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鷹は飢えても穂を摘まず

無理に売るな。
客の好むものも売るな。
客のためになるものを売れ。

by 松下幸之助

以前にも何処かで類似のことを書いていたとは思いますけど、改めて思うところもあり。

そうですね…私のような職種(業種)もやはり根本はお商売ですから、生活の糧を得るために生業としてお金を頂いている身として、売上のことも考えないと続けられないという側面はあります。ものすごくシビアな話になってしまうのだけど。

でも、同時にその「お金(売上)」のことを考えてしまうと(そこに囚われてしまうと)、仕事自体が上手くいかないと言うか、そもそも儲けの部分を除外して考えないと、仕事自体が仕事として成り立たないと言う事実があるのですよね。

この大いなる矛盾。

「色んなお客さんがいて、しんどくないですか?その…横柄なお客さんとかめんどくさいお客さんもいますでしょ?」
次の瞬間、女将はにこっと満面の笑みを浮かべて…
「お客さんの顔を札束と思えば、ちいとも辛くあらへん!」

小噺より

そうですね。
太枠または大口の顧客として確保する観点でクライアントさんを見なすならば、また次もいらしてもらうためのサービス業の視点で、乞われるがまま、望まれるがままにクライアントさんのリクエストを最大限満たそうとすればいいだけ。

あれをして欲しい、これをして欲しい、こんなことを知りたい、教えて欲しい…と言う求めや期待に対して、なすがままに答えるだけで(相手の承認欲求に応えることも含め)。

でも、それはその人を「依存」させてしまうことにも通じてしまう。

お商売としては間違っていないのだろうけど、この仕事をするものにとって、それが果たして誠実なお商売と言えるか否か…と言うと、阿漕と言われ非難される原因にもなるし、実際よろしいことではない。道徳的にも霊的レベルでも。

思うに、私のような職業に就くものの仕事のスタンスとしては、(決して医師や医療類似行為ではなく、別業種であるが)医療従事者の目線で考えるのが一番なように思う。

ようするに、医師が患者を診、疾患を治すことを目的としたスタンス。どちらかと言うと、現代医学(西洋医学)よりはホリスティック医学(自然医学)の方が近いかもしれない。

肝心なのは、患者の抱える問題(病気や症状に例えられるものとその症状、疾患を招き入れてしまった体質や生活と食習慣全般を含めた健康状態を改善すること)を解決することであって、その問題ある状態(疾患)から回復するためのサポートをすること。

ホリスティック医学が、身体が病気などの弊害を生み出している症状に身体自身が打ち勝てるように…免疫力を賦活させ高めて、自己治癒力を引き出すことを重視しているように、なおかつ病になってしまった根本原因を見つけ出して、改善方法をアドバイスして健康を取り戻すまでのサポートをし、二度と同じ症状に悩まされない状態まで診ていくことを主たる目的としているように…

我々、霊的な職業に従事する者たちも、それと同じスタンスでいるべきだと思っていたりします。

実際にクライアントが悩まされている霊的なトラブルを解決することは勿論のこと、その後のダメージからの回復、霊的な事象やトラブルに巻き込まれてしまった根本的原因を後々避けたり、解消していくこと等含めて。

なので、病気の治療と同じで、とにかく状況を良くするべきこと、そうしたトラブルを回避できる状態にすること、自分で自分の問題を解決できるところまで、その人自身の力を回復させること(自立した力を身に着けさせる)…までに到ったら、いつまでも通わせるようなことはしてはいけないんですね。病気のままにしておかないって言いますかね(この場合、心の健康状態を整え、現実的なバランス感覚を取り戻させるところまで)。

こういうのは子育てと何ら変わらないです。
サービスを提供しいるサービス業ではあるけれど、その人の生きる力を奪ってはいけない。むしろ、自分で自分のことを判断して決めてもらえるように、考える力、決断力や判断力を身に着けてもらうため…依存心や依頼心から脱却して自立心を養う方向性に導かないといけません。

自分の人生の責任を取れるように、考える材料を提供したり、指針を与え、アドバイスやサポートはしても、その人自身の内的な力を育てる方向性で接していかないと、単なる搾取になってしまうから。

