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1日6万円の協力金!…ってどれだけすごかったの?

おはようございます。ひらっちです。かなり久しぶりの更新になりましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか? 僕は再び猛烈な仕事量に見舞われ、死にそうになっておりました(笑) ここ数日は年末から続いてきた原稿ラッシュも落ち着いてきて、やっと平時を取り戻してきた感じです。

それにしてもオミクロン株、ものすごいことになってきましたね…。今年はそろそろコロナ騒動も終焉かな?と踏んでおりましたが、重症化率が低い分感染力がすさまじいので、濃厚接触者が自宅待機というルール設定だと、そりゃあ社会は回っていくわけない。以前のインフルエンザくらいの対応に変更しないと無理だよね。「朝令暮改=悪」という日本社会の弱点がもろに出ている感じがします…。なんとかうまくいかないものでしょうか。僕ら一般市民は、報道に一喜一憂せず、いつもどおり感染対策をしっかり心掛けていきましょう。

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中! 農業にご興味のある方はぜひこちらもご覧ください! ちなみに最新記事はこちらです!

■時短要請といえば、飲食店の「協力金」が何かと話題ですが…

あらためまして、ひらっちです。今日は「飲食店経営」「コロナ」「協力金」あたりをテーマに書いてみたいと思います。

記事の冒頭でも書いた通り、目下、新型コロナのオミクロン株が日本中で猛威を振るっています。

一足早く流行が始まった沖縄県では、すでに1日の新規感染者の増加がピークを迎え、徐々に減り始めている状況ですが、東京などではまだまだ増え続けているようです。おそらく次の3連休あたりでピークが来るのでは?と個人的には見ていますが、ここでまたみんなが外出して大騒ぎ!となれば、ずるずると長引いていくことも予想されます。

リスクとの付き合い方がいまいち苦手な日本人。海外は先駆けて新型コロナ関連の規制を撤廃した国も出てきていますが、感染リスクが高い高齢者が大半を占める日本国内において、全員が納得できるようなうまい落としどころを見つけるには、もう少し時間がかかるかもしれませんね。

というわけで、日本国内のかなりの都道府県に「まん延防止等重点措置」が発令されておりますが、コロナの感染拡大による時短要請に伴い、これまでも大きな話題を集めてきたのが、飲食店への「協力金」です。

「こんな金額じゃ、全然足らないよ!」
「飲食店だけ恩恵を受けるなんて、けしからん!」

さまざまな意見が入り乱れておりましたが、それにしても、緊急事態宣言のもとで国が支給した「1日6万円」というのは、一体どれくらいのインパクトがあったのでしょうか? 

というわけで、今日は、そのあたりを改めて分析してみようかなと思います。

■1万円6万円は、ぶっちゃけほとんど利益?

ポイントとなるのが、この1日6万円は、売上減少の補填ということでしたが、特に小さな飲食店にとっては「大半が利益だった」という点です。

飲食業界では、収益構造を分析するため、以下のような計算式がよく用いられます。

売上=F(food/食材費)+L(Labor/人件費)+R(Rental/家賃)+その他経費+利益

もしあなたが飲食店経営を考えているのであれば、上記の計算式に当てはめ、お金の流れをきちんと把握することが、ものすごーく重要です。僕はライターとして10年近く飲食店経営者向けの業界紙で執筆していますが、取材先の繁盛店で、この数字を意識していないオーナーはまずいません。それくらい常識中の常識ですので、絶対に頭に入れておきましょう!

このあたりをざっくり知りたい方は、最近アップされた下記の動画がおすすめです。

特に飲食店経営において重要となるのが「F」と「L」。これは「FLコスト」と呼ばれるもので、この数字を売上で割った「FL比率」を60%程度に抑えることが、飲食店を経営するうえでの定石です。この数字を死守しないと、経営は相当厳しい。利益はほとんどでないと考えておいた方がいいでしょう。

ざっくりとしたイメージで言うと、Fが30%、Lが30%、Rが10%、その他の経費が20%くらい乗っかり、最後に残った10%程度が利益になる、というのが飲食店のオーソドックスなビジネスモデルになります。

月商1000万円の店舗であれば、月の利益はだいたい100万円です。どうですか? あんまり儲からないですよね。もちろんこれを基準に売上を上げたり、利益率を高めたり、といった経営努力をしていくわけですけどね。

で、ここらへんで、コロナの協力金に話を戻します。

いろんな意見が出た飲食店への協力金ですが、国は緊急事態宣言を発令した段階で、飲食店向けに一律1日6万円を支給しました。

この1日6万円の売上は、通常のお店の売上とは、かなり事情が異なります。すでにみなさんお分かりだと思いますが、先ほど死守すべきとお伝えした「F」や「L」がほとんどゼロ、という可能性があるからです。

家賃やその他の経費も少ないお店であれば、6万円の協力金のうち5万円分くらいが利益になるかもしれません。

では、この「利益5万円」を、通常営業で達成しようと考えた場合、一体どれくらいの売上を確保しないといけないのでしょうか?

利益5万円が売上の10%だと仮定し、一般的な飲食店経営の計算式に当てはめてみると…

F(15万円)+L(15万円)+R(5万円)+その他経費(10万円)+利益(5万円)=売上(50万円)

ということで、1日の利益5万円は、売上50万円と同じくらい価値があることになります。仮に25日営業のお店だとしたら「月商1250万円」。協力金のパワーで、あっという間に「年商1億5000万円程度の人気店」が全国のあちこちに誕生した、というわけですね。

■まとめ

いかがでしたでしょうか? 1日6万円という金額も、単純に売上として見るのか、それとも利益を考慮して考えるのかによって、見方はかなり変わってくることがお分かりいただけたでしょうか?

今回の前提となっている小さな個人の飲食店は、一般的な飲食店のビジネスモデルの公式が当てはまらない部分も多いです。そもそも家族が従業員であればLが30%ということはないだろうし、家賃とその他の経費で30%という前提もおかしいかもしれない。でも、一般的な公式に当てはめて考えることで「1日6万円」がどんな意味を持つのかを、違った角度から冷静に分析するきっかけにはなるかな、と思います。

くれぐれも申し上げておきますが、僕は「協力金」を非難したいわけではありません。本当に大変な飲食店も多いわけで、ルール上、もらえるものは正しく受け取り、それを活かして再起を果たして欲しい。ただ「ちょっとゆがんだ金額だった」という反省は必要かなと思います。国もその後は色々と微調整をしていますしね。

このnoteでは、「売上」と「利益」をきちんと理解することが大事だと再三お伝えしてきましたが、その違いを学ぶ格好の材料として、今回は「協力金」を取り上げてみました。独立を考えている人、起業したいと思っている人は、今回のような冷静な分析を楽しくできるようになることが大切かな、と思います。

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