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ユーザー心理に法則あり!ブランディング・プロモーションに役立つ心理学効果第1弾~おとり効果~

化粧品ブランドマーケティング担当者のためになる話では、様々なビジネスシーンで活用可能な心理学をお伝えするべく、「ユーザー心理を突いてコミュニケーションをしよう」というシリーズを始動しました。キャンペーンにおけるコミュニケーション戦略やプロモーション全般に役立つ効果があるので、ぜひこのシリーズを見て、迷った時の参考にしていただければと思います。
第1弾となる今回は、「おとり効果」について活用する際のポイントと一緒に解説していきます。


1.おとり効果

1-1.おとり効果とは?

おとり効果(Decoy Effect)とは、消費者の選択行動を誘導する心理的現象で、選択肢の中に明らかに価値の低い商品や高額な商品、いわゆる「おとり」を加えることで、本来の選択肢をより魅力的に見せる効果を指します。

1-2.おとり効果の例

具体例を2つ挙げて説明していきます。
とある化粧品メーカーが、期末のどうしても売り上げが欲しい時にキャンペーンセットA・Bを販売することにしました。
A:ベーシックスキンケアセット2,000円
(化粧水+乳液)
B:スペシャルスキンケアセット3,000円
(化粧水+乳液+美容液)

ここにおとりとして高価格帯のスキンケアセットCを追加します。
C:プレミアムスキンケアセット5,000円
(化粧水+乳液+美容液+クリーム)
こうすることで、当初AとBの間で迷っていた消費者は、Cの出現によりBのスペシャルスキンケアセットをお得に感じ、消費者をBへと誘導することが可能になります。

もう1つ例を挙げてみます。
大小2つのボディローションを販売することにし、内容量と価格を以下のように設定しました。
大:1,600円/600ml
小:650円/200ml
既に大きいサイズの方が1mlあたりの価格を安く設定していますが、これだけでは大きいサイズはそこまで魅力的に感じられません。しかし、ここにおとりとなる中くらいのサイズを加えてみるとどうでしょうか?

大:1,600円/600ml
中:1,200円/400ml
小:650円/200ml
こうすることで大きいサイズがよりお得に感じられませんか?中サイズを追加することによって大きいサイズのお得感を増し、消費者を大きい方へと誘導することができます。

このようにおとりとなる選択肢を1つ追加することで、本当に売りたい商品を購入してもらうことができるようになります。

2.おとり効果を活用する際の6つのポイント

実際にマーケティングでおとり効果を活用する際に大切なポイントを5つ説明します。

2-1.選択肢をシンプルにする

人は選択肢の数が多すぎると、意思決定にストレスがかかり「決定回避の法則」が働いてしまいます。これが働くと選択を保留にすることが多くなります。せっかく商品に興味を持った顧客が購入するのを保留にしないように選択肢は3~5つにするのが最適です。
同じ理由で、商品の比較がしやすいように商品同士の違いも価格だけ、性能だけなどシンプルにしておくことが大切です。

2-2.最も売り出したい商品を決める

おとりの商品は特定の選択肢を魅力的に見せるためのものなので、効果的なおとりを用意するためにもまずは何を売りたいのかを明確に決める必要があります。おとり効果をきちんと理解して戦略を立てることが重要です。

2-3.中間にある商品は選ばれやすいことを理解する

最も売り出したい商品の価格を中間に設定し、その両端に他の選択肢を設けると狙い通り中間の商品が選ばれやすくなります。これは「極端の回避性」と呼ばれており、人は損をしたくないという感情から真ん中にある選択肢を選びやすいという傾向が関係しています。
また、3つの選択肢を用意した場合に価格設定を5:3:2にすると、中間の選択肢が最もよく選ばれます。

2-4.選択肢の中で一番高い商品を先に見せる

人は最初に提示された金額に意思決定を大きく左右されます。これは「アンカリング効果」といい、セール品の価格が大して安くなくてもセール前の元値が高いとお得に感じてしまうあの現象にも関係しています。アンカリング効果を併用し、高い商品を先に見せておくことで、中間にある選択肢をより魅力的に見せることができます。

2-5.商品に見合った品質を維持

おとり効果によって消費者の選択行動に影響を与えることが可能ですが、利益追求に重きを置きすぎると消費者の信頼を失う恐れがあります。そのため、おとり効果はあくまで選択の補助として利用することが望ましいです。消費者の信頼やブランドイメージを損なわないためにも適切な活用が必要です。

3.さいごに

いかがでしたか?おとり効果を活用することで、消費者を本当に売りたい商品へと誘導することができることが分かりました。「化粧品ブランドマーケティング担当者のためになる話」ではマーケティングで使える心理学をシリーズ化してお届けしていく予定なので、次回の投稿もお楽しみに!
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本noteは以上となります。
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