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怪談と言うほどではないのですけどね。そして、以前のblogでも書いた話。お盆あたりと思いつつ、東京のお盆は7月(もう過ぎた)。地元千葉は8月で、親の郷里は旧盆(9月)だったりするので混乱します。ご先祖様も呼び出し多くて大変だ。まあ、好きな時というか、三か月のうち、ご都合の良い時にお越し下さいって話かな。

涼しくなれる話かどうかは解りませんけれど。

さて、親の郷里は鹿児島県です。母方の当時の実家の隣は墓地。夏に縁側で涼むと遠くに見えるのはです。墓、墓、墓。なので、窓を開けて涼みながら夕飯を食べていると、たまに人魂が飛んでいるのを見ることになります。どうでもいいトリビアとして、人魂と言うのは、亡くなった人の頭くらいの位置にあって、人が歩くと上下するのと同じように上下して動くのだそうです。それを知ったからと言って、何の役に立つのか知りませんが。

墓を眺めながらご飯を食べるのってシュールです。風に乗って線香の匂いもやってきます。蚊取り線香とブレンドされると、何がなんだかって香りです。お寺さんでも無いのに、なんだかなーって感じの光景。

そんなわけで、母も含めてその兄弟姉妹は色々と体験していると言うか、この手のものに慣れている人たちです(大騒ぎはするけど)。

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でも、都会っ子にとって、墓より人魂より怖いのは。南国の虫はデカいです。関東サイズと比較して半端ない。蛇とみまごう長さのミミズには驚いたし(今だったらSNSに投稿して、絶対バズってる)、炬燵布団めくったらは出てくるわ、屋根から蛇も落ちてくるわ、自転車乗ってて蛇を引いてしまうわ…そんな風に蛇遭遇率も高いし。Gもデカいです。え゛っー!って感じのビッグサイズ。発育が良すぎ。

母屋から離れた、庭にある別小屋みたいな五右衛門風呂に恐る恐る入って、何気なしに壁を見ると、そこには壁一面に虫が!むむむむむ、虫がぁぁぁ!Gもいる、ムカデもいる、見たことのないなんじゃこりゃなあれやこれやもいる。思わず「ヒッ!」と顔面蒼白、目は点になり、とにかく早く出ようとするも、そこにボトッと湯の中に落ちてきたのは…なんと巨大サイズのムカデ。どうも湯気にあてられた模様。うぎゃあ!と声にならない叫びをあげながら、ガクブルで立ち上がるも、するってーと、ムカデがこちらに吸い寄せられてくるじゃあーりませんかー!(水の動きで) ゲゲゲゲゲ! 何しろ五右衛門ぶろだから、板の上からずれると火傷するんで動きが制限されてるしで、恐怖の光景に半泣き。

して、「ばあちゃーん! ばあちゃーん!」と…ひたすら祖母を泣き叫んで呼ぶしかなく。

さらに父方に行くと、農家だし、牛飼ってるから、ハエが…大量のハエがヒッチコックの映画並みに食卓を奇襲するというよりかはもはや常駐している。これまた半泣き。トイレは牛小屋の隣。臭いはともかくとして、夜は怖い。何しろ普通のボットン式ではない。穴に足を載せる板を両端に乗せただけのトイレ。踏み外したら終わり。しかも真っ暗。牛さんの目が真っ暗に中でキラリと光る。もぉー!勘弁。今日の夕飯にするという鳥の首が、目の前で宙を飛んでいくし。蜂の巣から取り出した幼虫たち(蜂の子)をむしゃむしゃ食べる光景には、卒倒しそうになりました。あと、ガマガエルの巨大さにもゲロゲロッでしたかね。都会っこ?なんで。まあ、一週間もいれば慣れますけどね。子供は順応性が早いから。千葉でも当時はまだ田んぼあってザリガニ釣りとか、蛍狩りとか虫取りとか、いちおう野性的な遊びはしていましたが。本物の田舎ってのはハンパねえっす。

って、まあ・・・ここまでは虫とか田舎独特の怖い話。

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で、私自身のキテレツ体験はとりあえず置いておいて。まずは親族とかの恐怖体験から。

母方の実家が以前あった場所の近所に、お化け屋敷って言われる家があったんですね。結構大きなお家だったのですけど。ちなみに私が大好きだった神社の隣(祖母の回復祈願で通ったトコ)。その家は、とにかく怪奇現象が多発していたそうで、家人が寝ていると、「ふふふふふふ」と言う笑い声がして、笹の葉がさらさらと風で揺れる音がしたかと思うと、顔を笹の葉のようなもので撫でられたり、息を吹きかけられたりとか、留守にしているのに明かりが点いたり消えたりがあったりとか、大勢の人が集まって宴会をしているような声や姿が窓の影に映ったりとか、近所の人の目撃談も絶えなくて。

