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音楽の話諸々

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アーティスト問わず楽曲やライブのことなど
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#音楽

Sexy Zone「Forever Yours」に感じるアイドルの愛と人生の話

Sexy Zone 25thシングル「人生遊戯」のカップリング曲に「Forever Yours」という曲があります。

この曲は作詞が竹縄さんと聞いて、リリース前から楽しみにしていました。Sexy Zoneのファンとしては「名脇役」や「アナタノセイデ」といった切ない片思いソングのイメージ。すごく具体的ではなくても不思議と情景が思い浮かぶ歌詞を書かれる方だなあと思います。

で、今回の「Foreve

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Sexy Zone「本音と建前」にアイドルとファンの関係性を見る

Sexy Zoneの新曲「本音と建前」はテレビドラマ「ウソ婚」の主題歌で、椎名林檎さんが曲提供されております。

ドラマ5話の終盤では「これは本音なの!?建前なの!?」と思うところで「さあおいで胸の裡を透き通すくらい近づいて」という歌詞が流れ、椎名林檎さんってやばない……??と改めて思いましたが、ドラマと合っているだけでなく、アイドル・Sexy Zoneが歌うからこそ彼らとファンの関係性もそこに見

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Forever Goldを聞くと「その日々が何より幸せだった」と思う

Forever Goldを聞くと「その日々が何より幸せだった」と思う

「みなさんはこの曲にどんな思い出がありますか?」。そんな文章と一緒にSexy Zoneの公式TikTokに上げられて動画が「Forever Gold」のライブ映像だった。

「Forever Gold」の思い出を話すと長くなる。

2022年7月2日の新潟昼公演。自分にとってはこれがザ・アリーナツアーの初日だった。何もかもが初見で興奮する中、Forever Goldの前に流れたケンティー監修の映像

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Sexy Zone『Chapter Ⅱ』の感想をライブ前に書き逃げする

Sexy Zone『Chapter Ⅱ』の感想をライブ前に書き逃げする

Sexy Zoneの9thアルバム『Chapter Ⅱ』、遅ればせながら通しで聞きました。

グループ第2章の1枚目にふさわしい、挑戦の作品だなと思いました。個性豊かな楽曲たちを聞くだけでもそれを感じますし、いろいろなインタビューでメンバーそれぞれのこだわりや楽曲提供されたアーティストさんへの思いを読むとさらにその意欲を感じます。

作品としてのまとまりだけで言えば前作『ザ・ハイライト』が好みです

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すましたjokerもいいけれど

すましたjokerもいいけれど

Sexy Zoneの新アルバム「Chapter Ⅱ」に収録される風磨くんのソロ曲が「My World」というタイトルだと知って、夢にあふれたエモい歌が来るのかなと思っていた。

しかし実際に来たのはバチバチの、尖った姿だった。

「炎を胸に、全てこの手に」の「手」のがなり方にゾクっとする。
「I am the king and This is my world」の「This」で上がるメロディや、「

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Sexy Zone「Cream」でサブスク時代にCDを買う楽しさを感じた話

Sexy Zone「Cream」でサブスク時代にCDを買う楽しさを感じた話

CDを買ってもスマホに取り込んで終わりだと「サブスクでよくな〜い?」ってなっちゃうけどせっかく買ったんだから楽しみ尽くそうぜ!
……という話をしたいと思います。

「iTunes Storeで売ってすらいないの!?」の衝撃5/3にSexy Zone 23rdシングル「Cream」が発売されました。

表題曲は作詞作曲がiriさんでサビのiriみにサイコ~の気分になれることや作編曲がYaffleさん

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Sexy Zone楽曲における「夜明け」について

「夜明けの風に吹かれて どこまでも走り抜けた」で始まるのは、Sexy Zoneの代表曲の一つ「RUN」です。

この部分からもわかるように闇夜から夜明けに向かっていく疾走感があります。

この夜明けを待ち焦がれるような感覚を覚えるのが「RUN」の次にリリースされたシングルである「NOT FOUND」。メンバーの菊池風磨さんの書いたラップ詞に出てくる「彼は誰時」という言葉は、人の顔が判別できないよう

