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オンラインでは、できないこと

このコロナ禍で、多くの教育がオンライン化されました。
これから、もっと教育分野のICTへの投資・活用は進んでいくでしょう。

でも、低年齢、特に乳幼児期のICT教育には「ちょっと待って!」と言いたいのです。

なぜなら、子どもの成長・発達には、直接的な"体験"が大切だからです。


教育において重視されなければならないのは、直接の体験

子どもにとって、"体験"はとても大切。
文科省のサイトでも体験活動について詳しく書かれています。

体験活動とは、文字どおり、自分の身体を通して実地に経験する活動のことであり、子どもたちがいわば身体全体で対象に働きかけ、かかわっていく活動のことである。(中略)「間接体験」や「擬似体験」の機会が圧倒的に多くなった今、子どもたちの成長にとって負の影響を及ぼしていることが懸念されている。今後の教育において重視されなければならないのは、ヒト・モノや実社会に実際に触れ、かかわり合う「直接体験」である。
体験活動は、豊かな人間性、自ら学び、自ら考える力などの生きる力の基盤、子どもの成長の糧としての役割が期待されている。つまり、思考や実践の出発点あるいは基盤として、あるいは、思考や知識を働かせ、実践して、よりよい生活を創り出していくために体験が必要であるとされている。


特に大切なのは、未就学児期

上記文科省のサイトには、体験について"豊かな人間性、自ら学び、自ら考える力などの生きる力の基盤、子どもの成長の糧としての役割が期待されている"とあります。最近では「非認知能力」を育むとも言われます。私は「豊かな心と感性が育つ」と考えています。

そして、その「豊かな心と感性を育てる」のに一番大切なのは、6歳までの未就学児期なのです。急カーブを描いて心と感性が成長する6歳までの時期は、文字の読み書きができるようになったり、英語を学んだり、九九を覚えたりする前に、とにかく"体験"を大切にしたい。


体験でできること

では、体験でできることって、なんだろう。

五感をたっぷり使って、感じて、反応して、表現する。
それができるのが"体験"です。

ちなみに、文科省では、それができるのが「自然体験」とされ推奨されています。

「見る(視覚)」「聞く(聴覚)」「味わう(味覚)」「嗅ぐ(嗅覚)」「触れる(触覚)」を働かせ、物事を感覚的にとらえることが大きな意味を持つ。自然体験は、こうした感覚を総動員し、感性を最大限伸ばす可能性がある。
1.1.体験活動の教育的意義:文部科学省

その通りだと思います。

しかし、だからといって自然体験、キャンプ、お出かけしないと!ということがすべてではありません。

"五感を使う""心で感じる"といったことができれば、自然体験に限らず、音楽、工作、お料理、おうち仕事・家事のお手伝いでも、感性を伸ばすことができるのです。


「共有・共感」も得られる

私たち「みんこと」(NPO法人みんなのことば)が届ける子どもの音楽体験の活動で、大切にしていることのひとつは、体験を仲間と共有したり、表現に共感を得ることです。

「わぁ、ほんとだ、小さいね」
「びっくりしたね!」
「おもしろいね~!!」

幼稚園や保育園でお友達や先生と。家族で一緒に体験することは、その体験の幅を広げてくれます。


私たちのコンサートが終わった後で、こんな風に気持ちを言葉にしてくれた4歳の女の子がいました。

「かなしくないのに、なみだがでちゃったの。」

五感を使って、心で感じて、それに反応し、表現し、言葉にして伝えることで本人も周りもその体験を深めることができました。

このような周りとの関りも、実体験だからこそできることのひとつです。


まとめ:乳幼児期はオンライン教育よりも直接的な体験を

年齢が上がるにつれて、オンライン授業の割合が増えることは歓迎されると思います。しかし、年齢が低いほど、「オンラインでもできるね」という前に、大切にしたいことがあるのではないでしょうか。

子どもたちの様々な"体験"が制限されている今だからこそ、改めてその大切さについて、考えていきたいです。



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