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私は誰⁉️(20)


小説 私は誰⁉️(20)

病院からの帰り道、考えた。
誰か、私を知っていそうな場所に行けば良いのでは無いかと。
それも、一人で行かなければダメだ。
私は将棋の好きだったと妹が言っていた。
将棋のクラブか、道場に行けば、私を知っている人が居るかも知れない。 行ってみよう。
図書館に入り、パソコンで検索してみると、私の住んでいる近くに
二軒の将棋のクラブを見つける事が出来た。

直ぐに将棋クラブに行ってみた。
そこは、広い面積で四十人ぐらいの人が将棋を指していた。

自分はどれ位の実力なのか分からない。
壁に、段位を示す名札が掛けてあった。
師範はプロであった。
名札は最高段位が5段で10級まである。
私の名前は無かった。
ここでは指していないみたいだ。
手合い係がいて、対戦相手を決めているみたいだ。
手合い係も私を見ても知らないみたいで、挨拶もされなかった。
将棋を指すつもりは無く、見ていた。
なるべく、顔を曝け出し「皆さん私を見て」と心で叫んでるいたが
当然聞こえる訳が無い。

人の将棋を見ていると、不思議と私も次の一手を考えてしまう。
記憶を無くしたにも関わらず、将棋の記憶はあるのだ。
不思議な思いに駆られながら、人の将棋を見ていた。
しかし、私を知っている人は誰もいなかった。

次の将棋クラブに行ってみた。
ここは、小さな場所で、十人の人が将棋を指していた。
名札を探したが何も無い。
席主はお爺さんで、自宅を将棋場にした様な感じだった。
席主に聞かれた。
「将棋するのかい?どれ位の実力?」
とぶっきらぼうに言われた。

「将棋の実力はわからないです。一局指したいです」
と言ったら、料金表を見せられた。
1時間五百円、その後1時間毎に100円だった。

先ほどは行ったクラブは十二局指せて1200円だった。
ただし、一局でも1200円だ。
時間のある時はこちらがお得。
そんな事はさて起き。
私は将棋を指してみたいと思った。
この続きは次回に。

果たして私の実力は、、、。
ここで私を知っている人と会うことができるのかは、
次回のお楽しみにします。
ただ、私にとって、明るい兆しが見えてきた事だけは
お約束します。
一体、私は誰でしょう?

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