Takako.T

神奈川県出身。高田渡などを聴いたことをきっかけにギターを始めた。2009年3月にデュオ…

Takako.T

神奈川県出身。高田渡などを聴いたことをきっかけにギターを始めた。2009年3月にデュオ「やぎたこ」を結成し、アメリカン・フォーク&トラッドを独自の解釈で演奏した。2022年4月よりソロ活動を開始。ギターやオートハープを手に各地で歌っている。https://yagitako.com

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    各地へ唄いに行った時のこと、出会ったことなどを徒然に。 音楽活動のブログと連動しています。過去の記事はこちらから。 http://yagitako.blog66.fc2.com/

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    読んだ本の感想や紹介。自身の覚書も兼ねて。過去に書いたものはこちらから。 https://booklog.jp/users/tsujiitakako

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    日常のことをヒントに作ったお話シリーズ。 この中の物語はフィクションです。

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8月のライブ

まだまだずっと先だと思っていたのにもう8月。 暦の上ではもう秋になってしまいました。 夏の最初の頃に比べれば「暑い」ことに多少は慣れてきたけれど、疲れも溜まってくる時期。 ひと昔前のように暑さと闘うのはもうやめて、できる限り避けて身体に優しくしようと思いつつも、野外ライブのシーズンに 閉じこもっているわけにはいかない! と、月初は、日本ではたぶん最大規模であろうと思われる宝塚ブルーグラスフェスティバルに参加するため、西へ。 早起きして走った東名は快適で、持参したおにぎりやら

    • サファイア 湊かなえ 角川春樹事務所 

      オーディブルにて。 さすが・・・!と思わず唸ってしまう。いくつかの石をモチーフにそれらにまつわるエピソードを織り交ぜながら展開されていく短編集。とはいえちょっとした短編というにはひとつひとつのインパクトも大きいし、重く、深い内容の話ばかり。 この筆者は他の作品でもそうだった記憶があるけれど、回想シーンがとてもうまく使われていて、あたかも謎解きがされるように話が展開していく。 最後に「現在」に話が戻ってきた時に思わず、ああ、そうだったのか、と驚かされ、張られていた伏線に気が

      • あの日に戻る

        「もう、、、戻りたくはないです」 小さいけれどハッキリとそう即答した私に、彼は心底、意外だという風にこう言った。 「へぇ、、、そうかい?僕は戻れるなら戻りたいよ。今ならもっとあんなことができる、こんなことができる、という思いがたくさんある。」 若かりし頃よりはやや少なくなったのであろう白髪を撫でながら語を継いだ。 「当時はまだまだ、勉強不足だったことがずいぶんあった。今だってそうだ。でもいくつになっても、知らなかったことを知れたらそれはとてもラッキーなことだよ。知ることが

        • 水車小屋のネネ 津村記久子 毎日新聞出版

          オーディブルにて。 「いい人」がたくさん出てくる。 ひどいことをする人も出てくるのに、それを受け止める主人公たちの理解の仕方がおおらかで、ああ、こんな風に物事を考えられたらなぁ、と思ってしまった。 実は、かなり過酷な運命の下で生きる人が多く登場するし、皆が成人君主なわけではないし、それぞれに現代的な悩みもある。 みんな、悩んだり、つまづいたり、困ったり、クセもいろいろあるのだけれど、優しく、ゆっくり、着実に生きている感じがして、なんだか読んでいるだけで心が落ち着く。心が落ち

        8月のライブ

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        記事

          夏の体温 瀬尾まいこ 双葉社

          オーディブルにて。 病気の子の、でも全然トクベツじゃない、イマドキの子の目線。苦しみも嬉しさも子どもらしさと現代らしい「空気を読む」対応力、友達と出会えた喜び等々が活き活きと描かれていてついつい先へと進んでしまう。 大きな悲劇もドラマティックな大事件もないけれど、彼らを支える人達も含めて、それぞれの場でそれぞれの運命を受入、それぞれが頑張っている様子全部を応援したくなっている自分に気付く。 一緒に入っている短編も良かった。 ラクではないけど自分なりに頑張って行こう。 そう思

          夏の体温 瀬尾まいこ 双葉社

          レイアウトは期日までに 碧野圭 U-NEXT

          本の装丁や雑誌のデザインを生業とする主人公の成長物語。印刷のことや文字のことなど、普段何気なく手に取っている本がどうやって作られているかは、意外と知らない。書く人だけでなく、作品として本そのものを作る職人たちのこだわりや時代の変遷などが話題になっていて面白かった。ガンバる若者の奮闘、とも言えるストーリーもなんだか清々しく、読了感の良い1冊だった。

          レイアウトは期日までに 碧野圭 U-NEXT

          7月の終わり

          7月最後の週末、土曜日は、最近とみにお邪魔する機会が増えた正木家音楽室。 今回は山口敦子さんとピアノのYumiさんとの共演でした。 直前に、主からのアイデアで今回はYumiさんのソロコーナーも! 正木家所蔵のクラシックの譜面を持ち出して、バッハやベートーベンを聴かせてもらいました。 本番でどれを弾こうか、パラパラめくりながら弾いてみるYumiさん。 そうした曲の中には私が10代の頃に一生懸命、譜面を追いかけて弾こうとしていた、聞き覚えのある曲もあったのだけれど、、、やっぱ

          7月の終わり

          神様のカルテ0(zero) 夏川草介 小学館文庫

          神様のカルテ、前夜とも言うべきストーリー。 医療現場の臨場感ある場面は比較的少ないが、医学生の苦悩や患者の側のドラマにもスポットが当てられた話もあり、今のところシリーズの中でこれが一番、印象に残るものだった。 神様のカルテ、という言葉の何たるかも登場する、 どう生きるか、という問いは、転じていつか、どう死にゆくのか、ということを孕まざるを得ないことを、キッパリと突きつけながらも、読んでいて不思議と明るい気分にさせるものがあるストーリー。 死亡率はみんな、人類1人残らず100

          神様のカルテ0(zero) 夏川草介 小学館文庫

          新ユニット誕生!

