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ルールを知らないオーナメント【毎週ショートショートnote】

駅から少し離れた住宅地にある昔ながらの商店街。
毎年十一月終盤になると、この商店街の手芸店の軒下に小さなクリスマスツリーが置かれる。
この店は手芸用品の販売と箱貸しをしていて、契約しているハンドメイド作家の作品を棚に並べて委託販売している。
ツリーを出すのは毎年のことだったのだが、いつの頃からか作家たちがツリーに作品を飾るようになった。
元からあった店の飾りに混じり、作家たちが作った天使やベル、ブーツやサンタなどのオーナメントがツリーを賑やかに彩る。

最初の内はクリスマス関連のモチーフだったが、毎年恒例になると羽目を外したり攻めてくる者も現れるというもの。
サンタやトムテの隣にマトリョーシカが並び、ジンジャークッキーとさるぼぼが手を繋ぐ。
キャンディーケーンのふりをした傘の柄が吊るされ、小学生たちが七夕の短冊のように欲しいものを書いた紙を下げに来る。
今ではすっかり、この混沌としたツリーが商店街の十二月の風物詩となっている。

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は『ルールを知らないオーナメント』です。

クリスマスまでに間に合えば良かったですが、クリスマスはちょっと予定があったので、残念ながら間に合いませんでした。
マイペースに楽しんでいます。

この昔ながらの商店街は、もしかしたら以前のお題で書いた「ヘルプ商店街」かもしれませんね。

小学生の頃まで家の近くにあった小さな商店街は、今では八百屋さんだけになってしまいました。
その代わりと言っては何ですが、バス通りにスーパーやチェーンの薬局ができました。
便利なんでしょうが、少し寂しい気持ちもあります。羽根宮は個人商店を応援したい隊なものですから。


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読んで下さってありがとうございます。
羽根宮でした。

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