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本と公園①⑦ 〜古本屋デビュー〜

雨やらパンクやらで2週間ぶりくらいの本と公園。
いつの間にやら夏の日差しが和らぎ、今日は少し肌寒いくらいだ。台風も過ぎ去って、空は落ち着いている。

先日、市役所から公園の使用許可が下りた旨の書類が届き、今日からしれっと古本屋としての営業をスタートさせた。
とは言っても値付けをした本を並べただけなので何らいつもと変わりはない。ただ少しばかり気分が良い。
4月から始めて約半年。手作りの屋台からスタートし、少しずつ本の数を増やした。自転車屋台にグレードアップして移動も容量も格段に増えた。見栄えも良くなった。
警察に古物商許可を取りに行った。若干の高圧的な態度に不満を持ちながらも何とか書類を提出。市役所の方に公園の使用許可について相談に行った。そしてこれからかなというタイミングで天気の崩れやタイヤのパンク。パンクは何とか自分で修理した。そんなこんなで1つずつ問題を消化しての今日。
やることはいつもと変わりないのに不思議な気持ち。

朝、公園に行くとたくさんの小学生。
どうやら史跡のツアーのようだ。1クラスずつ分かれて職員の方に案内してもらっている。
「聖武天皇が〜〜〜」「なぜここに建てられたかというと〜〜」「瓦が〜〜」と職員さんは声を張っている。
さらに保育園の子供たちもたくさん遊びに来ていた。4つくらい来たかな。公園は大渋滞。恐らく近くで遊ぶとトラブルになったりするので保育園同士微妙な距離をとって遊んでいる。お互いを牽制しながら遊んでいるのはおもしろい。小学生と保育園児、にぎやかな声が響く。

子供たちがいなくなると、急に静けさが増す。風で葉っぱが擦れる音やカラスの鳴き声。公園を歩いてくる人をじっと待つ。

最初のお客さんは自転車でやってきた男性。国立のほうで活動している方だったはず。
「営業しているんですか、、、」「ちゃんと申請もして、、、」「トイレとかどうしてるんですか、、」
矢継ぎ早にたくさん質問してくれて、僕も自然と早口に(笑)
今日は近くで用事があって、通りすがりに寄ってくれたらしい。ひと通り並んでいる本を眺めて、1冊買ってくれた。初の売り上げだ。まだちゃんとした実感はない。
男性が帰った後に、渡せなかったレシートを書く。初めての手書きのレシートだ。夏に旅行先で買ってきたdrop aroundさんの素敵なレシート。さらに気分が上がる。

続いて老夫婦。散歩中に話しかけてくれた。
「屋台かわいいし、いいですね。また本を持ってきます」と言ってくれた。
そう、別に営業を開始したからといって何も変わらないし、歩いてきた人と話せればそれで良い。散歩していておもしろいまちに、おもしろい公園になったらいいな。

いつものおじいちゃんが今日は自転車でやってきた。
ダイソーに行った後に来てくれたようだ。「これ買ってきたんだよ」と見せてくれたのは小さな拡大鏡。
「もう老眼でさ、見えねぇんだ」と笑う。実は以前買ったものは小さなライトがついていて、照らしてくれるはずだったのだが、電池を変えてもつかなくて、新しいのを買ってきたらしい。
「100均ってのはいいね、なんでもあって」と言っていた。
そして話は本と公園の備品の話に。
「そういえばあれ知ってる?シールに印字できるやつ」
「あぁなんかわかります!」
「あれうちにあるよ、今持ってくるから何かに使いなよ」
「本当ですか!」
という感じでおじいちゃんは自転車で家に取りに行ってくれた。

おじいちゃんを待っていると、以前8回目くらいのときに来てくれたという男性が歩いてきた。古本屋としての営業を開始した話をすると、許可申請についていろいろ聞いてくれた。他にも公園にいる理由やコンセプトなどいろんな話をしているとおじいちゃんが帰ってきた。
持っているのはラベルライター。

「これでできるんだよ、ちょっと待ってな」と言ってカタカタ作業する。
男性の方と少し話していると、「ほら」と細いシールに本と公園の文字が印字されたのをくれた。じゃあもう貼っちゃいますね、と自転車のハンドル部分に貼るとおじいちゃんはいい笑顔。

そうこうしていると、ぶんじ寮住民が2人きてくれた。どうやらこれから住民票などの手続きで市役所周りをするらしい。
住民と話している間に、男性とおじいちゃんは2人で公園周辺の土地の話。
「あそこは〇〇さんでね、、、」「もっと昔はこうでしたよね〜〜〜」「あっちも変わっちゃったな、」とベラベラお話。

住民も男性も帰ると、僕はおじいちゃんと続けてお話。
「今ダイソー行ってきたんだよ、もう老眼で見えなくてさ!」
「前に買ったやつがライトつかなくて、、、電池変えてもダメだったんだよ」
おっとびっくり。数分前と全く同じ話だ。すごく嬉しかったのかな。

みんな帰るとまた静かになる。日陰は寒いので、日なたに出てパソコンをカタカタ。
コンクリートの上で大の字になる。綺麗な空だ。

聞き慣れたエンジン音がするなと思ったら、こくベジ配達でお世話になっている方だ。
生落花生をいただいた。30分くらい塩茹でして食べるらしい。楽しみだ。
それからいろいろと話してお別れ。

ぶんじ寮ご近所さんのランチ到着。焼きうどんを作っていくとのことだったので楽しみにしていた。イスを出したり準備をしていると、前回自転車で通りかかった男性がきてくれた。カバンにお昼ご飯が入っているということだったので、3人で一緒にランチを食べることに。

