真夜中万華鏡【毎週ショートショートnote】
住宅街の中にぽつぽつと古くからの個人商店が並ぶ道に、一軒のアンティークショップがある。
幻想的な雰囲気でゲームや異世界小説などに出てきそうな店だ。
ここに客が出入りするのを見た者はいないだろう。
この店はこちらの世界の人間には認識されにくいように、目眩ましの術がかけられているからだ。
ただ、物事には例外がある。
今、店内にいる子だ。
晴天の予報だったのにゲリラ豪雨に見舞われ、自転車をこぐ足を止め軒下で雨宿りを始めたから、声をかけて店内に招き入れた。
通学途中によくこの店を見ている子だった。
ファンタジーが好きらしく、店内に並べられている物に興味津々の様子を隠しきれていない。
手にした万華鏡を覗き込み息を飲んでいる。
「それは、かつて空から消えた星が見える万華鏡」
夢中になっている姿に解説をする。
「消えた星?」
「そう。優しい願いの対価となって、夜空から消えた星々が見える」
こちらの世界の人間には見えない店。
見えるこの子は果たして……。
(410文字)
こんにちは。ファンタジー大好きな羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
裏お題は「真夜中万華鏡」です。
表のお題の「放課後ランプ」と絡めました。
消えた星とは?
文字数以内でオチをつけずに、思わせぶりにして終わるのは反則なのでしょうか。
でも、こういう終わりだと、どこかでまた書かなきゃと思えるので、きっとどこかで出てくることでしょう。
読んで下さってありがとうございました。
羽根宮でした。
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