地元の俳優とともに作品を作り、北九州と東京で上演するというもの。

そういうコンセプトがあるだけあって、作品のいたるところに「北九州の豆知識」が散りばめられ、時に俳優自身が「豆知識でした」と付け加える茶目っ気も。

小倉に様々な事情で住む住民たちの群像劇。

UIJターンが多い福

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観劇記録、廃材・楽器・舞踏、即興

観劇記録、廃材・楽器・舞踏、即興

前回の番外公演から、次の本公演でもお世話になる、冷泉荘での観劇。

captureはギターやサックス、自動演奏システムを使った即興演奏、
サウンド・リノベーション・バンドは、冷泉荘管理人の杉山さんもメンバーである「廃材」を使った楽器の演奏、
そしてマツオカリョウコさんは舞踏、
この二団体と一人が組んで、三つの作品を作っていた。

会場は現在期間限定で空き部屋になっている冷泉荘の地下で、もうすぐ新し

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