鉄道編成写真で写真の基礎を学べる説
※無料公開記事です。
鉄道編成写真(以下、編成写真)って写真の基礎練としてはかなり優秀なんじゃないか?ということを最近思っています。私自身も、熱心にやっていた時期は短いんですが、今日に至るまでの写真の基礎は編成写真に教わりました。今回は一般論として編成写真に求められることを考えつつ、その知識を他ジャンル、特に鉄道風景写真や鉄道スナップ写真にどう応用しているかを話します。
編成写真に求められること① 光線
これらの写真はそれぞれ別の光線状態で撮影した写真です。順光は、正面にもサイドにも光が回り、列車の色を正確に表現出来ています。正面光は、顔のみ光が回ってサイドが完全に影になります。サイド光は、正面光とは逆でサイドのみ光が回っています。逆光の場合は列車の背後に太陽があるので、全ての面に光が回っていません。編成写真は鉄道車両を正確に描写することを重視したいので、このうち順光が最も望ましい光線になります。
光線が重要なのは編成写真だけではない
メインの被写体に対してどのように光が当たっているか?を考えることはジャンルを問わず写真を撮る上でとても重要なことです。主題にしっかり光を当てる、角度をつけて影を出す、逆光で透かせるなど、光の当て方を考えるだけで写真の印象は全く変わってきます。光源の位置と光の当たり方の関係性を理解するにおいて、四角い鉄道車両はとても分かりやすいです。
編成写真に求められること② 構図
編成写真にはある程度型があります。向きやシチュエーションによって様々ポイントはありますが、主に下記の5つを守っていれば良い感じにまとまります。
1,列車の顔付近に余計なものを置かない。
列車の顔に障害物がかかるのは当然NGとして、顔付近にも柱などの邪魔なものが来てはいけません。編成写真を見て最初に注目するところは顔なので、その周りに余計なものは無い方が良いです。
2,背景はスッキリした場所で
背景がごちゃごちゃしていると列車に目が行きません。特に派手な色の看板やぎっしり詰まった住宅街は目立ちますので、なるべくすっきりした背景の場所を選ぶ方が良いです。せめて顔の横だけでも植物や黒っぽい壁など目立たない背景にしてあげると、それだけでもだいぶ見栄えが良くなります。
3,下の空間を広く取りすぎない。
編成写真において地面を大きく入れると、
・画面下方の情報量が薄くなる
・列車の目を引く部分は一般的に足回りではなくボディなので、ボディが上の端に寄ることで、上下の情報量のバランスの悪さが強調される
といった事象が発生します。線路は画面下ギリギリにおき、余計な地面はいれない方が上手くいくことが多いです。
4,編成を頭からおしりまで全部入れる。途中で切らない。
編成を途中で切ってしまうと、尻切れトンボのような中途半端な印象を受けてしまいます。編成写真は記録性が大切なので、切らずにきっちり写します。
5, 余計な空間を置かない
ギチギチすぎるのはそれはそれでバランスが悪いですが、度を超えてスペースが空いているとスカスカで見栄えが悪いです。具体的にどのくらい、とは言い難いので、「この位がバランス良いかな」という感覚を見て学んでいたように思います。
これらの原則は、編成写真以外の写真を撮る時の構図構成時にも応用が効いています。目立つ割に主題と関係ない余計なもの(例……ガードレールや鉄塔)は目立つので排除する、主題は全部入れるか大胆に切るかを選択する、余計な空間を置かない、といった具合です。
見慣れた編成写真といえども、奥が深くて他に応用が利く世界ということが伝われば幸いです。鉄道に少しでも興味がある写真愛好家の方は、一度編成写真を撮ってみると何か勉強になることがあるかもしれません。
各SNSで新作発表中です。
→Instagram @misha_okauchi
https://www.instagram.com/misha_okauchi
→Twitter @_okka3785
https://twitter.com/okka3785
ホームページ
https://y-okauchi-photo.com
YouTube
https://youtube.com/@OKAJOKI?si=e5_D61Gd-oOl08x_
ここから先は
¥ 300
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?