やきとり副係長

金融機関の窓際のすみっこで舟を漕ぎながら思い浮かんだ妄想をたまに書きます。宜しくお願い…

やきとり副係長

金融機関の窓際のすみっこで舟を漕ぎながら思い浮かんだ妄想をたまに書きます。宜しくお願いします。

マガジン

  • 日記

    筆者が体験した心温まる話をハートフルに描いたコメディ風日記(フィクション)です。

  • 陰湿金融文学 作品集

    諸先輩に触発されて作ってみました。 過去のトラウマを掘り起こさないよう、陰湿さは控えめにしてあります。

  • 金融トラブルまとめ

    同業者の方が見て背筋が凍る話に陰湿さを添えました。良かったら見てください。

最近の記事

日記(2024年9月中旬)

OBで私にウザ絡みしてくる人はだいたい強欲だなと思う。良い悪いは別にして、そのくらいの気持ちでないと外の世界では生き残れないんだろうな。

    • 日記(2024年9月上旬)

      「は?規定以外のやり方でやりたいだと?ダメに決まってるだろうがボケ」 「民法変わって出来るようになったはずだろ?確かに規定通りの方が負担は少ないし堅いけどちゃんと調べてからものを喋れよカス」 「あと折衝履歴見てくんないかなあ!頼むからさ!もう何年も膠着しててさっさと片付ける為にはこれしかねぇって思ってるんだよ。他に何か良い方法あれば教えてくれよ、その通りやるからさぁ?」 「チッ…」 みたいなやり取りをしてました。やっぱり民法大事。自分の身を守りやすくなる。みんな法務2級

      • 小噺2〜短プラ引上げ

        「申し訳ありません、日銀の金利引上げに伴い、我々がご融資の基準としております短期プライムレートが上がる事になりまして…つきましては○○様へのご融資の金利も上がる事になります」 「ええ、ご預金の金利も上げております、はい。元々がそういった契約になっておりますので、ご理解いただきますようお願い致します。返済予定表については別途ご郵送いたしますので宜しくお願いします」 全く、日銀も政策金利引き上げとか余計なことをしてくれたもんだ。いや、日銀が上げても上げるかどうかは金融機関に委

        • 小噺

          不動産賃貸初めてという方が、この物件を買う資金を貸して欲しいといきなり店頭へやってきた。期間も取れず収支回らないから預かるだけ預かってシミュレーションしてみて翌日にお祈りかな、と思って見たら凄くお値打ちな良い物件だった。 思わず「この物件をこのお値段なら私も欲しいくらいです」と言ってしまうくらい。 当然審査もすんなり通り、金消契約や担保の契約も済ませ、先生にも事前に書類を渡した。複合取引もその場で色々とやっていただき、万年副係長の私は本当に助かった。あとは決済を待つばかり。

        日記(2024年9月中旬)

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        • 日記
          4本
        • 陰湿金融文学 作品集
          2本
        • 金融トラブルまとめ
          6本

        記事

          日記(2024年5月中旬)

          「え、あそこ?お前行けよ」「前途ある若者を行かせて更に苦情になったらかなわんからな」 私はそういうポジションなので仕方ない。行くしかない。何かあったら安全配慮義務違反で訴えてやりゃ良いんだからまあいいか。しかしどいつもこいつもクソだな。

          日記(2024年5月中旬)

          日記(2024年4月下旬)

          「なんで大事なことを言わないんだ!報告連絡相談といつも言ってるだろう!」と喚いてるボス。審査部門に取引先の不祥事を報告しなかったことを責められてる。そういうところやぞとニヤニヤしてしまう。

          日記(2024年4月下旬)

          日記(2024年4月某日)

          「いやー異動で人抜かれちゃったなー この先もお前頼むよ」 「無理ですよ ただでさえ回ってないのに。新しく来た人に渡したらいいじゃないですか。それならこの先を渡させてよ」 「いや、力的に厳しいから。それに異動もしてないのに担当変わるのはおかs」 「あ?」 「分かったから、ただし完全に渡すのではなくて協力してやってお客様に迷惑かけない様にしなよ」 期初の一コマ。今日も平和です。

          日記(2024年4月某日)

          損をするという落とし前をどうやってつけるのか?

          それはある月の20日。唐突にその方はやってきた。 「社会保険事務所の者ですが、A社様の件で」 A社。少し前に他社の肩代わりをして取引を開始したばかり。手には差押の紙を持ってる。なんでだよ。なんでこんな早く来るんだよ。 「今日、売上の入金があったはずですが」 「反対債権がありますので、応じられません」 「それであれば持ち帰ります」 とりあえずの難は去ったが、こんな事象が起こるということは期限の利益喪失、ようは直ぐに全部返せといってもいいくらい。今にして思えば、A社の言動

          損をするという落とし前をどうやってつけるのか?

