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蟻の穴から堤の崩れ

先日、数か月ぶりにラクーアスパに行ってきました。お一人様です。ご存じの通り、今の東京都は非常事態宣言でてますから、時短営業の上、様々な感染対策をするだけでなく、入り口でヒアリングをして客としてルールに従うという誓約書にもサインをすることになりました。

ルールというのは、「浴室以外ではマスクをする」「浴室ではおしゃべりをしない」「所定の場所以外では館内着で過ごす」みたいな内容でしたかね。あと、レストラン利用時において飲食以外の時はマスクをして会話をしてくださいみたいな注意書きもあったかと。

これは利用するお客として、心して守らなくてはいけないこと。施設側も気を付けるのはもちろんですが、お客である私たちも積極的に相互協力すべきことです。でないと、自分が罹患する可能性を持つばかりでなく、自分が発生源となってクラスターなど起きてしまったならば、施設の営業存続の危機を招いてしまう結果になる。もちろん、十分に注意をしていて、皆がルールを守っていたとしても、そんなことが起きてしまわないという保証もない。でもその状態で万が一のことが起きてしまったとしたら、その場合は仕方のないアクシデントで、避けようがなかったこととして考えるしかない。誰が悪いと責めるべきことではないと思うし。

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で、ほとんどの人はちゃんとルールを守っている。平日だから、ほとんどお一人様だったというのもありますけどね。空いていたし。ロッカールームでも、浴室に入る直前までマスクをしてくれている人もいたりして(マスクをつけているのを忘れたまま、浴室に来ている人もいたほどw)。

ですが、守らない人もいる。浴室内にはデカデカと「おしゃべりはお控え下さい」とものすごく大きなPOPが貼ってあるし、それはもうあちこちに貼ってくれているわけです。それでも、二人で来ている女子はすぐに気が緩むのか、おしゃべりに花を咲かせちゃう。定期的にスタッフさんが見回りに来てくれるけど、昔のお風呂屋さんの番台さんじゃあるまいし、ずっと見張っているわけじゃない。スタッフさんの目を盗むかのように、ぺちゃくちゃ笑いながら話していたりする。

そりゃ、「もう出ようか」とか、「あっちに行こう」みたいな、そういうほんの少しの会話くらいなら、必要でしょう。テレパスじゃないんだから、コミュニケーションを取るべきこともある。そのために手話使えよっては極端な話だし。その程度のちょっとした会話まで目くじら立てて咎めるほどのことではないと思う。でも、たいていがずっとしゃべってる。友達二人と来たんだから、楽しい時間を過ごしたいのだろうし、色々話したいこともあるのでしょう。それは解る。その気持ちが解らないではない。たぶんリラックスして気も緩んでいる。

だけど、湯舟に飛沫が飛ぶ。会食ならば、一緒に食事をした者同士の食事に飛沫してのグループ感染だけど、湯舟は一緒に湯に浸かっている赤の他人が被害を被ることになる。これがあっての、注意喚起でもあるというのに。まぁ、湯舟からの感染がどの程度の危険度かはちょっと分らないし、憶測でしかないけど。全身を露出している状態で、粘膜とか感染し放題ではある。同時にウイルスを洗い流すことも出来る状態と言えばそうではあるけどね。

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けど、その一組だけではなかったりする。一組がおしゃべりしていると、つられる人が出てくる。何組かがしゃべりだす。中にはわざわざタオルマスクのようなものをつけて、「浴槽でも、マスクはつけてますから」と言わんばかりに、延々とおしゃべりをしている人もいた。でも、誰かがおしゃべりしていると、他の複数で来ている人もしゃべりだすことになる。友達と来るとそうなってしまうから、今は我慢して一人で行動している人も多い。こんなコロナ禍の中、友達同士で楽しめないから、せめて「お一人様」としての楽しみくらいは味わおうと、一人で来ている人も多い。私もその一人。我慢している側としてはたまったもんじゃない。口には出さないけど、みんなその意味でも不愉快になる。

いちいちスタッフさんをそのために呼ぶことでもない。けど、現代は注意することが好とはされない時代。でも、私は昭和のおばさんだから、言葉に出して注意しちゃう。もちろんタオルで口を覆ってから言うけど。

すると、ムッとされる。注意されたことが不愉快だ、何このババァ、という顔して睨みつけられる。もしくは、「ひぃっ!!」って恐怖に顔ひきつらせたように、泣き顔になって怯えて見せる。おばさんに酷いこと言われて傷つけられた被害者ですって態度ね。うん。注意した方が悪者にされる、この風潮。なんでしょうね、変な時代になったもんだ。

別に正義厨を気取っているわけじゃない。何しろ、コロナ禍での新生活ルールなんて去年からのことだから、まだまだみんな身に着いていない。無意識的に習慣づいているほどの年月をまだ過ごせていないから、ついうっかり忘れてしまうこともあるわけで、でもそれはお互い様のことだ。私だって、うっちゃりはやってしまう。友人と食事した際、おしゃべりに夢中になってしまったことで、食べ終わってからマスクを戻すのを忘れて話し続けてしまったこともあるから。他人の事を言えた義理じゃない。

だからこそ、気が付いた人…人生の先輩でもある立場のものは、ある一定数の年月を生きてきたものは、それを注意してあげるっていうのも必要なことだと思ったりもするのだけどね。自分の子供であろうとなかろうと、お互いに気を付けなくてはいけない、お互い様のことであるわけだから。

