いささかシニカルな息子氏14歳
父子２人暮らしの会話を記録したツイッター過去ログから、いささかシニカルな息子氏14歳当時の発言をピックアップしました。
息子氏「パパ、生きてる？」
父 「どう思う？」
息子氏「生きてるようには見えないな」
息子氏「パパ、優しい？」
父 「優しいよ」
息子氏「自称か」
息子氏「パパ、将来の夢は？」
父 「ない」
息子氏「だろうね」
息子氏「明日は誕生日だから、プレゼントちょうだい」
父 「素朴な疑問だが、どうして君には年に2回も誕生日があるんだい」
息子氏「偶然」
息子氏「パパはハイブランドお兄さん？」
父 「ちがいます」
息子氏「パパはヴァーチカル？」
父 「ちがいます」
息子氏「パパはコーヒー好き？」
父 「好き」
息子氏「コーヒーみたいな目をしてるからだな」
父 「コーヒーみたいな目？」
息子氏「パパは実在する？」
父 「どう思う？」
息子氏「しないと思う」
父 「その根拠は？」
息子氏「本物を見たことがないから」
息子氏「パパって忙しぎみ？」
父 「うん。今はくつろいでるけど」
息子氏「くつろぎぎみか」
父 「くしゃみが… 出そうなのに出ない……」
息子氏「くしゃみの事なんか忘れな。人生、楽しもうぜ」
今日はスーパーマーケットで特売になってたブ厚いステーキ肉を焼いた。
父 「どうだい、いつもの薄っぺらい肉とはちがうだろ？」
息子氏「たしかにちがうね、パパの人生とは。薄っぺらいパパの人生とはね」
息子氏「パパ、血を吐いたことある？」
父 「ない」
息子氏「そういうイメージあるんだけどな」
父 「授業中いねむりしてない？」
息子氏「いやー授業中は寝れないよ。環境的に」
父 「環境的に」
息子氏「眠れないなー。パパは寝られる？」
父 「パパはいつでも寝られるよ。お酒飲んでても、座ったまま寝たりするよ」
息子氏「それはすごいね」（無表情
息子氏「パパ、起きて」
父 「もうちょっとだけ寝かせて……」
息子氏「終点ですよ」
父 「あ、降ります」
息子氏「パパ、瞑想したことある？」
父 「ない」
息子氏「だろうね」
息子氏「パパ、怒って」
父 「なんだこの野郎てめえ馬鹿野郎」
息子氏「パパの怒りはその程度か」
息子氏「パパ、怒ってみて」
父 「なんだこの野郎！馬鹿野郎！」
息子氏「珍妙にして滑稽だな」
息子氏「パパは建造物？」
父 「ちがいます」
息子氏「パパはコーカサスオオカブト？」
父 「ちがいます」
息子氏「パパはピグミーマーモセット？」
父 「ちがいます」
息子氏「パパはメンソーレ？」
父 「ちがいます」
息子氏「パパは本物？」
父 「偽物だったらどうする？」
息子氏「逃げる」
息子氏「パパは魂、ある？」
父 「どう思う？」
息子氏「ないね」
息子氏「パパ、英語は得意？」
父 「読んだり話したりはできるけど、聞きとるのが苦手なんだよね」
息子氏「パパは日本語でも人の話きかないからね。人の話きかないからね」
父 「２回言った」
息子氏「パパ、負けたことある？」
父 「何度もあるよ」
息子氏「動物に？」
息子氏「パパ、人間失格したことある？」
息子氏「パパ、世紀末を味わったことある？」
息子氏「パパ、カスタマイズしたことある？」
息子氏「パパって生きる屍？」
息子氏「パパ、ミクロの世界は好き？」
息子氏「パパ、力がみなぎった事あるかい？」
息子氏「パパ、寝癖すごいね。風林火山って感じだね」
息子氏「パパ、寝癖ひどいね。実験に失敗した人みたいだね」
息子氏「パパ、足の毛を抜いていい？」
父 「だめ」
息子氏「なんで？大切にしてるの？」
父 「痛いだろ」
息子氏「パパ、受け継いだことある？」
父 「あるぜ、大いなるものをな…」
息子氏「そういうのは、いらないんで」
息子氏「パパは罠を仕掛けられたことはあるかい？」
父 「罠って？ 無実の罪を着せられたとか？ 変な契約書にハンコを押させられたとか？」
息子氏「森の中を歩いていたらワーッって落とし穴に落ちたとか」
父 「ない」
息子氏「パパは信念を貫き通す人間？」
父 「それほどでもない」
息子氏「だろうね」
息子氏「パパ、あきらめな」
父 「何を？」
息子氏「人生を」
息子氏「今日はあたむいね」
父 「あたむい？」
息子氏「温かいけど寒い」
息子氏「パパ、SOS送って」
父 「・・・ーーー・・・」（口で擬音を出す）
息子氏「却下」
息子氏「パパ、小馬鹿にされたことある？」
父 「ない」
息子氏「にわかには信じがたいな」
息子氏「パパ、車の整備は好き？」
父 「好きじゃない」
息子氏「車は好きだよね？ よく趣味でコツコツ整備してる人いるじゃない」
父 「パパは運転が好きなだけなんだ」
息子氏「なかなかな王子様ぶりですね」
息子氏「パパってヒトデアリ？」
父 「ヒトデアリ…？ あ、『人でなし』の反対か。」
息子氏「で、答えは」
息子氏「パパ、切断して」
父 「何を？」
息子氏「自分を」
息子氏「パパはヒマラヤ山脈？」
父 「ちがいます」
息子氏「パパは遠隔操作されたことある？」
父 「ない」
息子氏「意外だな」
息子氏「パパは何かを献上したことあるかい？」
父 「誰に？」
息子氏「自分に」
父 「ちょっと小腹へったな」
息子氏「デブはよくそう言うよね」
息子氏「合格祝い何がいいかな〜。何もらおうかな〜」
父 「何が欲しいんだい？」
息子氏「いちばん欲しいのは権力だな」
父 「権力」
息子氏「映画行くからお金ちょうだい」
父 「いいよ。映画は心の栄養だからね」
息子氏「映画は心の栄養？」
父 「パパ今イイこと言ったでしょ？」
息子氏「言ってない。お金」
息子氏「コンビニ行こう」
父 「こんな真夜中に？」
息子氏「思ったらすぐ行動するのが成功の秘訣だよ」
父 「きみは語彙が豊富だね」
息子氏「ゴイホって呼んで」
父 「ゴイホ」
息子氏「パパ、物事の本質は見極められるかい？」
父 「難しいな」
息子氏「ま、人生そんなもんでしょう」
息子氏「パパ、良い人生だったと思う？」
父 「思うけど、まだ終わってないよ」
息子氏「パパ、ねごと言ってたよ。『マッチョの館』って何？」
息子氏「金くれ」
父 「小さい頃はお金なんかなくても、その辺の物をオモチャにして遊んでたよね」
息子氏「持っている情報量が圧倒的に少ないから、何を見ても新しくて退屈しなかっただけだよ」
息子氏「パパ、間違えたことある？」
父 「たくさんあるよ」
息子氏「間違いだらけの人生か」
父 「そう、その通りだ」
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