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【隙間怪談-2-】

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怪談101〜200本まで。
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#ショートショート

【間違えて本文消してしまいました……】

【間違えて本文消してしまいました……】

本文消して上書き保存してしまいました……なんかそのうち埋めます……

柔らかいしあたたかい

柔らかいしあたたかい

深夜、水を飲みに2階から1階へと降りた小畑(こばた)さん。

彼女は真っ暗な中、スマートフォンの明かりを頼りにキッチンへ向かった。
途中、玄関前を通り過ぎた時。

――――キィ。

ドアノブが回る音がしたという。
音のした方を見ると、今まさにゆっくりとレバー状のノブが下向きに動いている最中だった。

「……ん?ん?」

それは小畑さんの前でゆっくりと下がり、もう一度あがった。
不審者か、泥棒が入ろ

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溺れる

溺れる

この出来事、今もよくわからないんですよ。
それでもよかったら……そう言って大森さんが聴かせてくれた話だ。

彼女には幼い息子がいる。
大森さんがキッチンにいた時。
丁度キャッキャと楽しそうな声をあげて廊下を走り回っていた息子が、急にピタッと黙ったのを不審に思い廊下を覗いたのだという。

息子はじーっと床を見つめて静止していた。

「どうしたのー?なにかあったの?」
「あのねー、水があるのー」

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何が悪かったのか

何が悪かったのか

「何が悪かったのか、ちっともわからないんですけどね」

この話を聞かせてくれたのは小尾(おび)さんという。
実の所、同じ話をもう10度ほど聞いた。

自分には息子がいるのだが、どうにも出来が悪くて親の自分としては肩身が狭い思いを長年してきたんですよ。
子供の頃からかけっこは遅いし跳び箱は3段しかまともに飛べないし、字も汚いし計算もできない、絵もそんなに上手くはない、歌もてんでダメ。
将来大物になっ

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梵字

梵字

「あの時はあんまりにもムシャクシャしてて、どうかしてたんだよ」

酒を飲んで、酔った勢いでの事だった。
北見(きたみ)は終電を逃すまで酒をかっくらってふらつく足で帰途についた。

仕事での事。
他人のミスを押し付けられ、反論するか決めあぐねているうちにとんでもない大事に発展してしまった。
へらへらと笑って流そうとしていた自分自身に腹が立ってその日は平日だというのに飲み屋を三軒梯子してしまった。

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お家の絵の女

お家の絵の女

まだ、タツヤくんが物心つかない頃の話だ。

とても綺麗な女性が玄関前にぽつんと佇んでいるのを見る事があったという。

薄桃色のワンピースをふんわりと着こなした、鼻筋がするっと通ったとても綺麗な優しげな顔の女性だ。
彼女はずっと玄関のドアのあたりを優しそうな眼差しでずっと見つめていた。

両親にあれは誰かと尋ねた事がある。
何だかとても綺麗で優しそうな顔の女の人が、そこに立っている、と。
ただ、それ

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ジップロック入りのキャミソール

ジップロック入りのキャミソール

小林(こばやし)さんの実家には“ジップロックに入れられたキャミソール”がある。
いや、厳密には“あった”だ。

「子供の頃からあったよ。和室の箪笥の中に一つだけジップロックに入ったキャミソールが入れてあって、それ以外は何にも入ってないの」

彼が高校生の頃。
かねてより気になっていたキャミソールをこっそり調べてやろうとジップロックから出して開いてみたことがある。

白色で、胸元にはレースがあしらわ

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全然わかんない

全然わかんない

楠川(くすかわ)さんには悩みがある。
夜遅く、バイトから帰るために通る道に奇妙なものが“ある”という。
それは真っ黒な靄で、電信柱のそばにスゥっと佇んでいる。

初めて見た時はただの頭上の電灯が影を作っているのだと思っていた。
目を凝らすと、うっすらと人1人が立っているくらいの大きさの“靄”がそこにある。

それは見るたびに濃くなっていった。

バイト終わりに通りかかるたび気になって電信柱の側に佇

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いるよ!

いるよ!

「俺ね、めっちゃ仲良い友達がいるんたけど、そいつとは毎日話すんだよね」

そう話す春之(はるゆき)くんは大学生の男の子だ。
友達は真也(しんや)くん。

2人はオンライン上で知り合った仲でもう5年は付き合いがある。
住んでいる方向は東西で真逆だったから、いつか一緒に真ん中あたりで旅行をしようと話していた。

高校2年の頃。
お互い交友関係は広くなく、ゲームとオンラインの友人にのめり込んだ時期があっ

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いるだけ

いるだけ

今井(いまい)さんは大学生になってすぐ学校に近い場所で一人暮らしをはじめた。

彼女は母と姉の3人暮らしだったが、社会人の姉はまだ実家で暮らしていたので比較的すんなりと心置きなく家を出ることができたという。

「引っ越してからすぐ里帰りしようって思ってたんだけど」

春から通う新しい学校に初めてのアルバイト。
スケジュールがあまりに忙しく帰るタイミングをずるずると先延ばしにしていた。

「久しぶり

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紙ふうせん

紙ふうせん

佐田(さだ)さんが小学生だった頃。

彼女は学校から帰りおやつを食べながら折り紙で遊んでいた。
つる、いぬ、うさぎ、きつね、ペンギン。
色々な物を折っては並べてみたり、縦に積み上げてみたりしていたのだが、だんだん飽きてしまい紙風船を折り上げるなり“ぽい”と机に放り投げてしまった。

(あーあ。暇だな……お母さんまだ帰ってこないんだな……)

まだまだ母は帰ってこないようだし、姉は中学生で部活動が忙

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土の臭い

「常連さんの中に、いつも延長ロングで1回ヤって昼寝していく客がいたのよね。カツジって人。40ちょっと超えたくらいのオジサン」

小松さんはかつて風俗で働いていた。
3年程同じ店で働いていたが、定期的にくる常連も何人かついていた。
そこまで人気だったわけでもないが、売れていないわけでもない微妙なラインだったと本人は言う。

「ワケ有りの客って感じ。丸坊主で人相が……眼光鋭いっていうか……。それに、上

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告げ口

告げ口

石田さんの納屋には神棚が祀られている。

何が祀られているのかは石田さん自身も知らないのだが家族そろって酒と米をあげて榊をあげていた。
子供の頃、祖父が柏手を打ち何かをぶつぶつと呟いているのを見た事がある。
お経でもないし祝詞でもない。
何を呟いているんだろう、と気になっていた。

石田さんが中学生の頃の話。
いったい何を“ぶつぶつ”言っているのか気になって祖父に聞いてみた事がある。

「たまにぶ

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民泊

民泊

大須賀(おおすが)さんが仕事で出張した時の事。
宿泊施設のない地域に足伸ばす事になったため民泊を利用した事があった。

田舎だからか格安で、一泊の値段が千円札2枚。

「少し遠いところにホテルもあったんだけど……でも高くてさ。だからこっちの民泊。見た感じは普通の一軒家って感じでさ、2階建の家で、1階部分が泊まれるようになってたんだ」

その家は、住宅街の端にぽつんと立っている家だ。
普段は誰も住ん

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