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お米のリバイバル?リベンジ?再生二期作!

皆さんお米が手に入らなくて難儀しておられます
昨年と比べても新米価格は5割以上高額です。

コメ不足の犯人


では・・・お米農家や
・・・そのコメを売るスーパーが
暴利をむさぼっている?
そんなわけではありません。

コメが高くなっている理由は


「政治と官僚」そして
「流通過程と低価格維持」
の問題です。

小生6月中頃こんな記事を書きました

現在のコメ不足は
「新米が供給されたらおさまる!」


と確信を持っておりました・・・

正確に申せば・・・

「本当は供給不足は起こっていない」

可能性もあります。

6月の記事で書いた通り
問題の本質は
「農水省の政策の失敗とそれを問題にしない政治家」
が招いた人災です。

お米は今年も順調の収穫されております。


全国的にも作況指数は100より高い地域が大半です。

では新米が順調に収穫されているのに
「なぜお米の値段が高いのか?」
それは他の農産品と同じです。

大量に供給すると値段が崩れる流通システムの問題です。
市場とはそういうもうのでもあります。

原因は、概ね4つの要素が考えれます?

①コメの品質と値段をを一定以上に保つため
歩留まりの悪い(白い粒が多い米)コメを流通させていない

②長年低価格販売で苦しみほとんど収益が上がらない農家が
あえて農協へ米をおろさず、親戚・知人・友人などへ
優先的に新米を配っている。
「コメ農家の反乱」が一部の地域で発生
そのため収穫量の割に農協への集荷数が少ない。

③農協の仮払金が昨年比四割増と高額であるため
「もう少し値段が上がるのではないかと」と一部の大口農家が乾燥が終わった米を売りに出さず様子見している。

④令和5年産米の在庫を高く売るため
あえてコメ卸業者が新米の供給を絞っている。

小生・・・実は身内に農協に勤める者がおり・・・・
JA を必要以上に批判したくはないけれど・・・

JAの農家との関係もその根本には絡んでいると
いわざるを得ません。

米農家の高コスト構造

もみを発芽させ自分で苗を用意する農家は
現代ではほとんどおりません。

大概の農家はJAから苗を仕入れ
それを植えて育てます。

苗の価格は一反あたりおよそ1万5千円
一反の田んぼからはおよそ30から40俵のお米が
出来て・・・
仮に35俵を昨年までの平均な価格で
JAへ販売するとおよそ50万円

のこり48万円が手元に残るのかと言えば
「肥料・水・農機具・燃料代・農薬・その他の経費」
が一反あたり30万円以上はかかります。

当然経費なので
農機の償還や・・・人手の具合で・・・
「大量に作付けすれば・・・大きな利益が」
でも・・・日本の米農家は平均15反程度の経営です。

15反×35俵×1万4千円=735万円
ここに様々な経費が掛かると・・・
経費が500万円弱発生し
実収は150万ほどになります。

150万の収入では見合わないほど
手間とヒマがかかる・・・
この農業政策の失敗こそ

「少しお米が高く売れたらいいなあ~」と・・・
米農家が不信感を・・・政府やJAに抱く構造です。

それゆえ新米の収量ほど
農協の倉庫へお米が積みあがらない・・・
出し渋りが発生します。

減反政策の失敗によって・・・
お米の値段は暴落しました。

1993年(平成5年)頃のお米の販売価格は
一俵あたり2万3千円を超えておりました。
普通のお米でも販売価格は10キロ5000円ほどです。

コメ不足に陥る以前
今年春に普通のお米をスーパーで買うと
10キロ4000円くらいでした。

30年間でコメがキロ当たり100円値下がり
しています。

デフレの影響があるとはいえ・・・
工業製品のように・・・
「汎用性が上がれば価格が下がる」
単純な構造ではない農産品が
これほど価格が下がっている原因は

「国の根本的な食糧政策の失敗」にほかなりません。

日本の田んぼは
休耕田もフル活用すれば

1000万トン以上おコメ作る能力があるのに
それをわざと600万トン程度にコントロールしているのが
「食管政策」をやめたはずの日本の現状です。

「日本のお米は美味しい」


と評判で昨年は2万5千トンほど輸出しています。

お米が余剰になるからギリギリの量を作って
価格の暴落を防ぐ・・・
ある意味では価格統制による価格維持です。

しかし実質販売価格は
1993年の2万3千円から
2023年には
「1万4千円に落ちている」

米を作っても儲からない!
と農家がやる気を出せない供給量の
コントロールより

「海外へ美味しいお米を売る販路拡大」

「食糧自給率をあげるため余剰米を全て買取・・・
もしも備蓄が大幅に余ったら食糧危機の国へ
援助物資とする」

「おにぎり」が世界的なブームとなる昨今
米を貰っても「食べない」
という論法は成り立たないハズです。

さて表題の「再生二期作」です。


再生再生二期作とは
水稲の収穫後に残った切株から発生するひこばえを栽培・
収穫する二期作
のことです。

再生二期作は

①1回の田植えで2回収穫できる

②通常の二期作で行われる二期作目の育苗や移植が不要

③収量当たりの生産コストを下げられる

④同じ面積でこれまで以上の収量を確保できる

再生二期作は苗を5月より前に植えられる
「北関東」より南の地域であれば可能です。

農研機構などで
実証実験や適した品種の選定改良が実施されており
栃木県や茨城県などでは
「再生二期作」を実施している田んぼを
あちらこちらで見かけます。

「にじのきらめき」という品種が再生二期作に適した銘柄であり「ひこばえなんて食えたものではない」という
既成概念を打ち破る日も・・・

「遠い未来では有馬温泉ありません」

食糧管理政策で・・・

苗を田んぼに植え付けせず
農家に不信感を植え付け・・・

国の根幹である
「食糧自給率」を改善しようと
抜本的な対策を打たない官僚や政治家に
「お灸をすえた」※のが

コメ不足かもしれません。

※お灸がせんねん灸のタイプで
あまり効いてないかもしれませんが。

「ひこばえ=再生二期作」の有効活用が進み・・・
「農家が儲かる職業」となる未来・・・・

味蕾がよろこぶ甘くて美味しい新米が
正常に流通することを願うばかりです。

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