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人を呪った話。

 これは最近も最近、昨日の深夜に僕がとある事情で人を呪った話である。呪いが届いたかは知らないけれど。

 まぁなんで人を呪うに至ったかに関してはぐだぐだと語っていたけれど、今しがた消した。あまりにも特定的すぎた。
まぁ、なんだろう、昨日過去を色々と思い出すことがあり対象人物に呪いの念を送ったのだ。

 僕の念の送り方は色々ある。信じれば救われるなどという気は毛頭もないのだけれども、信じれば念じれば何かしらは“届く”と思っている。

(ちなみに僕は、念じる時は心の底に湧き上がる恨みを鋭くして強くして、それを恨んでいる相手に捩じ込んで刺すイメージであったりとか
心の中で、壊して欲しい部位や物の中を思い浮かべて、それを破壊するイメージをする事が多い)

 ところが僕は昨日、ちょっと珍しく頭の中に“呪いたい相手と釘”を思い浮かべて、その釘を相手に打ち込んでいた。
許さない、ぶち殺す、苦しめ、苦しめ、苦しめ。

ただ昨日は心の中で打つ釘はどうしても念じあがりが悪くて別に手応えもなくて。
それはそのはずで、今回は眠れなくて苛苛した果てに件の人間を思い出してしまったから呪っていただけなので、念じるもクソもないのではあるけれど。

どこか空振り感を感じながら、それでも僕は眠れるまで釘のように念を相手に打ち続けていた。

“しね”
“くるしめ”
“ふこうになれ”
“おまえが”
“なにをしたかおもいしれ”

続けていると、ゆっくりと念が研ぎ澄まされていっているのを薄々感じていた。
それでも、続けていた。

心の中で相手に釘を刺す。手応えが少しずつ確かなものになっていっているような気がした。

“必ず呪ってやる!!!”

――――――――カンッ!!!


「!?!!!?」
 慌てて布団から飛び起きた。

硬質な物に何かが当たった音が響いたのだ。
そして何かを“打ち込めた”という、確かな手応え。

ないはずの釘が思い切り刺さったような、そんな音と、感触が、布団に寝転がっている僕の右手にあった。

 「あ、届いたかな?やったじゃん。僕やればできるな?あいつ不幸になったりすんのかな?はは」

って思ったら急に安らかな気持ちになって、睡魔が眠りに誘いにきたから誘われるままに入眠した。

 次の日、というか今日の話。

僕、とある場所から“かわらけ投げ”というものをした。本堂で願い事をしてから、瓦を投げて超遠くにある的にクリーンヒットしたら願いが叶うぜ!っていう御呪いってか、願掛け?

 今って僕は別に強く願う事はなかったから、こんな願掛けをした。

“僕と同じ事をされてもあいつはどうせ苦しまないので、あいつが1番苦しみそうな出来事があいつに降りかかりますように。こんな事を願うべきではないと知ってはいますが、呪う権利はあると思うので怒らないでいただけると嬉しいです”

と。

その後、瓦を的に向かってぶん投げた。

“この一発に全てを込める!必ず絶対あいつを!!!ゆるさない!!!!呪う!!!!”

 力一杯、呪いいっぱいにぶん投げた瓦は的に当たって割れて砕け散りながら谷底に落ちていった。
後ろに並んでいた観光客の人達が何人もいて「おおー!!!??あたった!!すごいね!!!!」「あれ滅多に当たらないんですよ!すごいよ!!」って拍手をしてくれた。

 僕が願った内容は、届くかどうかはわからない。今は旅館でぼんやり緑茶を飲みながらこれを書いている。

 これが、僕が人を呪った話。
呪いの結果を知ることができればまた繋ぎで報告でもしようかと思っている。正直、現在の様子とか知ったこっちゃねえので呪われたかどうかなんて知りたいとか微塵も思わない。

公開そのものを無料でなるべく頑張りたいため よろしければサポート頂けますと嬉しく思います。