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【聖杯戦争候補作】Hungry Ghost

はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内に命はない。                      ―――『ヨハネによる福音書』6:53

腹が減った。

子供の頃から、空腹は慣れっこだ。訓練も兼ねて、何日か食事ができないこともザラにあった。あの世界ではそれが普通だった。飢えて死ぬ奴も大勢いた。体が資本のあの組織に入って、ようやく毎食にありつけた。一宿一飯の恩義というには、随分と仇で返してしまったけれど。

この空腹は、そういうのとは違う。耐えきれないほどの苦痛だ。肉体的にも、精神的にも。信じられないほど平和で自由で、食物が有り余るほど満ち溢れている、夢か天国みたいなこの世界で、こんな目に遭うとは。何をいくら胃袋に入れても、満足できない。少しはマシになるが、すぐに腹が減る。何度か吐いたが、胃液しか出てこない。

そう、この空腹は、ただの食事では満たされない。欲しいのは、ただひとつ。

人間の肉が、食べたいのだ。

冗談じゃない。よりによってこの私が、人肉を食べたいなどと。吐き気と悪寒がする。体の中が氷のように冷たい。幻聴も聞こえる気がする。何か、悪い病気に罹ってしまったのか。それどころじゃないのに。戦わないと。殺さないと。『聖杯』を手に入れなければ。

昼下がり、今にも降り出しそうな空。荒い息を吐き、蒼白な顔から脂汗を垂らしながら、その少女は悶え苦しんでいた。

あの時、全身に硬化物質を纏わせ、半永久的に眠りについたはずだ。それがなぜ、こんな見知らぬ場所にいるのか。勝手に吹き込まれた記憶には、「聖杯戦争」という殺し合いの情報。殺しなら随分やったが、万能の願望器とは。何人参加者がいるか知らないが、そんな程度でなんでも願いが叶ってしまっていいのだろうか。ともあれ、自分をこんなところへ呼び寄せるほどの力はある。ならば、聖杯も、たぶん本当だろう。これが夢でなければ。

しかし、戦うのは自分ではない。ここに召喚された時点で呼び出される、「英霊」という使い魔だ。歴史や神話伝説上の英雄や魔物の霊が、参加者、マスターの手下となって、戦うのだという。じゃあ、私の従僕(サーヴァント)はどこだ。さっきから必死で呼んでいるのに、姿を見せない。この異常な空腹は、きっと敵の攻撃だろう。でも、こんな攻撃からどうやって逃れればいい。

困惑し、混乱する彼女―――『アニ・レオンハート』は、街中を離れ、人けのない場所へ走っていく。このままでは、人を喰ってしまう。自分の指や手や腕までも旨そうに見えてきた。限界だ。そうだ、確か令呪――――

森の中まで来た時、アニの目は大きく見開かれた。見慣れた、あまりにも酷く見慣れた存在を目の当たりにしたからだ。

巨人だ。

と言っても、身長は5mほど。人間を戯画化したような、膨らみ、ねじれ、歪んだ全裸の体。顔に張り付いた表情。あれが元の世界のと同じなら、知性はなく、その行動目的はただひとつ、人間を捕まえて喰らうこと。その巨体とパワーをもってすれば、人間などたやすく殺せるだろうが、奴らは生きた人間しか喰わない。胃袋で溶かして殺した後は、腸がないからそのまま吐くだけだが。……そして、そいつの足元には、若い男女の無惨な死体。

冗談じゃない。よりによってこの私が、この妙な異世界で巨人と遭遇するなど。あいにく立体機動装置もなければブレードもない。こいつが、あっちの連中と一緒なら、丸腰ではまず殺せない。巨人が気づき、こっちへ向かってくる。指が何本か欠けた手を伸ばし、私を捕まえようとする。ふざけんな。

アニは舌打ちし、くすねておいたナイフを懐から取り出す。武器にするわけではない。武器を出すのに使うのだ。

ナイフで左腕をひっかき、浅い傷をつける。強い意志、殺意で、能力を制御する。この程度なら、全身は要らない。曇り空から雷がアニの上に落ち、左腕の傷口から肉塊が溢れ出す。それは巨大な腕となり、巨人の首を刎ね飛ばした。アニは腕を動かし、残ったうなじ部分を握り潰す。あっちの巨人なら、これでだいたい死ぬはずだ。

