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Michel Legrand(Danielle Licari) - Les Parapluies de Chesbourg / シェルブールの雨傘 - 1964

「ミス・サイゴン」はベトナム戦争が生じたことによって出逢う事になった恋人たちが出てくるお話でしたけども…
「シェルブールの雨傘」はアルジェリア戦争が生じたことによって、引き裂かれた恋人たちのお話でした。

男性側からすると…
徴兵された先で恋をして結ばれたけれど、国に戻ることによって別れることになってしまった恋人とまだ見ぬ息子(だが国には恋人が)…てな話が「ミス・サイゴン」で、徴兵されたことによって、恋人と離れることになり、何とか生きて帰れたものの、恋人は別の男とくっ付いて自分の娘をその男の子として育てていた…が、「シェルブールの雨傘」

そんな感じかな。

「ひまわり」1970

こちらも戦争によって引き裂かれた夫婦の話。ウク〇イナで現地妻を作ってしまったマストロヤンニ、ダメな奴だ。まあ、確かにリュドミラ・サベーリエワは可憐で綺麗だけどさ。「戦争と平和」でのナターシャ役も素敵でした。

こういうのはよくあったことかも知れません。

日本でも、もちろんたくさんそう言う話はありましたよね。
生きて戻ったものの、先に誤って戦死の公報が届いていたがために奥さんが再婚していたとか… 

「Waterloo Bridge / 哀愁」1940

この映画の恋人同士も戦死広報のミスにより、不幸と悲劇を招いてしまったパターン。

「君の名は」1952

「哀愁」の日本版(内容はだいぶ違うけど)。空襲による行き違いが二人の不幸の始まりでした。
流行りました、真知子巻。放送時間にはお風呂屋の女湯が空になってしまった有名なエピソードがあります。数寄屋橋(銀座)も悲劇の待ち合わせ場所として有名になりました。



生き残ったものの日本に帰国するのを拒んで、現地(東南アジア)に居残って新しい家庭を築いた人もいたり、義勇兵に参加した人もいたり… 戦死したことを信じずに息子を待ち続けて、舞鶴に毎日通った「岸壁の母」、夫を待ち続けた妻の話とかとか。

菊池章子「岸壁の母」

結局、息子さんの生死は確認できないままでしたね。

「16歳、戦火の恋」2018

1944年、黒人のドイツ人少女とナチスの青少年団に所属する若者の悲恋を描いた物語。

おまけ
こちらはハリウッドとイタリアの共作版
「War and Peace / 戦争と平和」1956

ソ連版「Война и мир / 戦争と平和」1965‐67


映画自体はミュージカル仕立てで、セリフも歌なもんで、
当時はともかく今見ると違和感ありありというか~
なんていうか~ ちょっと陳腐かなーって、思う点も無きにしもあらずなんですが…

それでも涙腺はお約束で、ダムのように崩壊してしまうわけですよ。
この曲が流れるだけで、心の奥底にある思い出を蘇らせ、涙腺のスイッチを刺激してしまう何かがあるみたいでww

そうですね…私のツボに嵌りますね。

戦争によって引き裂かれる恋人たち …
これだけでダメですね私、何かのスイッチが入ってまう。
曲を聴くだけで号泣出来ちゃう。
心にどしゃぶりの雨が降る、と…

肝心の映画なんですが、

「一生あなたを待っています。
 千年でも万年でも…あなたを待つわ」って…

そういう歌詞と裏腹に、彼を待てずに…彼の子を妊娠しながらも、不安と母親の勧めに逆らえず、他の人と結婚してしまう。

おい、そりゃないぜ セニョリータ!
(フランスだからマドモアゼルか)

何ていう、裏切りなんでしょう!!

同じ引き裂かれた恋人たちでも、
彼の戦死の誤報を信じてしまったことから、
やけくそになって街娼に身を落とした、
マイラとエライ違いや!

ただ、最後の最後の再会シーンで、互いの子供の名前が…

「女の子だったらフランソワーズ、
男の子だったらフランソワにしよう」

って、お互いに名づけで決めていた名前を、それぞれの子に付けていて、その異母姉弟である子たちがすれ違っていくシーンで、互いに対しての多少の思慕(愛情)に観客は気づかされるのですけどね。

「Les Parapluies de Chesbourg / シェルブールの雨傘」
  1964 予告編

エンディングシーン

Danielle Licari「Les Parapluies de Chesbourg」1964

映画ではダニエル・リカーリが歌った、フランス語版が使用されましたが英語版もありまして、スタンダードナンバーとして色々とカバーもされています。

英語だと「I Will Wait for You」というタイトルになる。

ナナ・ムスクーリ カバー

こちらもナナ・ムスクーリですが、作曲者のミッシェル・ルグランとの弾き語りで、英語バージョンの方をデュエットしている珍しい映像デス。

Nana Mouskouri & Michel Legrand「I Will Wait For You 」

Andy Williams「I Will Wait For You」

こちらは英語バージョンですが 、原曲と違ってテンポがリズミカルつかー ジャジーなアレンジなんですのね。
そして彼は、たくさんの映画音楽を歌ってマス。

Matt Monro「I Will Wait For You」

「ロシアより愛をこめて」のシンガーです。

Connie Francis「I Will Wait For You」

Brenda Lee「I Will Wait For You」

ザ・ピーナッツ カバー

いしだあゆみさん カバー

岩崎宏美さん カバー

河合奈央子さんカバー 日本語訳です

サーカス(叶正子さん) カバー

夏樹陽子さん カバー

女優さんとしてのお顔しか存知ないけど、ジャズ?シャンソンも歌われるのですねっっ 知らなかった。

白鳥英美子さん カバー

私はやっぱ、白鳥さんの歌がいっちゃん好きかなあ。

歌詞のないインストのテーマ曲も、
もちろん素晴らしいのです。

ミッシェル・ルグラン&羽田健太郎さん

ポール・モーリアはやっぱりポール・モーリアですねっっ

とにかく切ない曲です。
メロディだけで泣かせられてしまふ。

てなわけでこれを書きながら、
動画を探しながらも涙腺は崩壊中っっ


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/03/02 掲載記事より転載


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