七藤 隼

小説と詩を書いています。純文学。それぞれマガジンから。
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【詩】春をつくる日

「水族館を水で浸して、いっそのこと、水族館そのものを水槽にしちゃえばいいのにね、それでたくさんの人が溺れ死んでも、間違ってはいない気がするんだよ」 女の子は言っ…

1年前

【掌編】影送り

 チケットを渡すとき、ちゃんと軽くお辞儀をする人がいたり、そうかと思えば、ひったくるようにチケットをさらっていく人もいて、面白い。小銭を出すときだって、トレーの…

1か月前

【詩】いまとても

私はいまとても弱っています 水がはち切れんばかりに膨らみ いまにも破裂してしまいそうです 安らぎは自分でつかみとらなければならない いつなんどきでも 100%の受け身…

1か月前

【短編小説】花びらと影

 風が吹いて、こんなふうに桜が咲くころになると、僕はいつも思い出す。  十五年前、小学五年の終わりの三月下旬に、ちょうどいまみたいに生暖かい強風がいくつか吹き、…

1か月前

【短編小説】Lily White

 一.  目を開くと雪原に立っていた。  意識が目覚めはじめるとともに痛いくらいの冷気が頬や額の肌を刺し、鼻はつんと冷ややかに萎縮した。  にじんだ瞳は真正面の太…

1か月前

【詩】手

抱きしめたいものがあったはずなのに 僕の手は空を切っている あ、でも 手はあった ーーーーーーーーーーーーーーーーーー Medyではnoteでは読めない詩も載せています。…

2か月前