もし今日が　人生最後の日としたら　きっと悔やむと　夕空を見る

フリーランスって自由じゃない

契約先に振り回される自由を持っているだけ

思い切って断る自由を持っているだけ

急ぎのちょっと大きな仕事を頼まれて

納期もきつそうだったけれど

得意だったから引き受けた

報酬で入るお金の使い道も決まっていた

体調に気をつけながら、さて頑張ろうと思った

そうしたら

急にキャンセルになってしまった

その会社にはもしかしたらキャンセル料が入るのかもしれない

でも下請けの私にはそのようなものは発生しない

丁寧なお詫びの言葉をいただくだけだ

仕事以外にやりたかったことに手を付けようにも

なんだかがっかりしてしまって

うまくできない

すぐに別の仕事が埋め合わせでくるとは限らない

カビ取り掃除や

野菜の下茹でや

犬用のおやつ作りや

少しやっては

座り込んでしまう

こんなんで生きていけるかな

旦那さんに負担かけてしまうな

さすがにしょんぼりする

さっきまで11時ぐらいだったのに

もう16時も過ぎていた

「人生の最後の一日がこんな日だったら」

そう考えたら、たまらなくなった

ぶるぶるっと頭を横に振った

ペチペチと両頬を掌で押さえた

豊かな気持ちで生きていきたい

年金なんて当てにしてないし

そもそも退職金なんてないし

そういう人生を選んできたのはもちろん自分のせいだ

そう、全部自分の責任だ

これまではなんとかうまくやってこれた

でももう

違う道へ

いやいや

さらなる高度へ

変わってみる勇気が必要かなと思う

いい仕事だねと言われても

尊敬していると言われても

フリーランスの私の仕事

蓋を開ければこんなもんです

振り回される毎日です

どうせ振り回されるなら

好きなものに振り回されよう

無駄とか　得とか　そんなこと　考えずに

いかに残りの人生を楽しく濃く生きていけるか

そこに賭けてみよう

初夏のいいところは夕空だ

乾いた空気がさーっと流れる

雲が高い

今日を最後にしない

あきらめを最後にしない

フリーランスには厳しい国になってきたけど

あの雲のように笑おう