しかし、妙な手応えだ。やっぱり、いつもの巨人じゃない。傷口から風船みたいに空気が漏れ出て、しぼんでいく。クシャクシャに縮んだそいつは、すぐに灰になり、風に吹かれて飛んでいった。後には、首と指の欠けた子供の死体。……つまり、巨人化したこいつが、あの男女を喰った、ということは。いや、あまり考えないでおこう。

さっきの雷の影響か、雨が降り出し、アニと死体たちを濡らし始める。巨腕から蒸気が立ち上る。

危険は排除した。巨腕を切り離し、腹を抱えて片膝を突く。空腹がきつい。この状態では、やはり全身の巨人化は困難だ。あの子供が巨人化した。指が欠けていた。喰いちぎったように。ならば、自分の肉を喰った?今の自分と同じ状態から? そしてこれは、たぶん誰かのサーヴァントのしわざだ。誰の? アニは立ち上がり、右手を掲げて叫ぶ。

「令呪をもって命じ……」

『待った、待った。やめる、やめる。姿を見せる。だから、それを今使うな、嬢ちゃん』

慌てた声が脳内に響き、急に空腹感が消えた。相手が術を解いたのだ。私のサーヴァントが、これをしたのだ。

ふいに森の中から冷たい風が吹き、肉食獣のような臭いが漂ってきた。あるいは、腐った肉のような。それとともに、目の前にふわりと鳥が出現した。飛んで来たというより、瞬時に出現した。気配を消し、姿を消していたらしい。仮にも歴戦の戦士である自分に、全く気配を感じさせなかった。

それは……フクロウに見えた。死んで腐って、羽毛と乾ききった皮膚が骨にへばりついた、大きなフクロウの死骸に。だが、虚ろな眼窩の奥には、邪悪な光が揺らめいている。英雄というより、悪霊とか悪魔の類だろう。警戒を解かず、睨みつけ、ファイティングポーズを取りながら誰何する。

「散々やってくれたね。あんたが私のサーヴァントか。私はアニ・レオンハート。名乗りな」

翼を広げたまま空中に浮かぶフクロウは、嗤いながら念話で名乗る。微かな、囁くような、不愉快な声。さっきまで脳内で囁いていたのと同じ、悪意に満ちた声だ。

『ホー、ホー、ホー。オレのクラスは「ライダー(騎兵)」。真名は「ウェンディゴ」。知ってる?』
「知らない」

『無知な餓鬼だ。オレの能力は、お前さんが味わった通り。人に猛烈な飢餓を感じさせ、人肉を喰いたくさせること。喰った奴は、もう手遅れ。人肉を求めて彷徨う、狂った巨人になっちまうのさ』

嫌な奴だ。こんな存在を自分のサーヴァントにつけるとは、皮肉を超えて悪趣味に過ぎる。元の世界での所業に対する罰というなら、これでも温情に過ぎるか。

「マスターの私が呼んでも出てこないばかりか、勝手に術をかけやがって。もう少しで死ぬとこだったよ」

アニの放つ怒りのオーラに、ライダー・ウェンディゴはむしろ愉しそうだ。根っからの嫌がらせ好きなのだろう。

『ウォー、ホーホー。試してみただけさ、そんなに怒るなよ。それにオレ、街中よりこういう自然の中が好きなの。涼しいし』

アニは、ますます眉根を寄せ、殺人的な視線でライダーを睨む。おかしな真似をすれば、攻撃を叩き込みたい。だが、近くにいるのに距離感がつかめない。蹴りが命中するイメージが見えない。周囲に陽炎を纏っているようにも見える。

『オレそのものは、囁くだけさ。戦うのは、欲望に取り憑かれたアホども。 動物脂肪をたっぷり食えば、ちっとはもつんだがな。オレが栄養を吸っちまうから、すぐ腹が減るのさ。――――ああ、お前さんには、もうやらない。どうも既に手遅れみたいだからな』

