XENCE architecture studio

XENCE.Inc (合同会社XENCE) 「デジタルデザインビルドで社会を変革する…

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XENCE.Inc (合同会社XENCE) 「デジタルデザインビルドで社会を変革する」 . 建築設計、デザイン、FM、デジタルファブリケーションなどを行うゼネコンベンチャーです。 ↓HP https://xence-architecture.com/

マガジン

  • XENCE MAGAZINE

    「デジタルデザインビルド」で社会の変革に挑む、XENCEの思考の整理と挑戦を、オープンな社内報です。2024年1月より隔週で企画し、全27回の報告資料となります。 代表小澤がファシリテーションを行い、各回には時として、その論題に取り組むコラボレーターとともに議論を展開していきます。

  • 建築×FM MAGAZINE

    ”設計者と発注者で考える、一歩先の建築とFM”について、多くの方と議論する場を持ちたいと思いNOTEを始めました。 共にこれからの街を創る企業を募集してます。 #ファシリティマネジメント #FM #建築 #設計

最近の記事

カーボンプライシングで変わる建設業

 今年、COP27が11/6~11/18までエジプトにて開かれているが、環境に対する注目度は半世紀以上にわたって上がり続けている。  カーボンプライシングは、これまで環境に対する注目と、いまの資本主義社会とが密接につながり、新たな産業形態が生まれるような大きな動きになる。 1-1.カーボンプライシングのおさらい  カーボンプライシングとは、主に①カーボントレーディングと、②カーボンタックスの二つの視点でみることが多い。建設業に関する一企業として、その動きにより能動的に関わ

    • 建築と経営のつながり

      ○2つの本からの気づき 最近、「建築」と「経営」のつながりについて書かれた2つの本を読んだ。少し考えるところがあったので、メモを残しておこう。 ①『施設参謀』 川原秀仁 著 / 2015 / ダイヤモンド社 山下設計をもとに発足した山下PMCにて代表をされている川原氏の著書。 副題は「建設リスクを経営資源に変えるコンサルティング」  建設コンサルティングの中ではトップクラスの企業でもある山下PMCが掲げる「施設参謀」の考え方についての説明や、いくつか山下PMCが実

      • Archibusを日本の建築・経営・ファシリティマネジメントに用いる課題

         Archicbusの活用可能性に驚いた私が、実際に日本のファシリティマネジメントに用いる課題について感じていることをメモしておきたい。 2022.11.02 1.Archibusの概要  Archibusは世界全体では、800万人のユーザーがおり、企業の「不動産・プロジェクト・スペース・資産」らを管理するSAASである。もともと SpaceIQ 社が開発したもので、日本では代理店(アイスク ウェアド社)がローカライズを行い、代理販売している。 ARCHIBUS社はボスト

        • 談義⑩ 設計者と発注者の両視点から考えた、一歩先のファシリティマネジメント

          1.これまでの談義の振り返り1-1 FMの周辺について考えてきたこれまでの談義  これまで談義①から談義⑨までの全9回にわたって、設計をしている者、発注者の立場を経験した者、様々な企業に対して街づくりを提案する、それぞれが自分たちの知見と思いと流れに身を任せて、談義を拡げてきた。 これまでの談義を大まかに振り返ると、 談義①~③ 始まりとして、個々の「建築」と「FM」との出会いを振り返り、そこでの気づきや悩みを文字・言葉にして共有することを行った。FMのプロセスマネジメ

        カーボンプライシングで変わる建設業

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        • XENCE MAGAZINE
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          13本

        記事

          談義⑨ 不動産・建設業界における「ヒト」の破壊的ファシリティマネジメント

          1-1. 全体性をとらえたFMの必要性  これまでの談義にて、企画(用途検討・用地取得等)-建設(設計・施工)-管理(修繕・運用)-解体/再利用の分断を解消するようなファシリティマネジメント(FM)の必要性を各方面・各視点から語ってきた。  簡単に顧みると、事業主の視点では長期的に運用しやすい建築を実現できる。設計者の視点では、通常の設計業務のみでは想定できない期間までの建物の可能性が検討可能となり、また企画や管理の段階での設計技術の活用が業務領域の拡大や深化につながる。

          談義⑨ 不動産・建設業界における「ヒト」の破壊的ファシリティマネジメント

          談義⑧ 「破壊的ファシリティマネジメント」の0→1思考 -FM×建築で考える“遊休資材”と“人”の新しい出会い方-

           前回の談義⑦では、今までになかったモノの新しい関係性を作り出し、更なる価値を生み出すことが “破壊的ファシリティマネジメント(破壊的FM)”と述べた。  事例をあげれば、Airbnbでは「空き家」というモノを「オープンな宿泊運営プラットフォーム」により、本来そこに生まれなかった民泊運営者-空き家-観光客という新たな関係性を創出している。結果としてその新たな関係性が、空き家ストックの活用・観光需要の受け皿・地域経済の貢献等あらゆる社会問題の解決を手助けしており、まさに従来に

