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 七尾のために 著:島本理生

 合田七尾と只野雪子、二人の友情と決裂を描いていた。七尾は虚言癖があってそれに着いて行くのがやっとの雪子だが、あっけらかんと嘘をつく七尾が妙に魅力的に描かれている。七尾のためにカッターで腕を傷つけるまでする雪子だったがカウンセラーに相談しても解決しない七尾との関係に終止符を打つまでが『七尾のために』だった。

 他に『水の花火』と言う短編も収録されている。こちらは主人公と川本珠紀の友情と恋心を草野睦生に投影する物語。『七尾のために』よりは読み易かった。今回は字面を追う事で精一杯だったかな。なかなかいい感想は書けない。

 『水の花火』の10年後に書かれたのが『七尾のために』の模様だ。『水の花火』群像2001年11月号。『七尾のために』群像2010年1月号となっている。島本理生さんが高校生でデヴューして初めて寄稿したのが『水の花火』だそうだ。

 出会い、惹かれ合い、別れを意識する。同姓でも異性でも、微妙な人間関係のもつれを感情の揺さぶりと共に描いているのは凄いと思いました。

 以上 

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