「…………そうね。私はもう、手遅れ」

スッとファイティングポーズを解き、アニはぽつりと自嘲する。手遅れだ。人生も、作戦も、何もかも。ライダーは、そんな彼女に問いを投げかける。

『嬢ちゃん、あんた、聖杯は欲しいかい?』

「……欲しい」

自分がここに呼ばれたのは、たぶんまだ欲が残っていたから。奇跡にすがらねば、どうしようもない欲が。生きて帰って、この嫌な任務から、嫌な世界から、逃げ出したい。自由を勝ち取りたい。自由に生きる権利を。

『何のために?元の世界へ戻るためかい?』

戻る。故郷へ。私が生まれ育った、父の住むあの場所へ。ああ、そのために、私は……。

けれど、ここはどうだ。聖杯戦争を抜きにすれば、平和で自由で、目も眩むほど高度な文明社会。圧政も、飢えで死ぬ人もいない。彼らなりに悩みはあるのだろうが、少なくとも私にとって、天国に一番近い。故郷への思いを揺らがせるほどに。

「……私は、あんな世界に戻りたくない。あそこは結局、どこもかしこも地獄。平和な、ここみたいな世界で生きていきたい」

正直な気持ちだ。故郷に戻ったところで、私は作戦に失敗した出来損ないだ。まして壁内の連中にとっては……。どっちに捕まっても、見つかり次第処分されるのが関の山。それならせめて夢を見たい。

『そりゃまっとうな願いだ。誰も地獄に戻りたかァなかろうね。ここだってしょせんは戦場、地獄みたいなもんだが』
「……でも、故郷へ戻りたいって気持ちも、まだ半分ぐらいある。どっちを選ぶかは、もう少し考えてみるわ。あんたの願いは何?」

アニに問い返され、ライダーはぐるりと頭を一回転させる。腐臭のする風が吹き、アニは掌で口をおさえ、鼻をつまむ。

『オレはさ、こういう現象だから。寒風、不安、病気、迷信、噂話、小説。そういうのが凝り固まって、オレになったのさ。だから、願いも望みもない。オレの噂をする奴がいれば、それだけでオレは存在できるからね』

「羨ましいね。じゃあ、私に力を貸しな。どっちにせよ、他の奴らを皆殺しにして生き残る。それで私は救われる。シンプルよ。他人が人喰い巨人になろうと、そいつらに喰い殺されようと、私は知ったこっちゃない。私に不利益を与えること以外は好きにしな」

それを聞いて、ライダーはカタカタと嗤う。お許しが出た。討伐令が出るほどでなけりゃ、やりたい放題やっていいわけだ。
『冷たい嬢ちゃんだ。獅子(レオン)の心臓(ハート)? 「氷の心臓」とでも名乗るがいいさ。ホー、ホー、ホー』

アニがライダーをまたも睨む。……そういや、どこかの本の虫が言っていたか。成功を収める方法は、人間の法律と、野獣の力をうまく使い分けること。後者は、狐の狡猾さと――――

「レオンハートは、『獅子の心臓』って意味じゃない。『獅子の強さ』って意味」

【クラス】
ライダー

【真名】
ウェンディゴ@アルゴンキン諸族の伝承

【パラメーター】
筋力E 耐久C 敏捷A(EX) 魔力B 幸運D 宝具A

【属性】
中立・悪

【クラス別スキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:D(EX)
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。彼が乗るのは動物ではなく風であり、音もなく自在に大気中を飛行する。風の通り道があれば、短距離なら瞬間移動も可能。マスター他数人を風に乗せて運ぶことすら出来るが、ひどい寒気と宇宙的恐怖に襲われるので長時間は無理。

【保有スキル】
風除けの加護:A+
風属性の攻撃を完全に無効化し、逆に魔力として吸収する。特に寒さに強いが、熱には弱い。

魔力放出(風):A
自身の肉体から魔力を寒風と化し放出する。放出された風は攻撃能力を持ち、触れたものを斬る。自分で出した風に「騎乗」することも可能。この風はまた周囲の次元を歪ませ、幻影を作り出し、攻撃を奇妙にすり抜けさせる。彼に直接攻撃を当てるのは至難と言える。

気配遮断:A
サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば、探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちるが、彼が自分から攻撃することはほとんどない。

