「一度決めたことは最後までやり切る」の弊害
就職の適正診断(?)などでよくみかけるこのフレーズ↓
はい / いいえ / どちらでもない とかで答えるやつですね。必ずしも「はい」が望ましい回答というわけではないかもしれませんが、良くない言葉だなーと毎回思っています。捉え方によっては非常に危険な判断を生んでしまう可能性があるためです。
責任感や当事者意識といった文脈の中で使われることの多いフレーズですが、僕はこの言葉を非常に危険だと思っています。この問いを受けるたび、僕は「いいえ」を選択してきました。
問題を端的に言うと、間違ってたらどうするの?ということです。
例えば、自分以外のメンバーが「今回は手法Aでいこう」と言っていて、自分は絶対に手法Bが適切だと考えているとします。この状況では(時間的な制約を考慮に入れなければ)、手法Bが適切である理由を述べて皆を説得する必要があります。たとえ少数派でも。
説得の甲斐あって今回のプロジェクトは手法Bで進めることとなり、自分の納得する方法で推進できることになりました。めでたしめでたし。
しかしプロジェクトを進めていくうち、やはり手法Aの方が適していると思えてきました。どうしましょう。手法Bが適しているとあれだけ熱を込めて説得したのに、「やっぱり手法Aにします」なんて言ったら「あいつの発言は朝令暮改だ」などと言われてしまうのではないか...とビクつき、表題にあるような「やはり一度決めたことなのだから最後まで責任を持ってやり切ろう」というモットーとか信念とか責任感とかのもと行動するなどと言って、こうした行動を取りかねません。
PIXARとディズニーアニメーションのエド・キャットムルは「ピクサー流創造するちから」の中でこう述べています。
僕は、彼のこうした姿勢はすごく大切だと思います。決断において大切なのは「誰が正しいか」ではなく「何が正しいか」です。
もしあなたが自分の意見を変えて「やはり手法Aに変更して最初からやり直しましょう」と言ったとき、非合理的な理由で批判してくるような人がいても、その意見はあまり気にしなくてよいと思います。たとえば
など。「責任感」や「当事者意識」と、「正しい判断をすること」は全く別の話ですし、そもそも当初と状況が違うのだから、判断が変わるのは当然です。
以上のことから、表題の言葉はこうあるべきです。笑
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