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【おすすめ本】読んだら本屋に必ず行きたくなる!書店が舞台の日常ミステリー『配達あかずきん』大崎梢

つい本屋に行きたくなってしまうミステリーをご紹介します!

本屋さんのお仕事がよくわかる心温まる物語です。

本書の紹介

大崎梢さんの『配達あかずきん』です。「本格書店ミステリ」とも呼ばれる書店を舞台にしたミステリーです!マンガ化もされている人気作品です!

「本屋の謎は本屋さんが解かなきゃ!」
とある駅ビルの6階にある成風堂書店を舞台に、
しっかり者の書店員・杏子さんと
勘の良いアルバイト大学生・多絵ちゃんが、
書店で起こる謎や事件を鮮やかに解き明かす!!

本屋の謎は本屋さんが解く!書店が舞台のミステリー

舞台は、駅に隣接するファッションブランド等も入っているそこそこ大きめの本屋さんです!

イメージとしては東急百貨店やマルイにあるような本屋さんでしょうか。

書店を舞台にしているだけあって、起こるナゾは全て書店に関わるものばかりです!

「本屋の謎は本屋さんが解かなきゃ!」と、不思議な事件に書店員が挑みます!

警察が関わってくるような事件では無く、基本的には主人公の書店員の杏子を中心にお話が進行していきます。

元書店員の作者が描く書店員さんのリアルな日常

作者の大崎梢さんは元々書店員をしていて、書店の様子がリアルに描かれています。

町中の個人店では無く、そこそこ大きめな駅近の本屋さんなので、夕方の帰宅ラッシュ時は慌ただしく、平日昼過ぎはのんびりしているという様子がとても身近に感じます。

僕も本屋巡りが趣味で、旅行に行っても本屋を見つけたらついつい立ち寄ってしまうのですが、書店員さんと会話するのはレジぐらいでした。

でも本作は、ポップアップの作成予約注文の受け付け出版社さんとの関わり、など普段はわからない書店員さんの仕事を色々と見る事が出来ます。

ミステリーとしてだけではなく仕事小説としても楽しむ事が出来ます。

エピソード紹介①壊されてしまった展示ディスプレイのナゾ

短編集ですので、その中で個人的にオススメのエピソードを2つご紹介します。 

1つ目は、本作の最後のエピソード『ディスプレイ・リプレイ』です!

出版社の企画で、ある有名マンガの特設台を作るコンテストに参加する事になった成風堂書店(本作の舞台の書店の名前です)。

大学生のバイトと、その学生友だちの手助けもあり、とても素晴らしいディスプレイが出来あがります。

お客さんからの評判も良く、書店の売上も伸びて順風満帆だったある日、折角作ったディスプレイが黒いスプレーでムチャクチャに壊されてしまいます。

果たして犯人は誰で一体何の為にそんな事をしたのか、書店員の杏子と多絵がこの痛ましい事件の真相に迫ります。

こちらのエピソードは、少し切ない気持ちになるものの、マンガが好きな読者と、同じく自分のマンガを愛するマンガ家の気持ちが伝わり、とても読後感の良いエピソードです!

エピソード紹介②本をオススメしてくれた謎の店員の正体

2つ目は5番目のエピソード、『六冊目のメッセージ』です。

ある女性が成風堂書店にお礼を言いに来ます。

話を聞くと、その女性は、近くの病院で入院生活を送っていたものの、成風堂書店の男性店員がオススメしてくれた本を読んでいたお陰で楽しく入院生活を過ごせたとの事でした。

が、その書店員がオススメしたのはエッセイから実用書、SF小説と、幅広いジャンルに渡っており、それでいた歴戦の書店員を唸らせるマニアックながら絶妙な選書でした。

こんな本をオススメ出来る男性書店員は成風堂書店にはいないはず、、、と、謎の書店員探しに奮闘します!

このエピソードは、本を人に伝える喜びや、本を愛する人々の気持ちに溢れていて、とてもオススメです!

キャラクター達の掛け合いも楽しく、書店に行ってみたくなるストーリーですので、読書好きの方は是非手に取ってみてください!!

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