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ようもうとみどり
2021年9月26日 19:59
天をつく威光を備えた樹冠が青く茂っていた。下へ向かうにつれ、枝の分かれ目があらわれ、浮雲のように葉を漂わせる。霧が漂えば黒い影となり、そこには鳥すら寄り付くことはしなかった。その枝が許す限りに裾野を広げれば低木は育たず、ツタやシダが親と戯れる子のように繁茂する。巨大な幹は風をもしのぎ、風の強い晴れた日には日向を譲り合う小鳥の羽ばたきがこだまする。倒れることを望む森の清掃屋たちはたびたび
2021年9月7日 19:54
裸足になって草原を歩く。綿の靴を脱ぎ捨てて、靴下はどっかに放ってしまって。彼女は楽しそうに跳ねて回るけど、ぼくはそこそこにしておきなと止める。昨日の昼頃、そのせいで背の高い草に足をかすめて切ってしまったばっかりなのに。それに、この前はミミズを思いきり踏みつけて泣いてたのに。裸足になると星に根を張る事ができる気がするのって言うけれど、それだって気がするだけだろう。家の中くらいでいいと