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Sexy Zone『Chapter Ⅱ』の感想をライブ前に書き逃げする

Sexy Zoneの9thアルバム『Chapter Ⅱ』、遅ればせながら通しで聞きました。

グループ第2章の1枚目にふさわしい、挑戦の作品だなと思いました。個性豊かな楽曲たちを聞くだけでもそれを感じますし、いろいろなインタビューでメンバーそれぞれのこだわりや楽曲提供されたアーティストさんへの思いを読むとさらにその意欲を感じます。

作品としてのまとまりだけで言えば前作『ザ・ハイライト』が好みですが、予想通りの綺麗な丸よりは個性豊かなまるさんかくしかくのほうがワクワクするのも事実。「四角い箱の中に押し込まれるのはごめんなさい」ですね。

今作の曲たちを聴いていると、「ストレートに好き」「意外と好き」「ライブで聞いたらもっと好きになりそう」などいろいろな感想が湧きます。そして少し周りに目を向ければ、自分の好きなものが周りの好きなものや「世間」に評価されるものとイコールなわけもないことに気が付きます。

でもそれが面白い。自分はこれが好きなんだな、ここが好きなんだなと気づく機会をもらえているように感じます。

以前ケンティーがananのインタビューで「僕らがお届けするエンタメが、みなさんの幸せを探すヒントになればいいね」と言ってたのがとても好きでした。だからこそいろんなエンタメが、いろんな音楽があって然るべきだと思っています。なんか今はこれが刺さるなあという感覚を大事にしたいです。

だから、自分が今どんなことを思って聴いたのかを書き残そうと思います。音楽性がどうとか楽曲提供者の方がすごいとか、そういうことは詳しい方にお任せします。ライブツアーが始まったら風磨くんを筆頭にSexy Zoneが再解釈した『Chapter Ⅱ』にやられて「もうこれが"正解"じゃん……」となりそうなので、ただただ今のうちに書いておきたいのです。もはや書き逃げです。

それでは書き逃げしていきます。

Disc 1

01.Cream

シングルとしてのリリース時に風磨くんが「曲の明るさや爽やかな広がりがグループの新しい幕開けと重なる」(BARFOUT! 2023年5月号)と話していましたが、そんな1曲がアルバムの1曲目なのはいいですね。いわゆる4人体制になってから最初のシングルでもあるので、シングルとしてもアルバムとしてもこの曲で第2章が始まるんだなあと思います。

02.EXTACY LUV

試聴でも勝利くんが無邪気に甘く囁くように歌う「見せてあげる ほら 本能のまま」にやられましたが、通して聞いてもやられました。と思ったら「抜け出せないな この Luv game」からの勝利くん、さっきの幼い感じはどこへ行った?? 曲の中での振り幅がすごいです。

聡ちゃんもそう。「溶けてく夜 乱れてよ」で切り込んできて「Lemme taste your body」で巻き舌をかましたと思ったら「Breathe in, ~~」でふっと儚くなる。緩急をありがとう。絶対にセトリ落ちさせたくない。ケンティーの煽りは激しいだろうし風磨くんの高音は美しいだろうし、ライブでやらない理由がないですね!!!!!

03.Purple Rain

アルバムリリース前から大好き。 Sexy Zoneに関しては割とテンポの遅い曲を好みがちなのですが、歌もダンスもキレキレなこの曲に無性に惹かれます。だってかっこいいんだもん。「Sexy Zoneの第2章の映像があるとしたらBGMはPurple Rain」という勝利くんの話も込みで好き。最後にぼわ〜んと音が残って終わるところでなんだか雨が上がりそうだなあと思って聞いています。

不思議とアニメのOPみ感じていたのでYouTubeにアニメーションMVが公開されて嬉しかったです。フルで聴けるのもありがた〜い。

04.Stolen Heart

雨粒みたいにキラキラしたイントロが素敵。「Purple Rain」とのつながりが滑らかになっているように感じます。脳を揺さぶってくる強い曲も好きですが、そういう曲ばかり聞いていたらちょっと疲れてしまうのでこういう曲も必要なんですよねえ……。素敵な夜の帰り道でおしゃれに聞きたい曲です。