          7月20日は新ユニットのお披露目ライブでした。 ジョイントではなく新ユニット。 いわゆるバンド、というよりは、やっぱり「ユニット」という言葉が似合う気がする、ちょっと面白い試みのはじまり、はじまり。 その名も、「できたよの会」。 「なかなか新曲ができないから、締め切りを決めて、みんなで曲を持ち寄ることにしたら?」というアイデアで生まれた会。 その“みんな”に入れてもらえて本当に良かったです。 各自が持ち寄った作品にみんなでコーラスや楽器を入れたり、みんなが好きな佐藤GWA

          新ユニット誕生!

          神様のカルテ 新章 小学館文庫

          「病気を診るのではない。人を診ている。」 心の叫びなのかもしれない。 医局の功罪や、組織の歪み。 実に臨場感あふれる描写で引き込まれた。 時に落ち込み、自分に厳しい主人公を応援したくなる。 同時に過酷な労働環境が垣間見えて心配にもなる。 スーパーマンではない現実の医療従事者とそれを支える家族は、きっともっと大変な思いをしているのだろうな、と。 現実には、なかなかこうはいかないだろう、と感じることも多々あるけれど、実際に医師でもある著者からの言葉だと思うと何だかホッとするシ

          神様のカルテ 新章 小学館文庫

          なんて暑い7月!

          暑い夏になるのだろうと頭では覚悟をしていたものの、6月終わりからの酷暑には本当にビックリ。 冷房を「強」にして入れっぱなしにしていても、30度を下らない我が家の状況に恐れをなして、 例年よりも早くベランダに日よけネットを設置、室外機にも屋根をのっけて、耐熱カーテンを閉めて、、、 楽器は窓のない部屋に避難!! という7月の幕開けでした。 だいぶ通い慣れたはずの東名も、静岡あたりの外気温は50度。 こんなに暑かったっけ・・・?? 車についている温度計なので、ちょっと熱すぎる表示

          なんて暑い7月!

          成瀬は信じた道をいく 宮島未奈 新潮社

          オーディブルにて。 だんだん、周囲の皆が「成瀬」のペースに巻き込まれ、ファンになってしまうところが面白い。スーパーヒロインであることは間違いないけれど、本人が大真面目でヒロイン然としていないキャラクターであるところが新しい。彼女の「信じた道」は論理的で、時に「空気を読む」ことにかまけて矛盾だらけの現実をバッサリやっつけてくれるようでスッキリする。 現実離れしているように思えるところさえも小気味よいし、ああ、物事をこんな風に受け止めて考えられたら、毎日が面白くなるかも?と思えて

          成瀬は信じた道をいく 宮島未奈 新潮社

          この嘘がばれないうちに 川口俊和 サンマーク出版

          登場人物に憧れたり、感情移入したりすることがいつの頃からか少なくなったのだけれど、無理に自分事に引き寄せなくても、誰もがみぞおちの奥に痛みを感じるようなツボというのがある、と思う。 相変わらず、そこを心得ている短編集。 「出会えたことにはきっと意味がある。たとえそれが短い時間だったとしても。そして、過去を変えることはできなくても、心の持ちようで未来は変わる。」 この一言が、この著者の芯のようなものなのだろうと、数冊のシリーズを読んでいてそう感じた。 ただ言葉で言われて

          この嘘がばれないうちに 川口俊和 サンマーク出版

          今年もいよいよ後半戦

          いよいよ7月。 暑さも本格化して、暑い暑いと言っているうちに短い秋を挟んで、また年末が来て、今年も終わっていくのかな・・・ さすがに少し気が早いかもしれないけれど、1年がもう半分終わったんだと思うと、残り半分もあっという間のような気がします。 6月最終週は関東でのライブ。 29日にお邪魔した北越谷のおーるどタイムは、やぎたこの頃から長年、お世話になっている場所です。 マスターはフィドルの名手。 ママはハンマーダルシマーや、最近はフィドル、アイリッシュハープも? ワクワクす

          今年もいよいよ後半戦

          スピノザの診療室 夏川草介 水鈴館

          オーディブルにて。 新聞の書評を読んだことがあった一冊。 内視鏡医の専門的な言葉が飛び交う中に、生きるとは、幸せとは、というテーマが流れている。 「神様のカルテ」が話題となり、映画化された著者の新作。 自転車で京都の町を往診する凄腕の医師が主人公。 名医、というのがどういうことか。生きる、ということがどういうことなのか考えさせられる。 誰にもいつかは訪れる死というものと、どう向き合うか。どんな言葉、どんな治療が一番、幸せなのか。 正しいひとつの答えはないけれど、時にある方

          スピノザの診療室 夏川草介 水鈴館

          あいたくてききたくて旅にでる 小野和子 PUMPQUAKES

          山の中の集落へ歩いて行って、人と人との関係を築いて、「おはなし」を聞かせてもらう。 いわゆる民俗学の「フィールドワーク」ということなら、違うセオリーがあるのかもしれないけれど、そうした切り口とはちょっと違う彼女のアプローチだからこそ、切り拓くことができたものがあったのだろうと思う。 さまざまな先人の文献等も踏まえた上で、それでもその場所の空気や、人の歩んできた歴史のようなものを肌で感じ取ってきたことを伝える彼女の文章は、良い意味で生々しく、学問の材料としてだけの素材にはない説

          あいたくてききたくて旅にでる 小野和子 PUMPQUAKES