でもって、その家には近所でも評判のイジワルなおばあさんがいまして、その方が亡くなった時のお葬式の話とのことですが。霊柩車が着いて、いざ棺桶を出そうという時に、家の中の囲炉裏からものすごいが立ち上がり、それは天井にまで届くほどの勢いだったから、慌ててその場にいた人たち(家人と手伝いに来ていた近所の人たち)が消そうと、バケツやらなんやらで水をかけるも一向に消えない。大騒ぎに駆け付けてきた人たちも手伝うもまったく消えない。水でも土をかけても、濡れた布でもダメで。聞けばその火は真っ赤と言うよりは青白さを含んだものだったようですが。

そんな悪戦苦闘をしている中、火葬場の時間もあるので、とりあえず一部の男衆や家人たちで霊柩車を出発させたならば、その途端に火は消えてしまったそうです。しかも、勢いよく天井まで火柱が立ち上っていたと言うのに、囲炉裏の周囲も天井もどこも焦げてなかったとのこと。

これを見た近所の人たちは、「口も行動もとても曲がったイジワルな人だったから、きっとこれは地獄からの迎え火だったに違いない」って、なんかそういう納得の仕方をしたそう。

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そうですね。お葬式にまつわる話でもう一つ。これは怖い話では無いんですが、うちの祖父が亡くなった時の話。祖母はその一年前位に亡くなっていたのですが(13年位、半身不随で寝たきり)、祖父を火葬場で焼いて、叔父叔母や母たち兄弟姉妹、イトコたち親族で、煙突から煙となって上っていく祖父を眺めていたそう。するってーと、なんでしょう。煙の中になんかいる。ヒラヒラヒラヒラと飛んでいる何かが。それが、だったんですね。最初は一匹。するともう一匹が何処からか現れて、気が付けば向かい合わせになって二匹の蝶が煙の中を飛んでいたりする。それを大の大人が目撃したわけです。子供の頃からそういう体験やものを視ている女性陣だけでなく、頭の固い男性陣も。

「あ、あれって蝶だよな」「うん、蝶が二匹いるね」と…みんなあっけに取られて、お互い見ているものを確認し合って。

でも、へんなの。私は帰省していないので、見れませんでしたけど。火葬場の煙突から出る煙なんて、そもそも肉眼で見える距離なんですかね? マサイ族じゃないんだから、見えるのかよ??って思ったりします。集団幻覚?? なんでしょうか。とにかく謎です。みんな、煙の中で向かい合わせになって舞う、二匹の蝶を見ているのですから。怖い話と言うよりは、メルヘンかな。祖母が祖父を迎えに来たということで。

いやさ、祖母ちゃんは、生きている時から(半身不随で寝たきり状態)、生霊と言うか、幽体離脱してよくあちこちに出没しては(主にうちの母親のとこ)説教していた人なので。死んだ後も、幽霊として、屋根の上に睨み顔で座っていたり、誰かが悪さすると、寝ているその人の身体の上に乗って、怖い顔して覗き込んでいたり、そっちの方がホラーです。祖父ちゃんは、私のところに出没することが度々あって、私には十分ホラーでした。靖國でも会えましたけれどね。靖國で祖父ちゃんを見つけた時には、「やっぱ、みんな死んだらここに来るんだ」って、驚きとともに感動しました。

そして蝶と言うと、祖父方の家紋であります。

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どう見ても。どこが蝶なのって感じ。アゲハ蝶なら良かったんだけどねぇ。奇しくも煙の中で舞う二匹の蝶はうちの家紋そのものなのでした。なんだかー<だから、どう見ても蛾だよ

そして、母方では大工だった祖父が職人気質すぎて商売下手だったので、畑やったり、茶葉を栽培する傍ら、内職としても育ててたんですよね。いわする蚕業というやつですが。これもまた蛾かよ。でも、蛾を大量に殺す仕事じゃね?? 蛾に祟られそうだと思ったりもする。

だからきっと、煙の中にいたのは蝶じゃなくて、蛾に違いない。うん。

そして、うちの親族はそれなりにそういう体験もしているんだけど、まあ、またそれは別の機会に。そうですね、私も失禁しそうになったことは多々(遠い瞳)

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