言葉の色と温度
最近、1ヶ月後にある発表の準備で、
色々と検索していたとき、
"ボイスバイオマーカー"という単語に出会った。
人間の声(ボイス)をバイオマーカーとして、
うつ病などの精神疾患、ストレス、
さらに、昨年からホットなコロナウイルスまでを、
検出・診断できるという。
勿論、声を発することができない方には適用できないが、
よくよく考えてみれば、声も指紋と同じで、
生体認証の1つとして用いられるように、
その人だけのもの。固有のもの。
固有の周波数をもつシグナル。
バイオマーカーとして、取り扱われるのも不思議ではない。
ボイスバイオマーカーが特集されている記事の中で、
音声には、量的情報だけでなく質的情報も含まれている
とあった。
確かに、音量(声量)、音質(声質)という言葉がある。
そういった情報を数値化して定量するのだろう。
まだ、詳細は追いきれていないが、やはり非常に興味深い。
「いいよ」
と、文字に起こせば、読み手の解釈に委ねられるが、
「(うん)いいよ(↗)」= OK
「(もう)いいよ(↘)」= NG
声の色や温度といった指標によって、
解釈が180度異なる。
このことを痛感したのは、私が大学1回生の時。
大学で、聴覚障がい学生を支援する団体に所属していた時、
聴覚障がい学生の耳になり、
主に、講義等で人の声、モノの音を文字化する、
ノートテイクに携わっていた。
その時、ある学生から、さっきの「いいよ」という例を聞いた。
そして、現在。
言葉の色と温度について再考する。
口から発せられる言葉には、
ボイスバイオマーカーで言われている通り、
質、色、温度はあると思う。
では、このnoteの様な、
いわば、文字列という言葉に、色と温度はあるだろうか。
私は、あると思う。
それは、科学的にも、感情分析という言語処理の開発からも言える。
言語処理において、色や温度というパラメータは存在しないだろうが、
このnoteでも、他の方が書いた記事を読んでいると、
言葉の選択から、その文章の色や温度がおぼろげに見え、
その文字列/文章から、人となりが垣間見える。
伝えたいことが、伝わってくる。
やはり、言葉の色と温度は、必要不可欠で、
あるのとないのとでは、見えてくる世界がまるで違う。
そんなことを考えている中、あるドラマでのセリフを思い出した。
この記事の総括とも言えるだろう。
殺人を犯したジャーナリストは、言った。
「事件には声があるの。放っておいても、誰かに聞いてもらえる声もあれば、小さくて誰にも届かない声もある。私は伝えたかった。小さな声を伝えるためには私が大きくならないといけない。だから、」
その声をさえぎって、大澤絵里子(刑事)は言う。
「それは違う。あなたの言葉に温度があれば、例えどんなに小さな声でも、誰かには必ず届く。そうじゃない?」
(ドラマ『BOSS』 CASE07)
誰かに届けるために、
言葉の色と温度を意識して、
これからも言葉を紡いでいこうと思う。
まとまりのない文章でしたが、
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