さて、私はもともと占い師をしていたから、今でも数種類の占いは出来ます。相談の内容によって、その必要あれば、占いをすることも勿論あります。

でもね、未来を覗き見することは霊的世界の観点から言うと、時に「ズル」をする行為だから、よっぽどのことが無い限りはしない。するべきでは無いことという意味で。
相手に暗中での希望を与える必要性ありきで、進むべき道へと指針を与えるためになら、それはケースバイケースでするべきことではあるものの。依頼心の強さを助長させたり、固定概念に縛り付けたり、可能性を狭めることやするべき努力を怠けさせるような方向性での誘導ならば、それは罪なこととなります。

なので、未来とは「変更不可な運命」とか「決められたもの」として告げるのではなく、「自らの手で切り開き、創り上げていくもの」として、その人の魂の神聖なる計画に添って、成りたい未来へとどうしたら舵取りをしていけるのか…その観点でアドバイスしたり、サポートしていくことを重視していくべきだと私は考えているんですね。

そのためには、カルマのレッスン(人生のノルマ)に向き合うこと、運命の借財を支払うこと等も忘れてはいけないわけですが。

確かに私たちには自由意志があって、私たちはあらゆる「やってみたい」と思う様々なことを経験してみるために、自分の望みを叶えて、自分自身と周囲の人を幸せにするためだけに生きているのが、我々が存在している唯一の目的ではあるものの…ただ悪戯に「現世利益」やエゴイズムからの欲望を叶えることを優先してもいけないわけです。

本来進むべき道から大きく逸れてしまっている場合には、それを修正し、正しい道へと戻るための方法も模索しないといけないので。余計なものを捨てたり、その逆で足りないものを育てたり見つけたり、やってこなかったことをやるように仕向けたり、気づくべきことに気づいたり、身に着けられていないものを身に着ける方向性に誘導したり、等など。

私の仕事はそのような霊的なナビゲーターで、自らの魂と繋がれない人のためのその人の魂(内神)との仲介者ですから。
して、運命の整体師とも言えるのかなww 間違いを指摘して正すと言う意味合いでは。

でもね~
そんな風なスタンスだと、「お商売」としては成り立たないんですよねw バカ正直にやっていると、赤ひげ先生のように極貧生活は免れられませんっっwwww

皆さん、知りたいこと、聞きたいことに答えておくんなまし~ですし。望む答えが得られるのを期待しますでしょ?
何の努力もしないで得られる未来を告げられたいとお考えの方は多いです。ただ安心したいがためにね。

「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。」は私の信条のひとつでもありますが、これを貫くと、儲かりません(苦笑)

無理に売らないのは勿論ですが、そのお客さんのためになるもの、必要であろうものを勧めたり提案しても、お客さんは自分が好むもの欲しいものに固執しますし、それが得られないことに不満を覚えます。与えてくれない人をヤブだと言わんばかりに叩く人もいますしね。

客のためになるものを勧めても、そこはそれ、押し売りは出来ません。相手の経済状況も考慮しないといけませんし。
何よりも私たちが「売る」ものは、「モノ」では無いので、ある意味「体験」も含むものであるので、霊感商法にならないためには営業トークは避けるべきです。提示はしても、そこまでで、選択肢と決定権はクライアントさん任せで委ねるべきなのです。

保険診療か自費診療の違いではないけれど、予算の問題がある人には、出せる範囲の予算に合わせて、その人にとって最小限の必要なサービスを提供することを提案するところまでですよね。

霊的な仕事をお商売と考えて、儲け第一に考えるならば、なんでもかんでも処方箋を出して、患者さんを通院と薬物依存にさせるがごとくの過剰医療サービスと同じく、相手の求めるままのサービスを提供して、自分のアドバイス無しではいられないように、ただ依存させ続ければいいのでしょう。

けれど、ホンモノの医療というのは、薬物投与やリハビリの必要のない状態に持って行くのが本来の在り方であるはずのもの。霊的なサービスにしてもそれは同じで、健康な心と平穏な日常生活を取り戻し、その人にとっての正しい人生や健全な生き方へと導くのが目的だったりするのです。

…まあ、最近ちょっと思うところありまして、再び呟いてみました。


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