【宝具】
空鬼の呼び声(ウェンディゴ・サイコシス)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1-30 最大捕捉:5

風に乗って届く呪いの言葉。背後からの気配と微かな囁き声、腐肉のような臭いだけが相手に届き、精神に悪影響を及ぼしていく。しばらくすると醜い巨人の姿が脳裏に浮かび、自分がそれに変身してしまうという強い恐怖と不安感に襲われる。同時に体が内側から凍えるように感じ、躁鬱病のようになって言葉が話せなくなり、食欲の低下と猛烈な飢餓感が同時に襲って来る。
動物性脂肪を食えば多少紛れるが、すぐまた腹が減り、人肉が食べたいという強い衝動に襲われる。囁きは寝ても覚めても聞こえ続け、精神を苛む。 この状態なら、何らかの解呪の方法があれば解除を試みる事ができる。暖かい食事と暖炉の火、家族との会話があれば、解呪はたやすい。また強い精神力、「対魔力」や「風除けの加護」などのスキルがあれば、ある程度この攻撃を防ぐことが出来る。

だが誘惑に負けて人肉(自分の肉でも死体でも)を食べてしまえば、その者は理性と知性を失い、5m級の人喰い巨人と化す。家族・親族の肉を最も好む。巨人はそこそこ強く、普通の人間なら問題なく捕食できるが、強めのマスターやサーヴァントなら問題ではない程度。重傷を負うと空気が抜けてしぼむ。こうなった人間を元に戻せるのは、術をかけたライダーだけであり、ライダーを殺せば永遠に戻れない。このことを取引材料にして交渉も可能。
一度に術中に落とせるのは数人程度だが、呪いの種をウイルスのようにまくだけなので、消費魔力は少なくて済む。集中を乱すデバフとしては便利。

『風に乗りて歩むもの(ザ・シング・ザット・ウォークド・オン・ザ・ウィンド)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:10

ライダーたる所以の宝具。ダーレスの小説が作り出した、風の旧支配者イタクァ(Ithaqua)としての相の顕現。冷たい煙か雲のような魔力を纏い、赤く燃える二つの目を持った不気味な巨人の姿に変化する。風に乗って高速で移動し、遭遇した者を竜巻のように空高く投げ上げる。犠牲者は呼吸器や体腔を冷たく薄い空気で満たされ、エナジーを吸われ、飢餓と悪意と狂気を霊肉に吹き込まれた後、遥か彼方の地表に叩きつけられる。通常の肉体の持ち主なら叩きつけられた時点で即死するが、運良く生き残った場合でも宝具『空鬼の呼び声』の影響を強く受けてしまう。「対魔力」や「風除けの加護」のスキルがあれば、ある程度この攻撃を防ぐことが出来る。消費魔力を増やせば、犠牲者の滞空時間や飛距離も伸びる。

【Weapon】
なし。風を操って放ったり、ぼんやりとした幻影を見せたりは出来る。

【人物背景】
Wendigo,Windigo。カナダ南部からアメリカ合衆国北端に分布する、アルゴンキン諸語を話す北米先住民(アルゴンキン諸族)に伝わる邪悪な精霊。
その名は「フクロウ」を意味し(あるいはフクロウをそう呼ぶようになった)、巨人として想像されることが多いが、鳥のようだとも小柄だともいう。吹雪の中を飛ぶように走り、雪の上に足跡を残すことがなく(あるいは残し)、常に飢えていて、旅人を攫っては貪り喰らう。またウェンディゴは人に取り憑いて精神的に不安定にさせ、人肉を喰らうよう唆す。もし本当に人肉を喰らえば、新たなウェンディゴに変貌してしまうという。英国の作家アルジャーノン・ブラックウッドの小説『ウェンディゴ』、及びそれに触発されたオーガスト・ダーレスの小説で知られる。アサシンの適性も持つ。