別に頭に角をはやして、怒鳴りつけたわけじゃない。「浴槽内ではおしゃべりしないでね」って、それだけ。ちゃんと注意事項を読んで、誓約書まで書いているというのに、それでも、気持ちが緩んで、ついうっかりで忘れてしまうのも人間ならば仕方ない。だけど、誰か一人のそのほんの少しの気のゆるみや不注意で、最悪なことが起きてしまったら、どーすんの?? というのもあるから。それぞれが気を付け合っていかないと、力を合わせていかないと、今を乗り越えられないんだからさ。お客さんである私たちの方が、もっと施設側に協力して、ルールを積極的に守らないと、結果的に自分たちの楽しみを自分たちで奪ってしまうことになる。

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飲食店でも同じ。先日ランチをしたお店では、お一人様は大きなテーブルに席を一つあけ、対面には座らせないように配慮をしているが、4人組などは4人席に座る。他の店では4人席でも2人席でも、アクリルボードで個別に仕切っているところは見かけるようになったが、そこはそのようなものは用意されていなかった。それが悪いとか対策をしていなと非難するつもりはない。ランチに来るのは近所のサラリーマンやOLさんたち。当然、グループ客はマスクをしないで、食事中も食後もずっとしゃべっている。自己責任というやつだから、それはもう仕方ない。

とある店ではちゃんとアクリルの仕切りを用意してテーブルにセッティングしているのに、話が聞こえにくいからと、ほとんどの客かどかして脇に寄せてしまうのだという。店側がそれを戻そうと注意しても、「大丈夫、私は気にしないから」「だって、これがあると声が聞こえにくいんだもん」と大抵の人が自分の都合を言う。まあ、確かに話が聞こえにくいのは事実だ。マスクをしているとさらに相手が何を言っているのか聞こえづらいし。耳が遠くなったおばさんには、レジの人の声などはほとんど聞き取れないもんね。その意味では真面目に困っている。目のこともあるし、耳だけが頼りであるのに、そちらもマスクやビニールだので困ったことにコミュニケーションは断絶されまくりだ。

そんな感じに、お店がいくら気を付けていても、注意喚起をしても、対策をしていたとしても、利用する客に協力する姿勢や自覚がないでは、どうしようもない。長く身に着いた習慣ではないから、ついつい忘れてしまう、うっかりしてしまう、というのは前述のように私もやってしまったことはあるから、他人のことを責める立場にはないのだけれども。だからこそ、気が付いた人が注意してあげる、気づかせてあげることをするというのも必要なのだとも思う。それも一つの思いやり、助け合いであると。

でも、自分は別に感染してもいい、という態度なのはいいけど。あなたや家族はいいんだろうけど、利用される側にとっては迷惑な行為なのよって、そこは解ってあげて欲しいと思ったりする。まさか自分のせいで他人が迷惑することが起きるなんて思ってないのでしょうね?というのもあるし、自分がお店とか施設に迷惑をかけることになっても、そんなの関係ねぇ、どうでもいいって考えなのかな。それとも、自分はこのコロナ禍の中、売り上げの減った飲食店をテイクアウトではなくイートインで利用することで、売り上げに協力してあげているんだとでも、鼻高々に思っているのでしょうかね。

でも何かがあったときに、最終的に責任を問われて、営業停止とか売り上げ激減とか風評とか様々なことを被ってしまうのは、いつだって施設側やお店側なんですよね。リスクを負うのはさ。

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結局、二度目の非常事態宣言では、緊張感なんかどこにもないのが現状かも。都市部に住んでいるとそう実感するし、それはお店とか施設とかそういうとこがいくら対策をしていてもね、利用する側、一人ひとりが意識していないことや非協力的な態度が問題なので。

ランチする場所含めてみんなで会食する場所、ショッピングする場所、リラックスする施設、それらが無くなったら困るのは利用者である我々なのに、非協力的なんですよね。一部の人だけと言いたいけど、人は複数集まると「赤信号、みんなで渡れば怖くない」にやはりなっちゃうようだ。こういう風に流されやすいのが日本人の欠点でもあるなあ。

地元の経済を回すことに協力したい、いつも利用する自分にとって好きなお店、便利なお店に潰れて欲しくない、存続して欲しいと思うのであれば、利用者自らがきちんと自覚をもって、積極的に協力する姿勢を示していかないことには、非協力的で無責任なお客さんのせいでお店側や施設側の負担が大きくなり、ますます経済が疲弊させられるばかりなのにね。飲食店や生産者、流通、小売店やレジャー施設、そうしたとこから得られているあらゆるサービス。その恩恵を預かれなくなるのは誰でもない私たちなのに。

複数で食事行って、食事中に誰かが話はじめたら、口元で「しっ」と合図する人が一人くらい居てもいいと思う。全員が食べ終わっているならば、誰かの唾がかかった食事を口にする機会もないから、いいんだろうけども。でも、注意することが場の空気を悪くすることと考える人が今は多すぎる。確かに今の時代は、関わらない方が吉な危ないことも多いから、それは命を守る上での賢い選択でもあるけれど。会社の一緒に食事に行くような人間関係でそうした注意も出来ないってのは、なんなんだろう。

そして部外者に注意された時、逆切れして、注意をする方が悪者とばかりに「この私に注意をしてきた不快な存在」みたいな反応をする人たち。きっと、「親父にもぶたれたことない」人たちなのだろうね。

あえて、言おう。カスであると!! byギレン・ザビ閣下

悪いが、いっそ一度コロナに掛かってくれたまえ。それに誓約書にサインしておいて守る気ないんだったら、利用すんな!!って言いたいわいね。

まぁ、いずれにしても。このコロナの状況が、というより、約束事やルールを守ろうとせず、それを守らないで周囲に迷惑をかけているって事実を指摘されたことに対してプンスカしちゃう人たちがたくさんいるってことが、杞憂ではありますね。社会のひずみっていうのかな。怒られて反省できない、恥を知らない人種が増えました。日本の未来は明るくない、ぞっ。

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