          談義⑧ 「破壊的ファシリティマネジメント」の0→1思考 -FM×建築で考える“遊休資材”と“人”の新しい出会い方-

          談義⑦ モノの「破壊的ファシリティマネジメント」

          1. モノに焦点をあてたファシリティマネジメント 談義⑥の前半でも、ファシリティマネジメント(FM)が多岐に渡り、各職能毎に理解が異なっている点について触れたが、今回の談義ではファシリティマネージャー(FMer)が扱うファシリティのうち、”モノ”に焦点をあてて、議論を進めてみる。 1-1.経営基盤(人事・FM・財務・ICT)と経営資産(ヒト・モノ・カネ・情報)  これまでの談義でもあったように、FMは、経営基盤の一つに位置づけられる。経営基盤とは、価値連鎖(バリューチェー

          談義⑦ モノの「破壊的ファシリティマネジメント」

          談義⑥ FMと建築の間にある“不気味な谷”

           前回の談義⑤では、「FMにイノベーションは必要か」と題して、モノのライフサイクルを扱うFMだからこそ「持続可能なFM」が必要だという旨を事例とともに提示した。また、談義④では「破壊的FM」と題して、FM供給側の技術・能力・情報を再構成して新たなFMサービスを社会に提示することを目標とした。今回の談義では、FM業界の現在地を改めて見つめつつ、FM供給の将来を現実と夢想の狭間に見据えたいと思う。 FM業務の現在地 施設運営と利用環境を根本から見直し、統括的に企画・管理・活用す

          談義⑥ FMと建築の間にある“不気味な谷”

          談義⑤ FMにイノベーションは必要なのか?

           前回の談義④では、破壊的イノベーションから着想を得て、破壊的ファシリティマネジメントの提案を試みてみた。  今回の談義では、ファシリティマネジメント(FM)にイノベーションが必要なのか、もう少し俯瞰的な視点で補完的に述べてみたいと思う。 1.FMの起源、そもそもの定義ファシリティマネジメント(FM)とは、元々はアメリカで生まれた民間企業に対する経営管理方式である。  公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)によると「企業・団体等が組織活動のために施設

          談義⑤ FMにイノベーションは必要なのか?

          談義④ 「破壊的ファシリティマネジメント」 ー 企業に破壊的イノベーションをもたらすFMー

          0 破壊的イノベーションの必要性  近年大きな企業であればあるほど、「破壊的イノベーション」にも取り組み、既存のワークフローに留まらない自分達の新しい市場価値を提案していく必要に迫られている。「破壊的イノベーション」とは、クレイトン・クリステンセン氏が著書『イノベーションのジレンマ』 で提唱したイノベーションモデルである。 *クレイトン・クリステンセン (Clayton M. Christensen、1952年4月6日 - 2020年1月23日)  著書の中でクリステン

          談義④ 「破壊的ファシリティマネジメント」 ー 企業に破壊的イノベーションをもたらすFMー

          談義③:発注者が抱く、建築デザインに対するもどかしい気持ち

          1:もどかしさの探索 「頑丈で、快適で、かっこよく。ただ与件の範囲内で。」発注者が持つ建築デザインに対するニーズはこれに尽きるのではないか。より具体的に言えば、予算や敷地条件・スケジュールのもと構造・設備・意匠を統合して設計してほしい、と。このニーズはつまるところ、強・用・美という言葉とともにローマ時代から続く普遍的な課題だろう。発注者のニーズはいつの時代も明快なはずなのに、なぜプロジェクトでは建築デザイン(基本設計から竣工まで、一連の建築プロセス)にもどかしさを感じてしまう

          談義③:発注者が抱く、建築デザインに対するもどかしい気持ち

          談義② 発注者は建築の諸要件をどう決めるか。 ー要件整理プロセスの悩みと違和感ー

          1.設計者、発注者になる。  某設計事務所に勤め、2年がたったある日、私は某企業の施設管理部へ出向となった。  保有する施設を維持管理し、新築事業や建替、改修の諸条件を取りまとめ、設計者へ依頼する”発注者”と言う立場である。タイトル通り、突如として意匠設計者だった私は発注者となった。  同じ建築に携わる業務なので余り変わらないのではないか?と思うかもしれないが、実態は大きく異なりギャップがかなりあった。基本的に発注者とは、①基本構想や基本計画といった建物を設計する前段階

          談義② 発注者は建築の諸要件をどう決めるか。 ー要件整理プロセスの悩みと違和感ー

          談義①:設計者の私がFMに巡り合った私的な理由

          そもそも私がファシリティマネジメントに出会ったのは、建築設計の教育過程での、個人的な思いからだ。 1 :突如FMを語り出した私的な理由 私がファシリティマネジメントについて研究を始めたのは大学3年の末。  年に4回ほどあった設計の課題について考えていく中で、それぞれで求められる建物用途毎の、【その用途らしい】建物と比較して、【その用途らしくない】建物に可能性を感じた。”その用途らしくない”建物とは何か、とは、”これまでの使い方とは違った使い方ができることで、建物のサービス

          談義①:設計者の私がFMに巡り合った私的な理由

          ”建築デザインとFMを繋げた一歩先を考えるコラム”

           今年私たちは XENCE Architecture Studio (合同会社XENCE)を立ち上げた。 ”新たな”繋がり”をデザインし、イノベーションを楽しむ未来を創造する”  を私たちのミッションとして、下記の①~④の四つの側面から、すでに多くの方とともに新たな価値創造に取り組んでいる。 ①”未来の日常”を切り開くイノベーションとなる建築設計 ②建物が造られる前後のプロセスでの出来事をデザインするFM・PM活動(ファシリティマネジメント・プロジェクトマネジメント)

          ”建築デザインとFMを繋げた一歩先を考えるコラム”