という感じで少し浮遊感のある音に浸りたくなりますが、歌詞は結構湿度が高め。アナタノセイデのように静かに熱を放つタイプ。内気な僕がおしゃれな君に片思いしている図が脳内に浮かんでいます。

05.BUMP

脳を揺さぶってくるタイプの曲がこちら。MGのセルフライナーノーツによればこれで煽り曲じゃなくてダンス曲らしいのでライブが楽しみで仕方ない。

試聴段階ではSixTONES(概念)っぽいな〜と思っていたのですが、1曲通して聞くと「BON BON TONIGHT」や「Freak your body」などSexy Zoneの過去曲とのつながりを感じられてよかったです。「〇〇っぽい」は別にネガティブな感想ではないのですが、Sexy Zoneならではを感じたいっちゃ感じたい。

ではどこからSexy Zoneっぽさがくるのかと言われるとたぶん「Dun tan dun tan tu dun dun da…」です。「Bon bon cha bon bon cha」と同じものを感じます。

06.泡

chilldspotのhiyuneさんによる提供曲。Sexy Zoneと坂本真綾さんへの楽曲提供が決まって知った方ですが、アルバム『ポートレイト』がとても好みだったのでどんな曲がSexy Zoneに来るのか楽しみにしていました。

個人的には「5/7」のように日常感のある曲が来るかと予想していましたが、やってきたのは想像以上に幻想的な曲。「星の雨」と続けて聴きたい世界観です。ライブでポプステコンの機構を使うならぜひ水を降らせてください。

同じように浮遊感のある「Stolen Heart」と繋げてもよかったように思いますが、その間に「BUMP」を挟むことで緩急がついていいのかもしれませんな。

07.Message

イントロからアルバム最後の曲感がすごい!! 聡ちゃんがMGのインタビューで「僕だったら、『Message』を最後に持ってくるんですよね」と話していたのも納得です。歌詞も希望や壮大さを感じるメロディも『Chapter Ⅱ』の名前にふさわしい。「何も無かったあの頃の君に誇れ」という歌詞には去年のアルバムのリード曲である「Forever Gold」からのつながりも感じます。

ライブのセトリでこそ最後になるのでしょうか。でも今回は最後の曲から決めてないそうなので違うかなあ。そんなセトリ予想ができるのも今日までという詰め詰めライブスケジュールの今年でございます。まあ私は初日参加しないんですけど☆

特に好きな歌詞は「僕らにはきっと 思い切り笑う資格があると思うんだ」。これはいくつか解釈ができそうです。

素直に聞けば「あの日々を耐え抜いた僕らには笑う資格がある」という意味でしょうけれど、個人的には「耐え抜いた日々を忘れてはいないけれど僕らには笑う資格がある」という風に聞こえました。過去につらいことや挫折があっても、今もそれを抱えていたとしても、笑う資格はある。常に悲壮な顔をしている必要なんてない。逆にいうと思い切り笑っているから全てを忘れたわけじゃない。そんなことを思いました。

全然話は変わるのですが、実は昨年別グループの最推しが卒業しまして。彼女がいないグループを笑顔で見ていていいんだろうかと思ったことがあります。でも寂しさを抱えていても思いっきり笑って楽しむ資格はあるよなあと「Message」を聞いて思いました。……正直これはSexy Zoneに関してもそうなのですが、自分はマリちゃん担じゃないのでそこまで突っ込んで話すのも違うかなと思って推しメンの話をいたしました。両グループとも笑顔で応援したいものです。

