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【冬眠】クマのように人間が冬眠できる世界線【最新論文】

こんにちはヤク学長です. ついに人間が「冬眠」できるかも?の研究が進んだのでご紹介。

人間が冬眠できるかもの世界線のお話. 

冬眠

2021年の日本の理化学研究所の論文↓↓つい最近の出来事

本研究成果から、休眠研究のモデル動物としてマウスが有用であることが示されました。今後さらに休眠メカニズムの解析を進めることで、日内休眠や長期の休眠現象である冬眠を人工的に誘導する技術への応用が期待できます。

https://www.riken.jp/press/2021/20211119_2/index.html

冬眠メカニズム

冬になるとこたつでぬくぬくとすることが世の常だと思うが、「冬眠」とは自然世界でクマなどが自身の代謝を遅くして冬を凌ぐあれだ. コンピューターに例えると、マシーンのクロック数を極めて落とすようなイメージか.  

化学的なメカニズムは次の通り.

冬眠」は極寒の寒さに適応するための生存的方法である. 体温を極めて低くして極限まで代謝を下げる「代謝抑制法」と呼ばれる方法をとることで実現する. この方法により食事をとる必要性を最小限まで落とし, 生きるために必要な最小のエネルギーで生き続けることができるのだ. 

冬眠する生体はどんな生物がいるかというとヘビやカエル, 昆虫などが該当する。ある時期が来ると土の中にもぐって寒い冬をやり過ごすという. 

なぜ0℃以下で生きられるのか?

そもそも土の中に潜る生命体は0℃以下になる環境でなぜ生きられるのだろうか?

それは, 体温が0℃以下に下がっても生き延びることができる「凍結耐性」という特殊な能力を持っているからだ.

本来, 細胞は非常に脆く壊れやすい.

細胞の中に氷の結晶ができると, 細胞組織が破壊されてしまう. だから, 緩衝材ともいうグリセロールやグルコースなど凍らない物質を体内で作り出す. これらの不凍な物質が体内にあると, 細胞内の水分は凍結することはない. 

そのため, 氷の張った池の中や凍てつく土の中でも生きていけるカラクリがある. ただ, 残念ながらこの不当物質が作れるのはある種の生命体の特権であるというのだ,,,

クマさんも冬眠しているではないか?

でも, クマさんも冬眠しているではないか?と疑問が残る. 

実は, 哺乳類など気温とは関係なく一定の体温を保つ動物も存在している. 冬眠する哺乳類は183種類が確認されているようだ. 冬眠中は, 起きているときに比べて体温は下がるが, 今のところ体温が0℃以下になっても耐えられる個体は発見されていない. つまり, 0℃を下回らない付近で冬眠しているようなのだ. 

哺乳類の動物が冬眠ができるのならば, なぜ人間は冬眠ができないのだろうか?

冬眠の最大効用

冬眠の何が良いのか?それは, 細胞が劣化しにくくなると言うことだ. 

冒頭に提示した論文で何がわかったのか?
それは冬眠しないはずの「マウス」が冬眠したのだ. そう冬眠するメカニズムがわかったというのだ. 

この研究が行われる前に冬眠が意外と単純なメカニズムであることを発見した研究者が存在した. 冬眠する生体のメカニズムを調べれば冬眠しないはずのマウスも眠るはずでは?と仮説を立てて実験をした人達がいたのだ. 
もし, 冬眠しないはずの動物が冬眠するとしたら, 我々, 「人」や「冬眠しない哺乳類」が冬眠に至るメカニズムがあるだろうと仮説を立てて実験したのだ. 

話は今回の研究に戻る. 

元々, 受容体タンパク質という外界から体内の刺激を受ける際に何らかのタンパク質が作用し, 受容体に結合すると冬眠するスイッチのような機構があることまで分かっていた. 

このスイッチは何に使うんだろう?という熱意のある者たちがスイッチを一つひとつ実験していたわけだ. 冬眠や睡眠に関わる脳の働きをコントロールするスイッチがあるのはわかっていたので, 今回も色々試していたら,なんと冬眠するはずのないマウスが冬眠してしまったということ. 

冬眠の世界認識の改変の可能性

例えば, 人間が冬眠した世界線を考えてみよう. 冬眠している間は, 人間の細胞分裂は最小限に抑えられる. 人間の細胞分裂が抑えられるということは, DNAが攻撃を受けて無防備になるリスクを減らせるということだ.

人間がガン化する仕組みはDNAの二重らせん構造が解けて1本鎖DNAになった際に, DNAがなんらかのダメージを受けるとDNAが損傷されエラーが修正できなくなる. その際にガン化していくことが多い. もしかしたら、がん化するリスクといったものを防げるのだ. 

他にも, 脳梗塞を急遽発症した場合に有用だ. 脳梗塞は発症してから病院にたどり着く時間が長ければ長いほど後遺症が残りやすい. 人間の体を急遽, 冬眠状態にすることができれば, 後遺症が残る確率を下げるなどの可能性があるかもしれない. 

冬眠の可能性の凄さを感じていただけただろうか. こたつの中でまったりしている場合ではないが, , ,やはり外は寒いのでこたつの中で夢うつつに浸るのである.


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