          仕事とお金と悩み

          私の実家には物心ついた時から父親は居なくて、母が働きに出てる間、祖父母に育てられました。パートに毛の生えた程度の収入の母と祖父母の年金で暮らしてたので、そんなに豊かだった覚えはありません。閉鎖的な田舎だったのでシングルマザーもめずらしく、よく揶揄われました。 母は色々と職を転々としつつ、最後は地方のスーパーで経理の仕事をしていたので、決算期末などは帰りも遅く、いつも本当に大変そうでした。家の中では人間関係の愚痴ばかり言って辟易させられ、たまに友達が持っているものが欲しくなっ

          仕事とお金と悩み

          自己紹介~金融のおしごと

           こんにちは、はじめまして。  地域金融機関の中で働いています。今はどこかの支店におります。「平社員より責任を取らされるポジション」といえば、わかっていただける方は分かっていただけると思います。ちなみに限界金融機関なので私の指揮命令下にある人は誰もいません。つらい。そんな人間がどういう足跡を辿ってきたのか、自己紹介がてら振り返ってみたいと思い、書いてみることにしました。  私はコミュ障気味で若い頃から本当に出来が悪く、しょっちゅう穀潰しの扱いを受けてました。集合研修のテスト

          自己紹介~金融のおしごと

          やるんですよ。「また」じゃなくて。

          「先輩、俺3月いっぱいで会社辞めるんすよ」 仲の良い後輩から電話で告げられたのは、3月も終わりに差し掛かる頃の事でした。 私も彼も就職氷河期世代。周りの年代よりも採用は少ないので、数少ない世代同士必然的によく話をするようになり、仲良くなりました。私も彼も実家から遠い場所だったので寮も一緒。私が行った出向先に、私の後に行ってくれたりもと色々なご縁がありました。 通常、出向というとこれまでの働きに報いるご褒美なことが多いのですが、私が行ったのはご褒美じゃないやつでした。思考

          やるんですよ。「また」じゃなくて。

          事例でみる金融トラブル〜アパート融資編②

          アパート融資編、続きです。 「サラリーマンこそアパート経営!」「第二の収入の柱を!」「今ならフルローンでも大丈夫!」と色んな方面に書いてあるのを見て、副業としてアパート経営に興味を持たれ、お借り入れを検討される方がいらっしゃいます。それはそれで良いのですが、金融機関も何回か市況悪化局面に痛い目を見た関係もあり、何棟も借金して買われている方は、やはりどうしても厳しめにみてしまう傾向にあります。給与収入を超えない程度のほうが、貸し手としても物件に何かあっても給与で何とか返済の補

          事例でみる金融トラブル〜アパート融資編②

          事例でみる金融トラブル〜アパート融資編①

          ご感想として「かなりヤバいネタをぶっ込んでるね、特定されないように気をつけてね」等の助言を頂くので、少し抑え気味にしたいと思います。 金融機関の皆さん、不動産融資やってますか?といっても、私のような田舎で働いているものですと、転売明らかな転がし屋さんの案件は殆ど皆無で、こんな所に作ってどうすんだ、というような場所へのアパート建設の為の融資が多いですね。というか殆どですね。そして建築費が上がってくる一方、デフレで家賃は上がらないから収支はこの低金利の前提でないと厳しい、という

          事例でみる金融トラブル〜アパート融資編①

          事例でみる金融トラブル〜信用保証協会

          (2020年3月:保証協会の制度など追記しました) ※この話はフィクションです。実在の人物、出来事などとは関係ありません。 「おい、お前、今週マル保やるって言ってたよな!なんで今日になっても申込書ひとつ貰ってきてねえんだよ?!ろくでもない雑用ばっかりしてるんじゃねえぞ!」 「やりたくないなら別にいいんだよ。でも店の数字行かなくてみんなの迷惑になるからさ、自分の分の足りない数字を誰がやるか指名しろよ。そしたらやらなくてもいいからさ、どうなんだよ?」 「ん…?結局やるんだよな

          事例でみる金融トラブル〜信用保証協会

          事例でみる金融トラブル〜ゆかいなおとなりさん

          ※この話はフィクションです。実際の人物、出来事とは一切関係ありません。 皆さんは「ゆかいなおとなりさん」って聞いた事がありますか。要は、その人の住んでいる近くの土地で何かを始めると「ワシにあいさつがない」「ワシの許可を取らずにこの道を通るんじゃない」とか言う人のことです。城下町や古都なんかにはそういう人が多いって聞きますね。「ワシの家は○○藩の家老の家なんだぞ!維新で成り上がった✕✕の奴らとは違うんだ!」とか。外から見てるだけだと関わらずに済むのですが、その地域で何かをなそ

          事例でみる金融トラブル〜ゆかいなおとなりさん

          事例でみる金融トラブル〜なりすまし

          皆さんは会った人が実は別人だったという経験はありますか?普通の人はありませんよね、普通の人は。今回は、そんなケースから少しご紹介をしたいと思います。 1.保証人のなりすまし 注:本稿は2016年初出です。後述しますが現在では少し変わっている点があります。 現在では個人保証に関するガイドラインが定められるなど、事業性の融資をする際、代表者以外の保証は基本的には取らなくなりました。 保証協会を付けてるのに保証人は代表者+誰かみたいなのも以前は散見された事を思えば、随分改善さ

          事例でみる金融トラブル〜なりすまし