08.Take A New Step

「Message」でまっすぐに第2章への旅立ちを歌った後に来る「Take A New Step」がいい。これはいい曲順。「Message」が第1章と第2章をつなげる曲なら「Take A New Step」では軽やかにスタートダッシュを切るような印象です。ラスサビ前の風磨くんが歌う「見に行こう 希望しかない新天地さ」はたぶんライブで聞いたら泣いちゃう。

MGのインタビューによれば聡ちゃんの「"ザ・アイドル"という楽曲、それでいてどこかこじゃれた楽曲がほしい」というリクエストからこの曲が出てきたそうです。歌いやすいキャッチーなサビがあることにアイドルみ(というかジャニみ?)を感じる人間なので、そのリクエストでこの曲が出てくるのかとびっくりしました。

とはいえSexy Zoneっぽいのはわかります。私の中での「Sexy Zoneっぽい」の一つはこういう感じです。それに「確信犯的救世主」はSexy Zoneの可能性が高いのでこの曲はアイドル Sexy Zoneの歌です、決定。

09.Make You Mine

「Message」「Take A New Step」と思想に刺さる曲が続きましたが、再び音楽性としての『Chapter Ⅱ』っぽい曲に戻ってきました。リード曲「Purple Rain」のようにおしゃれな夜を感じるという意味でチャプツーっぽい。

この曲で改めて感じるのは、濃密な恋愛の歌を歌うケンティーの強さはすごいということ。絶対にMake You Mineするでしょ。「THE FINEST」のようにライブでさらにかっこよくなる曲だと思うので、早くライブ音源を脳内再生できる体になりたいです。

10.Sad World

試聴段階で絶対に好きだと確信していました。暗闇の中で光を信じて進むSexy Zone、大好きです。

アルバムの真ん中に位置する「Message」「Take A New Step」が割と光属性ですが、ここに「Sad World」が入ることで一直線に前向きなアルバムではないような印象を抱きます。前を向いてみて、かと思ったら過去も忘れられなくて。その行ったり来たりな感じは2022年末の5日間を思い出します。進歩と同様に、人の気持ちも線形ではないですからね。線形にはいかないSexy Zoneの人間らしさが好きです。

この曲がライブ本編ラストもあり得る、あり得るよな……でもライブパンフによると「あ、こんなのあったな」っていう曲らしいのでそもそもアルバム曲ではないのかもしれない……セトリ予想は難しい…………。

11.Trust Me, Trust You.

「夜は長いけど 朝日を見るため」の「Sad World」から「暗闇の向こう側に I see the 未来」のトラトラにつながるの、いい曲順です。

歌詞カードを見ながら聞くとこの曲の美しさと力強さを感じます。歌詞の話は以前書いたので繰り返しませんが、やっぱり暗闇や夜が似合うグループだなあと思います。彼らの持つ光の強さをより感じられるからこそ、夜の中にいる姿に惹かれるのでしょう。

12.再会の合図

試聴したときはアルバムの中でちょっと浮かないかしら……と思ったんですが、これもまたイントロが上手く繋いでくれました。長い夜が明けたところに遠くから賑やかな仲間たちがやってくるみたいな印象です。アンコールで歌ってほしい。

全く嵐の有識者ではないのですが、風磨くんの「かれこれ何年会ってない お互い勝手な人生」に櫻井くんみを感じました。「会ってない」の「あ」と「勝手な」の「か」が特に。そして思い出す櫻井くんの曲。

13.長電話

ラジオで解禁されたときの印象は親子の電話の歌でした。「『たまには帰ってきなさい』が出たからそろそろ終わり」から始まるんだもの。ただ聞いているうちに、親子に限らず旅立って行った人と見送った人の歌なのかもなあと思うようになりました。マリちゃんに対して「過酷な就活が待ってるぞ」と笑ってた4人とマリちゃんのことをちょっと重ねてしまったり。

そういえば先日のZIP!でマリちゃんはすごい速さでグループのインスタ投稿にいいねするという話になったときに風磨くんが「ちょっと引いちゃうんですよ」と言っていたんですが、あれはまさに「どうしてもっと素直に話せないんだろう」でしたね……「嬉しいって言ってます」という勝利くんの翻訳が大活躍。

