消化器系・・・の前に、「栄養素」について
ここまでの振り返り
酸素についてはわかった。じゃあ、物流システム内(血液内)の「栄養資源」はどのように「きれい」に保たれているの?
これが、これから学んでいくテーマになります。
そして、繰り返しになりますが、
ところで、「栄養素」とひとくくりに言っているものの、これは何?というところをざっくり解説しておきたいと思います。
酸素に比べて、溜め込むことができる「栄養素」
酸素は蓄えることができないので、わたしたちは絶えず呼吸し続ける必要があります。一方、栄養素は「体に蓄える(そのせいで太る)」ことができます。
一日くらい食べなかったり、ある日ドカ食いしても大丈夫なわけですね。
毎日、まいにち食べすぎていたり、運動不足だったりすると、余分なエネルギーは「万が一のときのため」に体に蓄積します。これが太るメカニズムです。
ただ、これらの細かい理屈を理解しようと思うと、仕組みはケッコー難しい。
種類がありすぎて迷子になりそうな「栄養素」
さて、あなたは「栄養素」と言われれば、なにを思い浮かべますか?
タンパク質、脂質、、、、などが思いつきますか?
ミネラルとか、カルシウム、マグネシウム、みたいな言葉が思いついた方も、素晴らしい!
ω3脂肪酸、とかオレイン酸、とか具体的なワードが出てくる人も、これまたすごいです!
、、、とはいっても、突然聞かれると、なかなかとっさには出てこないかもしれませんね。
栄養素について、挙げようとすると、「ありすぎて困る」と思いませんか?
ですから、まずは大きなくくりで栄養素を「分類」しましょう。
難しくはありませんよ!「ざっくり栄養素を学ぶために、大体のグループ分けをして理解しておこうね」ということです。
栄養素はまず、「エネルギーになる」ものと「ならない」ものに分ける
「三大栄養素」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「栄養素は、酸素と一緒に細胞内で代謝されてエネルギーになる」と、ざっくり説明してきました。もちろん、すべての栄養素がエネルギーになるわけではありません。そこで、「エネルギー源になる」という意味で有名な(そしてみなさん知っている)のが、「三大栄養素」です。
ものすごいざっくりした図ですが、許してください(ざっくりしているおかげで見やすいでしょ)!
本当は「炭水化物」のところは「糖質」と書いたほうがより正確かもしれません。でも、炭水化物のほうが中学や高校の頃の家庭科の勉強でお馴染みかな?
エネルギーのベースは「糖」
エネルギーになる栄養素の超代表格は「糖」です。そして特に「ブドウ糖(グルコース)」が一番大事です。ヒトはこの「糖」をエネルギー源にしています。そして、これを燃やして(たくさんの)エネルギーを取り出すためにどうしても「酸素」が必要なのです。
繰り返しになりますが、酸素は蓄えられないので、常に「呼吸」し続けなければなりません。とはいっても、この糖もあまりに絶食が続くと下がってしまい、支障をきたしてしまいます。これってどういう状況でしょうか?
「低血糖」ですね!そう、わたしたちの血液中の「糖」のことを「血糖」といいます。数値でいうと「血糖値」ですね。低血糖になると脳みそがうまく機能しなくなって、意識障害を起こしてしまいます。
病院実習で、意識レベルの悪い患者さんを診たとき、看護師さんたちは患者さんに呼びかけながらも誰かが血糖測定器を持ってきてパチンっと血糖測定しているところをみたことありませんか?
タンパク質や脂質もエネルギーになれる
本当は、タンパク質や脂質にはそれぞれの役目があったりしますが、それは「理解が進んでから」勉強しましょう!ここで覚えてほしいことは、タンパク質や脂質も、「代謝」されることでエネルギーになるんだということです。
この「代謝」という言葉も理解しにくいですよね、、、ですが、なんとか、イメージできるようになってください!ざっくりいえば、「体内で組み替えられて形を変えられる」ことで、別の物質になることです。要するに「Aという栄養素がBという栄養素に変身できる」んです。その過程でエネルギーが得られたりします。極端な話、一部のタンパク質は、変身してブドウ糖になることもできます。
三大栄養素がどのくらいエネルギーになれるか?ざっくり計算できる
医療系の学生さんは「アトウォーター係数」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは要するに三大栄養素がどれくらいエネルギー(単位はおなじみの「カロリー」ですね!)になれるか?をざっくり計算できるものなんです。
です。これは看護師国家試験の必修問題でも出題されるので覚えておきましょう!
その他の栄養素についてパパっとざっくり
今日もボリューミーになってきました。このあたりで終わりたいと思いますが、最後に、一つだけ!
三大栄養素以外は何があるのか?ざっくり紹介しておきます。それは、
です。とりあえず、この3グループを覚えておいてください!
「核酸」は、摂りすぎると痛風になる、というので有名かもしれません。DNAの材料だったりします(「へー」くらいで大丈夫)。
あとの「ビタミン」と「ミネラル」は代謝をスムーズにする「潤滑油」みたいなものだと思ってください。もちろん、国家試験レベルでは、ビタミンCが足りないとどうなるか?とか、Aが過剰だとどうなるか?みたいな知識も、最終的には詰め込まないといけませんが、それは、「流れ」をつかむには「たいへん」なので、また興味があるときに教科書で勉強してみてください!
復習記事
参照記事(過去のものです)
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