◯ピッツなら確実にクリアしていました。
皆さんこんばんは。
ひたすら紳士です。
実は私、カラオケが趣味だったりします。
1人で行くのもみんなで行くのもよし。
盛り上がるのも高得点を狙うのもよし。
楽しみ方が様々あるのがカラオケの魅力です。
そんな中でも、「手コキカラオケ」は最も
刺激的な楽しみ方と言えるでしょう。
某番組の人気企画として世に広まったこの
手コキカラオケですが、ルールは至極単純。
手コキされながらカラオケをして、90点以上を出したらクリア。
という、なんとも馬鹿らしい、けれど趣深い
内容となっております。
(番組ではクリア報酬が100万円でした。)
さて、ここで話題に出したことからお気づきの
方もいらっしゃるはず。
もちろん、私は手コキカラオケ経験者です。
この企画の存在を知った当時はまだお願い
できる相手がいませんでした。
手コキされながら90点出せるのかどうか。
ただひたすらに、己を試したい。
そんな気持ちを抱えたまま、月日は過ぎて
行きました。
やがて、私は淑女Mとの出会いを果たします。
そしてついに、手コキカラオケ挑戦の時を迎え
ることとなったのです───。
場所は、近所の某巨大カラオケ広場。
運良く、通路最奥の目につきにくい部屋に
案内されました。
ようやくチャレンジできることに興奮しつつ
も、はやる気持ちをおさえ、まずは数曲歌い
喉を作ります。
Mと一緒にデュエットしたりもしました。
当然ながら、デートの一環として訪れた場所。
手コキに備えつつも、2人で楽しむ時間も大切
にするのが紳士というものです。
そうして歌うこと、約1時間。
喉と心の準備が、完璧に整いました。
Mに手コキカラオケを始めたい旨を伝えると、
彼女はカバンの中から小さめの毛布を取り出し
ました。
本家ではカメラを遮るパーテーションが立ててあり、局部が見えないよう配慮されていました。
この毛布は、そのパーテーションの代わり。
これを私の愚息に被せ、その中で手コキをする
という算段です。
毛布を先に股間の上に被せ、その後、ズボンとパンツを降ろしました。
私の気合いに呼応するように愚息もたぎり始め、被せられた毛布を力強く持ち上げます。
歌う曲は◯きものがかりの某気まぐれ浪漫曲。
以前採点時には何度も90点オーバーを叩き出し
ていた、自信のある一曲です。
曲を入力し、マイクを口元で握りました。
それと同時に、Mも毛布の下で私のマイクを
握りました。
一瞬だけ、静けさが部屋を包みこみます。
そして次の瞬間、ポップなイントロが響き
渡りました。
戦いの火蓋は、切って落とされました。
歌い始めは順調でした。
1番のAメロ、Bメロは音程もさほど外すこと
もなく、ビブラートも安定していました。
Mの情けか、はたまた優しさか。
手コキのリズムがかなり緩やかだったため、
我慢できるレベルの気持ちよさでした。
(このままならいける。このままなら──)
しかし。
そんな淡い期待はすぐさま裏切られることと
なります。
サビに差し掛かった瞬間、一気に彼女の手の
動きが激しくなったのです。
8ビートから16ビートへの急激なテンポの
変化により、快楽も倍増。
腰が動くのも、声が揺れるのも抑えられず、
音程を大きく外してしまいました。
チラと目をやると、Mはにやにやとした顔で
こちらのリアクションを窺っていました。
そう、この緩急は紛れもない、巧妙な彼女の
作戦だったのです。
そこに、彼女の熟練の技術が加わります。
しごかれ、撫でられ、擦られ、なぞられ…
バリエーション豊かに、私は責められ続け
ました。
押し寄せる快感に負けてたまるかと、腰を
ガクガクさせながらも私は必死に歌いました。
が、足掻く私に対して、Mは残酷でした。
最後のサビに差し掛かろうかというところで、
全力でスパートをかけてきたのです。
一気に込み上げてきたかと思えば、あらがう
間もなく、私は彼女の手の中で絶頂を迎えま
した。
どくどくと強く脈打って、これでもかと精を
吐き出しました。
絶頂直後もしばらくの間、彼女の手の動きは
止まりませんでした。
敏感になったところをいじめられて、とうとう
私は歌どころではなくなりました。
ずっとマイクを構えたままだったので、ウッ…
ウッ…ウゥッ…と、私の漏らす声にエコーが
かかっていました。
何とも情けない絵です。
最大の敵は快楽と戦う己ではなく、私の愚息を
支配するMの方だと気づいた頃には、採点が
終了していました。
結果は、81.547。
後半は台無しになった割にはましな点数では
ありますが、クリアならず。
悔しさに俯く私を尻目に、ドロドロになった
手を洗いに行こうとMは席を立ちました。
そして一言。
「私に勝つには10年早い。」
…ん?
あれ?そんな企画だったっけかな…?
とはいえ、敗北は敗北。
その日の夜は、少しだけ、眠れませんでした───。
あれから、手コキカラオケには一度も挑戦して
いません。
何度やっても、きっと結果は同じで。
「思いっきり手コキされたらカラオケなんて
無理」だと、Mに痛感させられたからです。
未練はありません。
他の曲ならあるいは…とも、全く思って
いません。
今はただ純粋に、カラオケを楽しむばかり
です。
それではまた、ごきげんよう。
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