その先にあるもの 第4話(小説)
集落の中に恵さんの事を良く思っていない人達がいるのは知っていた。そして恵さんもその事を恐らく知っているのだろう。
そんな中にあっても恵さんはいつも静かにいた。
のぞみは恵さんと時を過ごす中で少しずつ恵さんの事を知って行った。
恵さんが凄く博識な事。のぞみが読んだ事のある本はほぼ全部知っている事。儚げな外見の割に思い切りが良くて良く笑う人だと言う事。そして、のぞみと同じ名前の子供がいた事。旦那さんとは別れて街を出て来た事。その中には人から聞いた事もあるし、本人から聞いた