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#46 失敗から学ぼう【書評】失敗の本質 日本軍の組織論的研究

◾️はじめに

第二週はベストセラーです。いつぞやの都知事選、でも有名になりました失敗の本質です。

◾️要約

・三章 失敗の教訓 日本軍の失敗の本質と今日的課題
日本軍の失敗の本質はパラダイムが変わっているにも関わらず過去の成功体験からくる古いパラダイムに固執し、その戦略・資源・組織文化などをそれに最適化させてしまったことである。自ら変化に適応する自己変革組織になり得ない組織は大きな変化が発生する世の中では衰退の一途を辿ることになる。

◾️感想

・3章だけです。
この本、書かれている内容、使われている言葉が重く、読み疲れます。
なので全部読めませんでした。3章だけです。教訓と今日的課題というタイトルがその他の章より魅力的に感じられ、この章にしました。
理由は今日的課題ということで何かしら今に通ずるものがあるのではないかと考えたためです。

・自己変革組織
環境に合わせて変化していく必要性はダーウィンに始まり、様々なもので言われています。
生き物、国家、企業、チーム、栄枯盛衰はどんな集団にも当てはまるものだと考えます。

・変化に適応すること
いかに変革に適応する遺伝子を組み込むか。
また変革の中でどういった速度で対応するのか。
変化といえば、コロナ禍。
コロナ禍でもそう言った議論はありました。
対応できない組織は切り捨てればいい、という話もありました。私はそんなことはないと思います。
そうしたら失業者が街に溢れ、条件さえ整えば変化に対応できる人もできなくなってしまうからです。

・全体最適とリーダー
正解はない中で挑戦するとともに、求心的すぎず、ある程度手堅くマスを相手にも通じるやり方を模索する。
これが求められています。
”お上”に頼りすぎでもダメですし、自分だけ良くてもダメ。
難しい舵取りとはまさにこのことで、お上に頼りすぎ、そのお上が機能しなかったということがこの本に書かれていると思っています。

◾️要約(詳細)

◆軍事組織の環境適応
 組織は外部環境による脅威や機会に応じて、戦略・資源や組織特性を適応していく必要がある。(組織適応論)
 しかし、日本軍はそれができず、敗れた。
 そうした環境不適合があった場合に自ら変革する組織を自己変革組織というが日本軍はそれではなかった。

※組織適応論:あなたの組織、対応できてますかー

◆日本軍の環境適応
 日本軍は陸軍は白兵戦主義、海軍は大艦巨砲主義で凝り固まり、その戦略パラダイムに対して適応しすぎていた。
 それにより諸所の環境変化(パラダイムシフト)に適応できなかった。
 戦略・戦術、資源、組織特性、組織学習、組織文化全てにおいて、それが見られる。

※過去環境過適応:カコカンキョウカテキオー カタカナにしたのは特に意味はありません。

◆自己革新組織の原則と日本軍の失敗
 自己革新組織になるためには、均衡状態でなく、不均衡を創造し、ゆらぎを発生する必要がある。
 その上で自律性を確保した状態にし、創造的破壊による突出を待つ必要がある。
 そこには異端・偶然との共存があり、その中で組織学習を通じ、知識の淘汰と蓄積を行うことが実践される。
 それを担うためには統合的価値を共有しておく必要がまず最初にある。
 現場で頑張れるかどうかは統合的価値、バリューやミッションステートメントをどれだけ意識できるかにかかっている。

※現場に認識つまり、有名な


私はレンガを積んでいます。< 私は教会を作っています。 < 私は皆様の憩いの場、すなわち生活を良くするために働いてます。

ってことですね。(ちょっと表現違ったかも)

◆日本軍の失敗の本質とその連続性
 日本軍は(それまでのパラダイムを前提とする)環境に適応しすぎたため、適応することができなかった。
 白兵戦ではなく火力重視、大艦巨砲ではなく航空戦力が重要なパラダイムとなっているにもかかわらず、
 過去のパラダイムに適した状態から変革はなされず、敗北した。
 それは今の日本の組織に連続性を持って継がれているところもあるし、そうでない部分もある。

 -戦略を持たない部分は継承(連続)している
  国際化が進み、経済大国となった中で、これまで通りの戦略がない状態では立ち行かないことも出てくる。
  一方、財閥解体などで若手抜擢されたことなどによる日本的企業の勃興は非連続になり、高度経済成長を支える要因になった。

 -戦略について
  元々帰納的な戦略策定、オペレーション志向であった。これは高度経済成長下の中では適していた。大きな変革ではなく、洗練することが得意な人が勝つ時代。

 -組織について
  こちらも予測のつかない環境への構造的変化に弱い。異質性や異端の排除と結びついた発想や行動の均質性という日本企業の持つ特質が逆機能化する可能性すらある。

※過去の成功体験(この場合、日露戦争)が今の失敗につながるというのはなんともいえないドラマですね。
 じゃあ過去失敗していたら今は存在がなかったかもしれず、なんとも。。。

◾️アクション

・変化に適応するために何が変わってきているのか大局で物事を考える。
・反射的に反応はせず、大きな波を捉えようとしてみる。
・やるべきことは諦めず、繰り返し挑戦する。(一発で正解なんてとんでもない)

◾️読みやすさ

★★★(★が多いほど読むのが難しいという意味です)

◾️ハッシュタグ

#失敗の本質

#しくじり先生

#パラダイムシフト

#過ぎたるは猶及ばざるが如し

#野中郁次郎

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