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Apple Musicが今年聴いた曲を教えてくれたけど感覚と一致しなかったので自分でまとめた

Apple MusicやSpotifyが今年一番聴いた曲を教えてくれる時期になりました。最近はApple Musicをメインで使っているので、Apple Musicからのご案内をふむふむと見てみました。

しかし割と作業用に音楽をかけてしまうので、サブスクが教えてくれる今年一番聴いた曲と個人的に印象的だった曲が一致しない。雨音のBGMはたしかにめちゃくちゃ聞いたけどそうじゃないんだ。

これはもう

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愛の哲学の続きをーーフィロソフィーのダンス「Red Carnival」

愛の哲学の続きをーーフィロソフィーのダンス「Red Carnival」

「あ、これは『愛の哲学』の続きだな」。CDを1周してそう思いました。

10月19日、フィロソフィーのダンスのEP「Red Carnival」がリリースされました。

EPのモチーフは架空の祭り「Red Carnival」。ジャケットも華やかで、それぞれの衣装もお祭りを意識しているそうです。おとはすはお祭りの日だけ地球にやってくる他の星の人……だったかな。今回も衣装のイメージはぶっとんでいる。

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暗闇で光る愛と希望の一枚「Trust Me, Trust You.」

暗闇で光る愛と希望の一枚「Trust Me, Trust You.」

アルバムではなくシングルで「この収録曲でよかった」と思うことがあるのか。ありました。9月7日リリースのSexy Zone 22thシングル「Trust Me, Trust You.」の話です。

一番収録曲数の多い通常盤では、合計4曲を楽しめます。アルバムについては元々メッセージ性の強い1枚を作ってくるグループという印象がありましたが、シングルに対して「この収録曲たちでよかった」と思うのは初めてで

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Sexy Zone「Trust Me, Trust You.」の構造が面白い話と余談の解釈

Sexy Zoneの新曲「Trust Me, Trust You.」のMVが公開されました。

モチーフになっている「最後の晩餐」や日光東照宮の三猿と絡めた有識者の考察をほーほーと眺めています。私自身は解釈がまだ甘いもので「そもそも裏切りって何に対する裏切りなんだっけ?」「犯人と言うけれど何の罪を犯したんだ??」と混乱してもいるのですが。

そんな中、個人的に面白いなと思ったMVの構造です。

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「普通」を捉え直して「ぎゅっと」を聞けるようになるまで

「普通」を捉え直して「ぎゅっと」を聞けるようになるまで

Sexy Zoneの「ぎゅっと」という歌があります。

「いつでもちゃんと見てるから 大丈夫」というサビの歌詞に何度も励まされてきました。しかし唯一聞くたびにモヤっとしていた部分があります。

それが1番のここです。

いや、それ全然普通じゃないんですが!?

少なくとも私にとっては、だれかと結婚するのも普通に帰って普通に眠るのもそんなに普通じゃない。

結婚して子どもを持って〜みたいなことを普通

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Sexy Zone「Dream」に見る恋の多義性

Sexy Zone「Dream」に見る恋の多義性

Sexy Zoneの8thオリジナルアルバム「ザ・ハイライト」のリリースから毎日、収録曲「Dream」のことを考えています。

楽曲提供者のiriさんのコメントによれば「もやもやとしたせつないラブソング」。ただメンバーの菊池風磨さんは「(「Dream」は)恋愛だけじゃない」と話していました。

ではこの曲で描かれた恋、恋しい気持ちとはどういうことなのか。聞いているうちにいろんな読み方ができたのでま

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Sexy Zone『ザ・ハイライト』は本当に「令和レトロ」だった

Sexy Zone『ザ・ハイライト』は本当に「令和レトロ」だった

音楽の難しいことは分からんがこのアルバムが好きだということは分かる。

ひたすらに音楽とメンバーのボーカリストとしての幅を楽しめるアルバムでした。

80年代をイメージしたアルバムだと随所で聞いていたので「その懐かしさにあまり共感できなくてついていけない」という可能性も考えていました。が、いざ聞いてみると想像していたよりもバラエティに富んでいる印象。2022年に20代を生きる自分にも不思議と馴染み

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