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人生初、命がけのミッション勃発【息子夫婦と暮らす#30】

本日は心身共にヘロヘロクタクタの1日となりました。

今日は息子夫婦、タローとムーちゃんが念願の日本に旅立つ日でした。彼らの最後の日本旅はパンデミックが始まる前、2019年の秋でした。日本が大好きなムーちゃんは学生時代に日本での短期研修にも参加した経験もあり、日本には友だちもいます。パンデミック中の厳しい入国制限がやっと弱まったので、米国人のムーちゃんもやっと日本に行けると大喜び。

次の日本旅行は長めに滞在したいと、2月じゅう夫婦で東京に滞在することにしたのです。これというのも、息子タローはテキサス州ダラスの会社に勤務していますが、パンデミックを機に完全リモートとなったため、いる場所は選びません。2週間は東京のホテルから仕事し、残りの2週間は休みをとるつもりです。

少し前にタローのボスがこの一年間、実はタイから仕事をしていたとわかりインスパイアーされてしまい、じゃあ自分たちも長めに日本に行ってみようという運びになったのです。

今日が出発日で、デトロイトまでわたしが送って行く予定でしたが、わたしはこれまでに一度もデトロイト空港まで運転したことがありません。行きはよくとも帰りはわたしひとりです。家族のだれもが、わたしが運転が苦手なことを知っています。

これというのも亡くなった夫は、「下手くそで危ないから」とわたしに一度も高速道路の運転をさせてくれませんでした。どこに行くにも夫婦でいっしょだったので、リスクを冒してまでわたしが運転する必要もありませんでした。

ミシガン州の高速道路は他州よりもさらに制限速度が高めです。最高時速は75マイル(120km)ですから、それより少し速めで130km ほどの速度でみんなが飛ばすので、スピードに慣れていないわたしは高速で走るのことがコワイのです。

市内をゆっくり運転するだけの暮らしで過ごしてきたので、高速長距離運転の経験はなくて未だに未熟なドライバーです。すると、末息子と彼女が、わたしがデトロイトの往復しなくていいように、空港から30分の末息子の家に駐車して空港の送り迎えはしてあげると言ってくれたのでそうすることにしました。

昨日、タローとムーちゃんは末息子の家に行き、空港近くのホテルまで送ってもらい前泊、ホテルからはシャトルバスを使い、今朝の早朝便でトロント経由で日本入りするはずでした。冬の天候が厳しいミシガンですから、フライト当日の空港行きを避け前泊にしたのです。

カウンターでチェックインのときに事態勃発です。

「パスポート、ワクチンカードをお願いします」ではじめて、ムーちゃんがワクチンカードをうちに忘れたことに気づきました。

顔面蒼白になったムーちゃんのパニックぶりも目に浮かびます。

わたしは、いつもならスマホの音はミュートにして寝るのですが、なんとなく昨夜はしませんでした。明け方、4:30 AMに電話が鳴りました。恐る恐る取ると、タローからの「ムーちゃんがワクチンカード忘れた!!悪いけど配達できる?」という電話でした。

思い返せば、彼らが出かけるまえ、「パスポートとグリーンカード持った?」と確認しましたが、そのときにワクチンカードは言いませんでした。大失敗です。

「ぎょえ〜、なにか方法ないの?」

タローはカードを持っていたようですが、日本人のタローはたぶん無くても入国できるのでしょうが、外国人のムーちゃんが日本入国するにはワクチン摂取カードなしでは入国できないし、飛行機にも乗れません。

えらいこっちゃ~。

寝ていたわたしも、思わず悲鳴をあげて飛び起きて4:45AMにはムーちゃんのカードを持って車に飛び乗り、いざ出発。

問題は、昨日は警報の出る大雪でしたから道路の凍結具合です。家の前の長い坂はたまたま昨日の時点で雪かき業者をお願いしたのでセーフ。

というわけで、これまで一度もデトロイト空港まで運転したことがないわたしが、雪の舞う中、凍結している夜中の高速道路を突っ走るという無謀なミッションを与えられて実行することになりました。往復で約520kmの距離を走るアラ還デリバリー誕生!!😅

暗闇の中をいくら走ってもちっとも着かなくて、永遠につかないのでは思うほど気が遠くなりました。夜明けは朝8時ごろなので、ずっと真っ暗闇で、氷点下で雪が舞っています。

7時過ぎあたりからはデトロイト近郊はラッシュアワーになり、巨大なトラックの波が我が物顔で雪道にも関わらずビュンビュン走っていて、もう、車のなかで怖くて悲鳴をあげながらの運転でした。

途中、一度トラックが横滑りしてきてわたしの車に接触しそうになりましたが、危機一髪で免れました。しばらく心臓がパクパク。おまけに、大量に撒かれている融雪剤がフロントガラスにこびりつくので、ワイパーをかけてもかけても、すぐに視界がかすみます。

そんな大冒険のすえ、空港に8:15AMになんとか到着しました。

コンディションの良いときなら2時間半で空港まで行けますから1時間余分にかかりましたがなんとか間に合いました。わたしの未熟さをわかっている二人にとっては待っている間も気が気じゃない地獄だったことでしょう。 

タロー夫婦はフライトをひとつ遅いのに振り替えてもらったのですが、その後、振り替え便も天候事情で遅れたために、トロントからの東京行きの乗継便には乗れなくて、今もトロントでスタック中のようです。

それにしても、わたしの大冒険は一歩間違えば、死んでいたかもしれないほどの「おつかい」でした。帰宅後、くたくたで爆睡しましたが、起きてからもあまりに長い緊張のドライブで頭がふらついていて、今日はジムに行くことも断念しました。

わたしはこれまでにたくさんの旅をして、リスクを減らすためには、少々高くても直行便に限る、どうしても乗り継ぎが必要ならば冬場の乗り継ぎはなるべくあたたかい空港を選ぶなど、それなりに学びました。

今回若い二人は若干お得な乗り継ぎによるエアカナダを選んだので乗り継ぎによるイタイ目にあっていますが、これも学びとして次回からは少々高くてもデトロイトからの直行便を選ぶことでしょう。😆

まぁ、旅というのは、冒険度が高いほどあとになって笑い話になるものなので、一ヶ月の日本滞在を大いに楽しんでもらいたいと思います。

というわけで、まる一ヶ月間、わたしはイナリとシロユキのお世話係です。


続きのアウチが起こりました😱



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