話を聞くと、すぐ近くに仕事場があるらしい。お鷹の道の近くにあって以前から気になっていたところだった。その方はインテリア関係の仕事をしているらしい。ぶんじ寮のことやまちのことなどいろいろお話していると、ぶんじ寮の住民がキャロットケーキを持ってきてくれた。別の住民が作ってくれたのを届けてくれたよう。すごく美味しいケーキだった。美味しい焼きうどんにキャロットケーキ。いいランチの時間だ。

国分寺にある僕が通っている大学のとあるゼミの方々が遊びにきた。
以前、教授の方が遊びにきてくれてそれ以来だ。教授と一緒にきたゼミ生2人は僕と同学年だった。もう就職先は決まっていて、あとはたくさん遊びまくるらしい。
思い返せば、同学年の人とちゃんと話をするのは随分と久しぶりかもしれない。僕は就活はしていないので、その辺のことをいろいろ聞けておもしろかった。学長にも若干話がいっているとかいないとか。来年度は復学するし、なんかいい方向に進んだらな。教授の地元のジュースをもらった。めちゃおいしかった。

ゼミの方々と話しているとジョーさんがやってきた。「J・O・E ジョーです!」といつも通り自己紹介をして、持参した絵本で読み聞かせを始めた。ゼミの教授と学生2人、キャロットケーキを持ってきてくれたぶんじ寮住民と僕。即席の読み聞かせ会。場の雰囲気はJOEさんが掌握していた。終わったあとは少しばかりの拍手が。相変わらずの感じだ。

前回、本を持ってきてくれた男性。今日も持ってきてくださった。
絵本や哲学書、ジャーナリストの方の本まで、僕が読みたいと思う本もたくさんだった。博識なこの方は、いつもたくさんのことを教えてくれる。
「この人はこんな人で、、、」「こういう本があって、、、」
僕は本に関して詳しいわけではないので、こういう活動をしながら徐々に学んでいこうと思っている。そんな状況なのでとてもありがたい。話しながらいろいろ教えていただいて自分でも調べる。少しずつ身につけていくぞ。

ぶんじ寮の住民がやって来た。僕が男性と話しているときに来て、静かに横になっていた。草むらでシンプルに横になって寝ているので、近くを通る人はジロジロと心配そうに?不思議そうに?眺めていた。
帰り際にドライマンゴーをもらったがこれがめちゃ美味かった。

国分寺でいつもお世話になっているうどん屋さんの方が来た。
自転車のメンテナンスをしてくださる方で、先日パンクしたときも少し相談していた。今日はパンク修理してからの初回だったので様子を見に来てくれたようだ。ちょっとしたことでも気にかけてくれているのがひしひしと伝わってくる。ありがたい限りだ。

お話していると、定期的に来てくれる男性がやってきた。仕事の関係で来れる月と来れない月がある。屋台のことや新潟の空き家の進捗をいろいろと話してお別れ。これから近所の畑に草取りに行くようだ。なんだか進捗報告とか、それ以外の雑談とか、屋台に来てくれた人と話すのは結構どうでも良いことばかり。でもそれがなんだか心地よい気がしている。

次は、先日ぶんじ寮の内見会に来ていた女性。少し前の本と公園にも来てくれた方だ。新しく居場所づくりの活動をしようとしているが、まちの中で同じような活動をしている人とコラボした方がいいのか否かで迷っていた。活動の段階的にはまだまだこれからという感じらしいが、立ち上げの段階は1番ストレスのかかるところだし、誰かに負担をかけながらやってもなと思っているようだ。確かに、僕は比較的1人でいろいろ試行錯誤して進めていく感じだが、だからこその弱さもあるし、進みの遅さもある。結局は自分がどうしたいか、どうすれば気持ち良く進めていけるだろうかという話なのかなとも思う。

以前、公園が保育園のお迎えの場所になっていたときによくお話していた方がやってきた。どうやら先週、本をたくさん持ってきてくださったようだが、僕はパンクの修理中だった笑
今日古本屋としての営業を開始したことを伝えると、「開店おめでとうございます!」と言ってくれた。
屋台なのでそんな気持ちはなかったが、そうだ、これ一応お店を開いたことになるのか、となんだか新鮮な気持ち。
開店記念に読みたかったという本を買ってくれた。
「ここで買うと、なんかあたたかみがあっていいですね」と言ってくれた。なんだかここでやる意味が伝わった気がして嬉しい。

市役所周りを終えたぶんじ寮住民がきてくれた。大きな木の幹に腰をかけて本を読む。その風景がすごく似合う素敵な感じ。
ジブリの世界に出てきそうだ。アーモンドクッキーとチョコチップクッキーをもらった。

今日から営業開始。楽しみにしてくれていた方や一緒に喜んでくれる方が思ったより多かったというか、見守っててくれた方がすごく多かったんだなと改めて思う。そう考えると、やるやる詐欺で少しずつ本の値付けなどを後回しにしていたのが若干申し訳なく感じる笑
何はともあれ今日は5人の方に買っていただいて、1300円ほどの売り上げ。こんなことをぼちぼち積み重ねていこうと思う。

来週は新潟で空き家の作業をしているので、次回は2週間後。
10月5日(水)10時頃〜18時頃。武蔵国分寺跡にて。
→ランタンなど照明を用意できればもう少し長くやるかも。

ついでにイベント告知。
9月末から11月末までの毎週日曜日(一部土曜日)に都立武蔵国分寺公園でSunday Park Cafeというイベントが開催されます。
キッチンカーがきたり、各種ワークショップが開催されたり。それに10月2日と16日の2日間参戦します。
久しぶりのイベント出店。6月の駅フェスや7月の選挙マルシェなどちょくちょく参戦しているが、今度は都立公園に。ぜひお越しを。


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