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「地震に強い」は本当?地震に強い家を見極める2つのポイント

みなさんこんにちは!
北陸での家づくり満足度を120%にするための研究所、ウッドリンク・ラボです。

さて今日は「プレウォール工法VS大壁面材工法」というテーマで、どちらの壁が強いのか実物による比較実験をご紹介します。

地震に耐えるための家の強さは、壁の質と量で決まります。もちろん、質が高く量も多い方が地震に強い家になります。壁の量は建築図面に記載されており、一般の方でも確認することができます。しかし、壁の「質」と言われてピンとくる人は少ないのではないでしょうか?

地震に耐える壁の種類は、筋かいと呼ばれる木材を使った工法と、面材と呼ばれる板を使った工法の2つに分けられます。一般的に筋かいよりも、「板」を使った工法の方が地震に強いと言われています。今日は板を使った工法である、プレウォール工法と大壁面材工法の強度比較実験を行います。法律上は同じ強さとされているこの2つの壁ですが、実は強度に大きな差があります!

工法の違い

今回の記事を読んでいただくことで、地震に耐えることのできる「質の高い壁」の種類がわかります。そひて大地震が発生した後でも避難所で暮らさなくて済む方法、つまり家族の命と家を守るために必要な工法を知ることができます。実は面材と呼ばれる板を使った工法であっても、あまり地震に強くない家もあるという衝撃の事実を明かします。ぜひ、最後までお読みください。

1.耐力壁って何?

耐力壁とは、読んで字のごとく「地震などの力に対して耐えることができる壁」のことを言います。家を建てる時の法律、建築基準法では壁倍率という数値で強さが決められています。

左は大壁面材工法の耐力壁です。構造用合板と呼ばれる板で地震の揺れに抵抗します。右はプレウォール工法の耐力壁です。
大壁面材工法とまったく同じ構造用合板を使って地震の揺れに抵抗します。

大壁面材工法とプレウォール工法

建築基準法では大壁面材工法・プレウォール工法どちらも2.5倍という壁の強さになっています。同じ板を使用し、強さを表す数値も同じこの2つの耐力壁ですが、実際の強さには大きな差があります。2つの耐力壁の違いなど細かい話は後にして、まずは実験をみていただきましょう。

2.地震に強い壁 頂上決戦!

実験の様子はぜひ動画でご覧ください。壁が壊れる音が鳴り響き、迫力のある実験映像になっています。

それでは実験スタートの様子を解説していきます!ちょうど地震が発生したときのグラグラグラという状況と、大地震の後に繰り返し発生する余震を再現した実験になります。2つの壁には震度6相当の力をかけていきます。

実験開始後しばらくすると、大壁面材工法は、目で見て分かるくらい大きく変形してきます。

実験の様子

大壁面材工法の壁は左右に振られて、足元が大きく浮き上がっています。繰り返しの揺れで折れてしまった釘もあるようです。一方でプレウォール工法の壁は、多少の浮き上がりがみられるものの、大きな損傷は見当たりませんね。

3.実験の結果、勝ったのは・・・

実験結果

同じ2.5倍という強さの耐力壁で実験を行ないましたが、プレウォール工法の方が強いという結果になりました。なぜこの様な結果になったのでしょうか?

その答えは、構造用合板の「配置」の違いです!大壁面材工法は柱や梁などの骨組みの外側に、構造用合板を釘で打ち付けています。そのため合板と釘で地震の揺れに対して抵抗しています。しかし地震の揺れが繰り返されると、釘の周りから合板がダメージを受けはじめ、徐々に抵抗力を発揮できなくなります。

プレウォール工法は、柱や梁などの骨組みの内側に構造用合板をはめ込んで、釘で打ち付けています。そのため、釘の強さだけに頼らず、骨組みの内側で合板が突っ張って地震の揺れに抵抗しています。釘の強さで地震の揺れに抵抗している大壁面材工法とは異なり、釘の周りはほとんど損傷していません。

合板の配置

また、プレウォール工法では構造用合板を、表と裏から木材でサンドイッチする配置としていて、板が外側に『ふくらまない』ようにしています。それによって、余震のような繰り返しの揺れに対してもしっかりと耐えることができます。

木材でサンドイッチ

つまり、同じ構造用合板を使った工法であっても「配置」と耐力を最大限に発揮させるサンドイッチ構造という「工夫」で強度がこんなにも変わるということです!プレウォール工法の強さの秘密をさらに詳しく知りたい方は、ぜひ体感・体験型の住まいのショールーム「ウッドリンク・ラボ」にお越しください。

まとめ

地震対策に重要なのは、壁の質つまり強さです。地震に耐える壁の種類は、筋かいと呼ばれる木材を使った工法と、面材と呼ばれる板を使った工法の2つに分けられ、一般的に筋かいよりも「板」を使った工法の方が地震に強いと言われています。

しかし建築基準法で2.5倍という同じ強さの壁であっても、実際に強度比較実験を行ってみると、強さに大きな差がありました。プレウォール工法は構造用合板を使った工法で、「板の配置」と耐力を最大限に発揮させるサンドイッチ構造という「工夫」で強度が大きくUPしました。さらにプレウォール工法は1回の地震だけでなく、繰り返し発生する「余震」にも強いため、大地震が発生した後でも避難所で暮らさなくて済むうえに、大地震から「家族の命と家を守る」ことができます!

今回の実験はプレウォール工法 vs 大壁面材工法でしたが、プレウォール工法 vs 筋かい工法の実験もあります。プレウォール工法 vs 大壁面材工法 vs 筋かい工法の三つ巴の戦い、見ないと絶対損ですよ!!

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