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銃声で目覚めた今朝とシカ騒動【#22家にまつわるストーリー】

今朝は早朝から銃声で目覚めました。

わたしの住むミシガン州では今日(11月15日)が銃によるディア・ハンティングの解禁日です。ミシガンは狩猟を楽しむ人が多い州で、11月14日までは弓によるディアハンティングが認められていますが今日から月末までは銃による猟をしても良い時期なのです。ハンティング人口は年々減ってきてはいるものの今も州内に500,000人ほどいるとのことです。

わたしが在米というと多くの方がニューヨークやシカゴ、サンフランシスコやLAみたいな場所を想像されるようですが、実態は庭にシカの群れが現れ、うさぎやアライグマ、野生の七面鳥やツル、空を見上げれば七面鳥ハゲタカが悠々と飛んでいるなんて光景がダイニングの窓から眺められるような環境に暮らしています。

ダイニングから見える景色

ついつい2週間前まで東京にいた身からすると、あまりの景色の違いに唖然としちゃいますが、わたしにとってはこの環境のほうが合っているようで、もし東京都内に住めと言われたらあまりの喧騒に気が狂うでしょう。

このような田舎暮らしではありますが、10分車を走らせれば大きな病院からスーパー、映画館やレストラン、スポーツ施設に、幼稚園から総合大学まで……普通に暮らすには困らないだけの環境が整っています。街と田舎の距離が近いので自然を楽しみながら便利も得られる感じです。

さて、解禁日のミシガンでは、ディアハンティングを心待ちにする先生や生徒たちも狩猟に出かけてしまうので学校も休みというぐらいです。動物愛護の観点からはシカたちが可哀想としか言いようがありませんが、増えすぎないための環境コントロールの一環でもあります。

そんなわけで、わたしの住環境はシカが身近にうろうろしています。夫のメモリアルとして植えた枝垂れ桜の苗木は、シカに食べられてしまってがっくりきました。畑の野菜もやっと育ったと思うとシカや野生動物に食われてしまいます。

自然との共生はなかなか手ごわいのですが、それでも自然のなかで悠々と生きている動物たちを眺めながら暮らせることは精神的な癒やし効果絶大です。

一昨日のつぶやきで投稿しました。

このお気の毒なシカさんの顛末です。

ディア・ハンターたちは単なるスポーツとして楽しむ人もいますが、シカ肉(venison)を食べることを目的としている人ももちろん多いです。なので、ハンティングを楽しむ知り合いに、轢かれたばかりのシカさんをもらってくれない?と聞いてみたのですが、さすがに今日が解禁日ということもあり、わざわざお亡くなりになっているシカさんを引き取りたい人がみつかりませんでした。

さぁ、困ったのがわたし。

このご遺体をほっておけばここで腐ってしまい、異臭を放ちますから、なんとかしなければなりません。知人に尋ねたところ、

1: 業者に頼んで有料で取りに来てもらう。その場合は距離や大きさ、腐敗レベルで金額が違うとのこと。

2: 警察に連絡すると対処してもらえるかも

3: 森の邪魔にならないところまで移動させて、自然のフードチェーンが解決してくれるのを待つ

4: 穴を掘って埋める

そんな感じでした。

うーん。こんなことに高額な費用はかけたくないので、1は却下。
息子タローがポリスに連絡してみたところ、以前は対処していたけど、今は人手不足でそういうことに対応はできませんと断られました。

ここは亡き夫が「ここに住みたい」と決めて買った土地。彼がもし生きていたならどうしていただろう?と想像してみましたが、ひょっとすると、「お前がなんとかしておけ」の一言だった気もなきにしもあらず……。😅

それはさておき、早く処分しないといけません。😂

QPさんに連絡すると、トラックに積んで移動させることは手伝えると言ってくれましたが、すぐに駆けつけてもらうには仕事があるので無理です。

隣人パットにもシカ要らない?と聞いてみたらすっとんできたので、ほしいのかと思ったら、自分は要らないけどと言いながら雑談楽しんだら帰ってしまいました。😣

さぁ、困った。そもそも、わたしもタローもお亡くなりになっているシカ、つまりシカの死骸など、さわりたくもない軟弱者です。

考えあぐねていたら、隣人パットも気にしてくれていたようで

「もし、まだシカの始末に困っているなら、明日の朝トラクターで穴掘って埋めてあげるけど」というオファー。

イェース!渡りに船です。
QPさんの時間が空くのを待っていたらどんどん腐敗が進んでしまうので隣人パットの親切に甘んじることにしました。

クボタのトラクターでさっそうと現れ、シカご臨終現場に向かう隣人パット

ご遺体をトラクターに載せて
我が家の敷地内にあらかじめ掘っておいた穴に埋葬完了

またもや、隣人パットとクボタのトラクターに助けられました。

もうすぐ全米じゅうでたくさんの七面鳥が命を落とすサンクスギビングもやってきますが、本日から月末まではたくさんのシカさんが逃げ惑い、撃たれます。あ〜可哀想。

最近は日本でもイノシシの被害が増えていると聞きますから、そのうちこんなコントロールをするようになるのかしら?

ハンティングシーズン到来のミシガンからでした。


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