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懐かしの絵本に思いを馳せて

 茹だるような暑さの中、庭で草むしりをしていて、思った事があります。

 かつて我が家の庭にも芝生なんてものが可愛らしく茂っていた頃がありました。
 今は見る影も無く、雑草が生き生きと幅をきかせております。 
 どうしてこうなった?
 理由の一つに私が好んで蒔いたクローバーがあります。
 シロツメグサの花が咲いたらさあ行こうラスカルと思わず口ずさみたくなり、花冠を作ったり、四葉のクローバーを探してみたり、乙女心をくすぐりまくりのクローバーなのですが、今や芝生を凌駕する勢い。花冠を作った所じゃ間に合わない。
 利点をあげるとすれば、ミミズが喜んで土を耕してくれるので、ふっかふか。きっと来年畑にしたらいい作物が育つ事でしょう。
 その他にも様々な雑草が!お茶にしたり、お酒に漬け込んだり、時には食してみたり。
 しかーし、勿論消費が間に合わないし、夏の薬草は逆に身体に良くないので、もうそんな季節ではなく、草を毟りながら途方に暮れているのですが、人間にとって殺人的なこの暑さ…どうやら草花や昆虫にとっては楽園のよう。  
 太陽のパワーって凄いな…。

 さて、そんな中草むらを楽しそうに飛び交う蝶達。踏みしめた足元から飛び立つバッタ達。人の気配にそそくさと逃げ出すトカゲ達。凄く元気だ。実に生き生きとしている。
 自然の中には清々しい何かが息づいている事は間違いない。
 
 そこで子供達が小さい頃に読み聞かせをした絵本の中に「リーサの庭の花まつり」と言う、花の精霊達が登場する絵本があったなと思い出したのです。
 絵が綺麗だったなあと見たくなった私は早速押入れをゴソゴソ探して、見つけました。

 これです。
 ストーリーは簡単に言うと夏至の日に庭でリーサが精霊達の花まつりに参加するお話。
 花や野菜や雑草達がそれぞれの気持ちを歌っています。大人になって読むとおおっわかるかもと思わずクスッとしちゃいます。
 子供ならきっと世界に引き込まれて楽しいのでしょうね。

 子供の頃って自然と一緒に息づくように生きていて、精霊とか妖精の存在も身近に感じて生きていますよね。大人になると人はそれを空想と言う言葉で済ませてしまいますが、それは少し寂しい気がします。
 自然に教えられる事ってたくさんあるし、そこには生きることの意味とか世の理とかの知恵が詰まっていると思うのです。

 毎晩布団に入って絵本を読んであげていた頃は心の中で「早く寝ろ〜。」と叫んでいた事もありましたが、思い出すとほっこりとした気持ちになります。 
 かつての日常は過ぎてみると優しい記憶になるものなのですね。

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