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私の味覚過敏について

2018/2/19 はてなブログ自記事より

お久しぶりです、皆様いかがお過ごしでしょうか。

あすぺるがーるです。

私は、去年4月に復学して1年が経ち、ようやくいろいろ落ち着いたかなという感じです。


この記事は、以前書いた「私の味覚過敏について」の改稿です。

自分の味覚過敏のことを色んなところで話したり色んなものを食べたりしていく中で、気づいたことがたくさん増えました。

そのため、記事本文を書き直すことにしました。

とはいえ前記事の内容はほとんど網羅していると思うので、前記事を読んでくださった方には見覚えのあることばかりかもしれません。

ご了承ください。


味覚過敏って何?

味覚過敏は、発達障害当事者がしばし持っている感覚過敏のうちの一つです。 

人が何かを感じるには、①耳などの感覚器官で情報を受信し、②①の情報が神経回路を通って脳に伝わり、③脳がその情報を解析することで、感じるという状態になります。 
感覚過敏の場合、①・②・③のいずれかで情報が過剰に感じる状態です。
感覚過敏・鈍麻について教えてください: 大人の発達障害Q&A-株式会社Kaien

つまり、味覚過敏の場合、特定の味覚情報を強く感じてしまうということです。

その結果、強く感じてしまう味覚情報を持ついくつかの食べ物が、極端に苦手になります。


特定の味が苦手というだけではなく、味が混ざっている状態が苦手だということもあります。


また、味だけではなく、食感でも同じようなことが起きることがあるようです。


私の味覚過敏の症状

ここから、私自身の持っている味覚過敏の症状について紹介していきたいと思います。


文章だけだと分かりにくいので、洋食の定番メニューの皆さんに登場していただきましょう。

みんな大好き──と言わんばかりのこの顔ぶれにも、私の味覚過敏に引っかかるポイントがたくさんあります。

ざっくり言うと「ある一定ライン以上”味が濃い”ものはダメ」なのですが、”味が濃い” の捉え方も色々なので、以下で詳しく述べていきます。


ソース類(デミグラス・ケチャップetc.)

