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ライター&農業経営を成功に導く方程式を勝手に考えてみた

こんにちは、ひらっちです。今週末は比較的のんびり過ごしています。ロシアがウクライナに進攻し、世界情勢はとんでもないことになっておりますが、足元の暮らしは普段とそれほど変わらず。世界の動向に関心を持ちながらも、変に浮き出し立つのではなく、まずは目の前のできることにコツコツ取り組みたいものですね。

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中! 農業にご興味のある方はぜひこちらもご覧ください! 

■飲食ビジネス以外にも、経営分析に役立つ公式を作ってみたとしたら?

あらためまして、ひらっちです。今日は「ライター&農業の経営」をテーマに書いてみたいと思います。

ちょっと前になりますが、飲食店向けに支給されている協力金に絡んで、こんな記事を書かせていただきました。

最近はあんまり頻繁に記事をアップしていない(できていない…)こともあってか、それなりにスキの数やPVが伸びているようですが、この記事を書きながら、ふと思うところがありました。

それは「ライターや農業の経営にはこの手の公式があるんだろうか?」ということです。僕が知る限り、見たことがないような気がする。というわけで今回は、僕なりにライター&農業のそれぞれの経営の方程式について考えてみることにしました。

■まずはフリーライターの経営を公式にしてみました

まずはフリーランスのライターのビジネスモデルを公式にしてみたのが、こちらです。

<フリーライターの公式>
売上=利益8割+経費(設備費1割+取材費1割)

フリーランスのライターのビジネス構図は、とってもシンプルです。僕と同じようにフリーで活動しているライターさんには、おそらく納得感のある公式なのではないでしょうか?

フリーライターのビジネスの特徴は、圧倒的に利益率が高い点にあります。もう少し踏み込んでいうと、取材費をほとんどかけないのであれば、売上の9割近くが利益となります。

この公式に当てはめると、1000万円の利益を確保したければ、1200万円くらいの売上(原稿料)があれば達成できる、という計算になりますね。

僕の場合、他のライターさんとの差別化を図るという意味も込めて、たくさんの取材費をかけていますが、依頼主が経費として取材費の一部を負担してくれることも多いですし、「とにかく利益率にこだわる」という人であれば、利益9割も十分達成可能です。

ただ、この公式には、大きな落とし穴があります。それは「自分の人件費が入っていないこと」です。過去記事で紹介した飲食ビジネスの公式には、ちゃんと「人件費」が入っていましたよね。

<飲食ビジネスの公式>
売上=F(food/食材費)+L(Labor/人件費)+R(Rental/家賃)+その他経費+利益

でも、上記のライターの公式には、これが入っていません。

要するにフリーランスのライターのビジネスモデルは、自分という「人件費を払う必要がない唯一無二の資産」をどれだけ酷使するかによって、売上アップを図るという構図になっているわけです。

このnoteでは再三にわたってお伝えしていますが、だからこそ「時間単価」「時給」を意識することが大事というわけ。「人件費」という概念が抜け落ちたビジネスモデルだからこそ、その罠にはまってしまう人が本当に多いんですよね。

■次に、農業経営の公式を考えてみました

では、次に農業の公式について考えてみましょう。僕なりに考えた公式は、以下の通りです。

<農業の公式>
売上(収量×単価)=資材代(肥料+消耗品)+人件費+設備費(借金の返済含む)+利益

農業にはいろんなジャンルがあり、すべてをひとくくりに議論するのは難しいですが、上記の公式に当てはめて考えると、自身が取り組む農業経営の特徴が見えやすくなると思います。

ポイントは、売上の増減が非常に大きいことです。収量×単価となっていることからも分かる通り、収量、単価がともに下がると、掛け算なので大幅に売上が落ち、その分のしわ寄せがダイレクトに利益に響きます。

なぜ売上の低下が、経営にダイレクトに響いてくるのか。それは、農業の場合、資材代や人件費は、変動費ではなく「固定費に近い性格」を持っているからです。

農業の場合、「売上が下がる」という結果が表面化するのは、収穫後あるいは収穫間際のタイミングであることがほとんどです。そのため、結果的に売上が小さくなったとしても、同じように肥料を使い、同じような人件費を投入することになりがちです。

通常、100円の商品の原価が50円だった場合、10個売れれば50円×10個で経費は500円、100個であれば50円×100個で経費は5000円…といった具合に、最終的な売れ行きに応じて経費が変動します。この手の経費は「変動費」と言われます。

ただ、農業は、最終的にどれだけの作物が取れ、それがいくらで売れたとしても、そこに同じように資材を投入し、人件費をかけることなります。生鮮品ですから、在庫として積み上げておくことも難しい。変動する部分は多少あるものの、固定費に近い性質を持っているのです。

だから、売上がガクンと落ち込んだ時のダメージが大きいわけですね。農業は、市場に出してみないと価格が分からず、最終的な売上から逆算して最適な経費にすることが難しいビジネスです。俗にいう「豊作貧乏」という状況が起こるのは、こうした農業経営の性質に起因しているわけですね。

だから僕がポイントにおいているのは、売上の下限の金額が、経費よりも常に上回る状況を作ること。そうすれば、経営危機に陥るリスクをかなり小さくすることができます。

売上の下限>資材代(肥料+消耗品)+人件費+設備費(借金の返済含む)

そのために重要なのが、まず経費を抑えることです。小さく始めるのが大事なのは、今さら言うまでもありません。

そしてもう一つ重要なのが、売上を安定化させ、下限を見える化することです。これがある程度はっきりしてこれば、おのずと、どれだけ経費を掛ければいいのかが見えてきます。

売上の振れ幅を少なくするためには、技術を磨いて収量の安定化を図ること、そして、契約栽培などで販売先の確保し単価を安定させることが大事です。技術は経験とともに徐々に向上していきますが、単価の安定化には「売る力」が必要になります。僕が「農業の本質は売り先の確保」とよく言っているのはこのためです。

ちなみの僕の農業は、基本的にほぼ全量契約栽培です。単価も若干の上下はあるものの安定しています。あとは経験を積み、天候不順などによる収量の下限さえ見える化できればいい。そして適性経費を割り出せば、自然とちゃんとした利益を得ることができる、というわけですね。

■まとめ

いかがでしたでしょうか? 飲食ビジネスの公式のように、「これは絶対守るべき!」というズバッとした公式を導き出すのはなかなか難しいですが、これからフリーライターを目指そうという方、新規就農を考えているという方にとって、少しでも参考になればうれしいです。

いずれにしても大切なのは、自分が取り組むビジネスの本質をきちんと捉えること。「売上=経費+利益」という基本の図式をもとにしながら、どの要素がキモになるのかを見極めることが、ビジネスを長続きさせる秘訣ですよ(^^♪

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