「再会の合図」は友達同士・仲間同士の歌なので勝利くんがラジオで話していた通りSexy Zoneの物語・友情をストレートに感じますが、「長電話」もまたSexy Zoneの5人らしい歌だなあと思います。

14.せめて夢の中でだけは君を抱きしめて眠りたい

基本は片思いソングだけどふとした瞬間にガッと別のことを考えてしまう曲です。Dreamと同じタイプ。「なのに思い出の中で 憧れのままに 煌めいてイタズラに微笑んでる」はいわゆる恋愛だけじゃなく、もう割り切ったはずのさまざまなことで起きる感情だと思います。

そして今そこを突かれるとSexy Zoneのオタクとしては少し苦い。ちなみに前述した卒メンのオタクとしてもほろ苦い。うぅ、おとはす……。基本的には前を向いているし日々楽しいけれど、せめて夢の中でだけは抱きしめたいものもありますからね。割り切れないことは無理に割り切らないでいられたらいいなと思います。

とまあいろいろ考えながら聞くのですが、MGで風磨くんが「カラオケっぽい」と話していたのを思い出すと一気に脳内でカラオケ特有の映像が流れ始めます。言われてみればわかるけど、わかるけど……! カラオケ特有の映像がライブ会場に流れたらどうしよう。変な心配をしています。

Disc 2

雨に唄えば(佐藤勝利)

最初に幼き日の勝利くんが思い浮かんで、最後には大人になった今の勝利くんが思い浮かぶ曲でした。小さい頃の記憶ってなんであの場面だけ覚えているんだろうと思うこともありますが、「ロボとか恐竜とかタコとかみんな丸くて ただよじ登っては降りてを繰り返す」は勝利くんにとってそういう記憶なのかなあと思いました。

そして大人になった勝利くんにとっての「夢の国」がステージの上だったらいいな、と思いました。ライブでもお芝居でも、ステージの上にいる勝利くんが私は好きです。

My World(菊池風磨)

実はアルバムより先に感想を書いてしまった曲です。風磨くんとどなたかの共作のようですが、どなたがどこを書いたのか解説してほしい。音楽を語りすぎるのはナンセンスなのかもしれないけれどもっと語りが聞きたい……。

Turbulence(松島聡)

強いな、と思いました。Turbulenceは乱気流という意味だそうで、乱気流の中に身を投じる覚悟を感じます。「NOT FOUND」の「誰でもないや 誰でもないんだ 自分で望んだ世界だ」を思い出しました。唯一の選択として乱気流に飛び込むことを余儀なくされるのと、「背を向け逃げ出したっていい」と分かったうえで飛び込むのは違います。今の聡ちゃんは後者のような印象でで、そのしなやかな強さに憧れます。

それでいて、きれいに終わるかと思ったら最後の最後にぶちかましてくる感じがたまらない。ライブが楽しみすぎますね。

ROSSO(中島健人)

冗談抜きでリリース日から一番聞いているかもしれません。イントロも歌詞の乗せ方もケンティーの歌い方も、全部が好きすぎる。しかもライブでは激踊りするらしい。絶対にもっと好きになってしまう。

他3人のソロ曲からはその人自身を感じますが、「ROSSO」は一つのお芝居を見ているような気持ちになります。ケンティーが作る世界観を役者・アイドルの中島健人が演じ切っているという感じ。MGで「今までは与えられた脚本を読み上げたり、演じる感覚で見られてきましたけれども、その脚本を次に書くのは自分自身なんじゃないか」と話していましたが、このソロ曲がまさにそうだなと思いました。

ちなみにまだ赤ワインを飲みながら聞くやつはやってないです。ライブに行くまでに1回はやりたいです。


2023/8/11追記:ライブ、楽しかったです!!