【サーヴァントとしての願い】
なし。常に腹が減っているので、参加者の魂とエナジーを貪り喰いたい。

【方針】
様子見。不審な様子の者がいれば、『空鬼の呼び声』を撒いてみる。マスターが襲われたら助ける。三つの死体は、誰かに喰わせるために放置しておく。

【カードの星座】
蟹座。


【マスター】
アニ・レオンハート@進撃の巨人

【Weapon・能力・技能】
『対人格闘術』
父の教育により身につけた戦闘技能。特に蹴り技を得意とする。大男を軽く空中で一回転させるほどの腕前。

『巨人化能力』
傷口から特殊な肉体(筋肉・骨格・眼球等)を湧出させ、全身に纏って巨人に変身する能力。巨人体(女型の巨人)は身長14mで体の均整が取れ、髪の毛や胸もあるが、体中の皮膚がなく筋肉と腱が剥き出し。言葉はほとんど話せないが、理性と判断力は人間時と変わらず、俊敏に動け、格闘能力も高い。受けた傷は素早く再生し、特定部位に再生能力を集中することもできる。巨人化前に負った傷もある程度は治る。巨人の肉体は強靭で軽くて異常に熱く、切り離されると蒸気をあげて消えていく。

本体は巨人体のうなじ部分に埋まっており、ここを潰せば死ぬし、切りつけて本体を引きずり出せば巨人体も消える。一時的に皮膚の一部を硬化させ、弱点であるうなじを守ったり、手足の先端を硬化させて攻撃の威力を増したりできる。体の一部分だけを巨人化させることも可能。自分の意志で巨人化を解除でき、少なくとも続けて二回は変身できる。絶叫で周囲の巨人を呼び寄せる特殊能力も持つ。こうした能力を怜悧な判断力で活用し、予測不能な戦闘行動を行う。巨人化後は体力と精神を消耗し、水分と睡眠を欲する。

【人物背景】
諫山創『進撃の巨人』の登場人物。16歳。アニメでのCVは嶋村侑。外見は金髪で小柄(153cm)で筋肉質な白人少女。前髪を右へ伸ばし、髪は後ろでお団子に結んでいる。顔立ちは端正だが目付きが鋭く鷲鼻で、いつも怒ったような顔。寡黙でぶっきらぼうな口調の一匹狼。感情表現が乏しく連帯性に難がある。しかし常に冷静沈着で、「目標を最短ルートで達成し、無駄な行為は極力しない」という合理主義を貫徹し、戦闘での実力も高い。壁に囲まれた世界で巨人と戦う兵士として訓練を受けたのち、成績優秀として内地の治安を守る憲兵団に入団していた。実は壁外世界から送り込まれた密偵であり、巨人に変身する能力を持つ。戦闘力は非常に高く、知略をも駆使して人類を苦しめた。激闘の末に追い詰められ、情報を奪われないよう自分の周囲に極めて強固な水晶体を纏わせ、半永久的に眠りについた(8巻)。

【マスターとしての願い】
故郷に帰る。あるいは……?

【方針】
生き残る。とりあえず食事と水と睡眠を摂る。ライダーは森の中に放置し、自分は身を潜める。襲われたら逃げ、マスターを捜し出して殺す。巨人化能力は奥の手の切り札。ギリギリまで隠し通し、よほどの窮地でなければ使わない。

◆◆◆

逆プラ作品「アニー・ドギーバッグ」の元ネタのひとつだ。彼女にいろいろ混ぜ込んでアニーにした。おれは『進撃の巨人』ではアニとアルミンがすきだ。カップリングというかコンビとしてもそれなりにすきだが、あの作品はそもそもエレンとアルミンの話だと理解しており、この二人を引き離すことをおれは嫌う。作者のやつはアルミンをひどい目に遭わせることに定評があるので油断がならない。…ああ、アニの話だったな。まあそういうことだ。なんか最近アニが目覚めそうな兆しがあるが、別にあのままでいいんじゃないか。狐と獅子がどうこうはマキアヴェッリの君主論だ。リンク先を読め。あと最近なんか文中リンクが増えてあれなので、試しに本文中のリンクを控えてみた。わからない用語はググれ。

で、アニが引いたのはウェンディゴだ。有名なやつなのでおまえもしっているだろう。巨人繋がりだ。調べたところ幽霊めいていてフクロウの姿を取ることもあるというので、微妙に性格や口調をフィルギアっぽくした。ハングリー・ゴーストとは餓鬼のことで、ウェンディゴにぴったりだ。落選はしたが、やや気に入ったのでエピロワにも出演させた。

【続く】

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