要塞監獄の星/白銀の塔
「なああんた、一つ聞いてもいいか」
男は相手の返事を待たずに一方的に話を始める。
「この星は見ての通りの氷と岩しかねえ場所だ。俺たちみたいな犯罪者を送り込むにはうってつけの惑星だろうな。ここにいる連中はどいつもおよそロクな人間じゃねぇくらいは見たらわかるだろうよ」
向かいの大男があからさまに不愉快な顔をした。護送車が大きく揺れる。
「あんたのその辺の事情にゃ興味ねえんだがよ、お前、どう見てもこの星に送られてくるようなゴロツキじゃあねえよなあ?」
尋ねられている当の本人は手足を