まず問題なのは、料理にかかっているソース類。

口に入れて臭いが漂ってくるだけで吐きそうになります。


上図で言うとオムライスのケチャップ、豚カツのソース、スパゲッティーのトマトソースやミートソースがダメです。

スパゲッティーだとトマトベースのものはほぼNG。

特に揚げ物は大衆食堂で出されるとき、ソースがかかっているとものすごくがっかりします。

かかってなければ普通に食べられるし、揚げ物単体は好きなので。


添え物・漬物

上図で言うと、カレーの福神漬け。

もしカレーに添えられてたら避けて食べます。

液が付いているだけでもダメなのでご飯が数口分減ります…。


漬物は何をどのように漬けているかで食べられるかどうかが変わるのですが、酸っぱい系と辛い系は全部ダメです。

あと酸っぱくも辛くもないですが沢庵も食べられません。臭いの時点でダメです。


塩味なら塩揉みとか浅漬けぐらいなら何とか大丈夫かもしれない。


野菜と果物

私はわりと野菜嫌いは少ない方だと思います。


ただ、たまにサラダに入っている生の玉ねぎは本当にダメです。

ドレッシングをかけると生玉ねぎの辛みや苦みが消えるそうなのですが、そもそもドレッシングが食べられません。


果物は上図で言うと豚カツの添え物のレモンがダメです。

基本レモン以上に酸っぱい柑橘系は全部ダメです。


生と加工品、加工・調理方法での変化

先ほどトマトケチャップは食べられないと言いましたが、上図でいう豚カツやオムライスの添え物の生のトマトは食べられます。

生よりケチャップの方がしょっぱくなってる気がします。

調味料もろもろが入っているからかもしれませんが…。


あと、カルボナーラの上に乗ってる半熟卵も食べられないんです。

でも固ゆでの卵は食べられるし、むしろ好きなんです。


味覚過敏で困ること

色んな人に話を聞いたところによると、私ほど味覚過敏の出方が強い例は逆に珍しいとのこと。

しかしそれだけ強いとなると、食に関することだけで困ることが多々あります。


初めての食べ物が怖い

食べられないものはある程度把握しているとはいえ、初めて見る料理が食べられるかどうかはかなり場当たり要素が強いです。

含まれているものが味の質的には食べられても、量が多いと食べられなくなるなんてこともあります。


そもそも、見ただけでは何がどのくらい入っているか分からないことも珍しくないでしょう。

そのため、味覚過敏が強いと、初めての食べ物にチャレンジするハードルが一気に上がります。


お通しで出てきたよく知らない食べ物は、あまり食べようとは思えません。

外食に行っても、気が付いたら同じようなものばかり食べています。


お酒もそうです。

20歳を過ぎ合法的に飲めるようになったとはいえ、自分の飲める味かどうかが分からないがゆえにチャレンジできないのです。

炭酸ダメ、辛いのダメ、お砂糖いっぱいで甘すぎるのもダメだとしたら、いったい何が飲めるというのでしょうか。

味の好みが合うバーテンさんが運よく見つかって、ノンアルカクテルを一杯だけ飲んだことがあるけれど、恐らく当分次は飲まない気がします。


誰かと一緒にご飯を食べに行きにくい

同行者と一緒にファストフード店に行くことを想像してみてください。


大概のハンバーガーにはソースがつきものです。

しかし先述したように私はソース類がダメです。

というわけでハンバーガーを注文するとき、例えばマクドナルドなら「フィレオフィッシュのタルタルソース抜き」と注文することになります。


事情を知らない同行者に突っ込まれるのは確実でしょう。


ソース抜き注文ができないときは、もっと大変です。

大衆食堂の定職の揚げ物にソースがかかっていたら、メインディッシュの揚げ物を食べずにご飯と味噌汁だけを食べたり、ソースがかかっている部分だけ避けて食べたリすることになります。

誰かと一緒に食べていたら、さぞかし訝しまれることでしょう。


「ソースダメなんだ」で済めばいいのですが、どうやら世間的にはソースが嫌いな人はかなり少数派なようなので、話はどんどんややこしくなるでしょう。

ましてや、発達障害をカミングアウトできないような相手なら。


食事すること自体が面倒に

味覚過敏が強いと、そもそも食べられるかどうかのハードルが高すぎて「おいしい」という感覚から遠ざかっていきます。

そして「おいしい」という感覚からあまりにも遠ざかりすぎると、食べることそのものへのモチベーションが失われていきます。

ちょっとでも体調やメンタルがやられると、すぐに食事を抜きます。


私の味覚過敏を誰かに言うと「健康的でいいね」と言われます。

確かに食べることに抵抗がなく、ややもするとカロリー摂りすぎになってしまう人からすればそうなのかもしれません。


しかし私ほどひどくなると、本来必要な摂取カロリーを得ることさえ難しくなっていきます。

そんな私に「お菓子で良いから1日1000kcalは絶対に摂れ」と言って聞かない母がお菓子を買ってくるせいで、私の朝食と昼食はほとんどお菓子と成り果ててます。(さすがに私の食べられるものを選んではいますが)


不健康極まりないですね。


してもらえると助かる配慮

味覚過敏のことを話していると、味付けを薄めに作ってくださったりお通しを他のものに変えてくださったりする料理人の方がいらっしゃり、それは本当にありがたいと思います。

全ての料理人のみなさんにそこまで求めはしません。

各々のキャパもあるだろうし…。


私みたいにピンポイントでどうしても食べられないものがある人間が一定数いるということだけ頭の片隅に置いていただいて、できる範囲のことをやっていただけると嬉しく思います。


ここまで読んでくださった全ての方にお願いしたいのが、一緒にご飯を食べに行った人が変な注文をしたり、変な食べ物の残し方をしたりしても、あまり深く突っ込まないでほしいということです。

「そういうのがダメな人もいるんだ」ぐらいに思ってほしいです。


ちょっと好き嫌いが多くても、肩身の狭い思いをせずに食事に行けるようになりたいと思います。

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