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消化器系・・・の前に、「栄養素」について

ここまでの振り返り

1. 人体は多細胞生物であり、細胞たちの共同体。
2. 細胞たちがグループに分かれて役割分担することで人体はうまく成り立っている。
3. 人体という世界全体に「循環器系」という物流システムが張り巡らされている。これを通じて、全身のすべての細胞が資源を得て、ゴミを捨てることができ生活することができている(まるで毎日amazonが来て生活用品を置いて行ってくれ、ゴミ収集車が毎日来てくれるか世界のような快適さである)。
4. この物流システムを維持するためには、流れている「血液」を常にきれいにする仕組みが必要である。
5. ガス成分をきれいにするのが、呼吸器系の役目。酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する役割がある。
6. 細胞レベルでのガスのやりとりを「内呼吸」と呼び、肺(肺胞)で行われるガスのやりとりを「外呼吸」という。いずれも「拡散」という「濃いところから薄いところへ」という単純な理屈に従ってガス交換が行われている。
7. わたしたちは、寝ている間でも絶えず「換気(息を吸って、吐いて)」をし続け肺の中をきれいにし続けている。肺の中のガスがきれいなら、血液内もきれいになり、ひいては全身の細胞もきれいなガスを吸う(内呼吸)ことができる。

復習リンクは、記事の一番下に貼っています。

酸素についてはわかった。じゃあ、物流システム内(血液内)の「栄養資源」はどのように「きれい」に保たれているの?

これが、これから学んでいくテーマになります。

そして、繰り返しになりますが、

- 「消化器系」で新しい栄養素を取り込み、血液内に放り込みます。
- 「腎・尿路系」で過剰な栄養や水分を、ゴミと一緒に捨てます。

ところで、「栄養素」とひとくくりに言っているものの、これは何?というところをざっくり解説しておきたいと思います。

酸素に比べて、溜め込むことができる「栄養素」

酸素は蓄えることができないので、わたしたちは絶えず呼吸し続ける必要があります。一方、栄養素は「体に蓄える(そのせいで太る)」ことができます。

一日くらい食べなかったり、ある日ドカ食いしても大丈夫なわけですね。

毎日、まいにち食べすぎていたり、運動不足だったりすると、余分なエネルギーは「万が一のときのため」に体に蓄積します。これが太るメカニズムです。

ただ、これらの細かい理屈を理解しようと思うと、仕組みはケッコー難しい。

種類がありすぎて迷子になりそうな「栄養素」

さて、あなたは「栄養素」と言われれば、なにを思い浮かべますか?


タンパク質、脂質、、、、などが思いつきますか?

ミネラルとか、カルシウム、マグネシウム、みたいな言葉が思いついた方も、素晴らしい!

ω3脂肪酸、とかオレイン酸、とか具体的なワードが出てくる人も、これまたすごいです!

、、、とはいっても、突然聞かれると、なかなかとっさには出てこないかもしれませんね。

栄養素について、挙げようとすると、「ありすぎて困る」と思いませんか?

ですから、まずは大きなくくりで栄養素を「分類」しましょう。

難しくはありませんよ!「ざっくり栄養素を学ぶために、大体のグループ分けをして理解しておこうね」ということです。

栄養素はまず、「エネルギーになる」ものと「ならない」ものに分ける

「三大栄養素」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

「栄養素は、酸素と一緒に細胞内で代謝されてエネルギーになる」と、ざっくり説明してきました。もちろん、すべての栄養素がエネルギーになるわけではありません。そこで、「エネルギー源になる」という意味で有名な(そしてみなさん知っている)のが、「三大栄養素」です。

ものすごいざっくりした図ですが、許してください(ざっくりしているおかげで見やすいでしょ)!

本当は「炭水化物」のところは「糖質」と書いたほうがより正確かもしれません。でも、炭水化物のほうが中学や高校の頃の家庭科の勉強でお馴染みかな?

エネルギーのベースは「糖」

エネルギーになる栄養素の超代表格は「糖」です。そして特に「ブドウ糖(グルコース)」が一番大事です。ヒトはこの「糖」をエネルギー源にしています。そして、これを燃やして(たくさんの)エネルギーを取り出すためにどうしても「酸素」が必要なのです。

繰り返しになりますが、酸素は蓄えられないので、常に「呼吸」し続けなければなりません。とはいっても、この糖もあまりに絶食が続くと下がってしまい、支障をきたしてしまいます。これってどういう状況でしょうか?

「低血糖」ですね!そう、わたしたちの血液中の「糖」のことを「血糖」といいます。数値でいうと「血糖値」ですね。低血糖になると脳みそがうまく機能しなくなって、意識障害を起こしてしまいます。

病院実習で、意識レベルの悪い患者さんを診たとき、看護師さんたちは患者さんに呼びかけながらも誰かが血糖測定器を持ってきてパチンっと血糖測定しているところをみたことありませんか?

タンパク質や脂質もエネルギーになれる

本当は、タンパク質や脂質にはそれぞれの役目があったりしますが、それは「理解が進んでから」勉強しましょう!ここで覚えてほしいことは、タンパク質や脂質も、「代謝」されることでエネルギーになるんだということです。

この「代謝」という言葉も理解しにくいですよね、、、ですが、なんとか、イメージできるようになってください!ざっくりいえば、「体内で組み替えられて形を変えられる」ことで、別の物質になることです。要するに「Aという栄養素がBという栄養素に変身できる」んです。その過程でエネルギーが得られたりします。極端な話、一部のタンパク質は、変身してブドウ糖になることもできます。

三大栄養素がどのくらいエネルギーになれるか?ざっくり計算できる

医療系の学生さんは「アトウォーター係数」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは要するに三大栄養素がどれくらいエネルギー(単位はおなじみの「カロリー」ですね!)になれるか?をざっくり計算できるものなんです。

- 糖質 4kcal
- タンパク質 4kcal
- 脂質 9kcal

(※すべて、同物質1gあたりのエネルギー)

です。これは看護師国家試験の必修問題でも出題されるので覚えておきましょう!

(覚え方)
- まず、すべて一桁です。
- そして、「4」と「9」という縁起の悪い2つの数字になっています。
- あとはイメージどおりです。「脂質」だけは、「食べた量の割に太る」。脂質は、他の糖質やタンパク質に比べて、同じ重さだけ食べたときに約倍のエネルギーになれるんです。脂質だけ倍の9kcal/gもある、と覚えましょう。

その他の栄養素についてパパっとざっくり

今日もボリューミーになってきました。このあたりで終わりたいと思いますが、最後に、一つだけ!

三大栄養素以外は何があるのか?ざっくり紹介しておきます。それは、

- ビタミン
- ミネラル
- 核酸

です。とりあえず、この3グループを覚えておいてください!

「核酸」は、摂りすぎると痛風になる、というので有名かもしれません。DNAの材料だったりします(「へー」くらいで大丈夫)。

あとの「ビタミン」と「ミネラル」は代謝をスムーズにする「潤滑油」みたいなものだと思ってください。もちろん、国家試験レベルでは、ビタミンCが足りないとどうなるか?とか、Aが過剰だとどうなるか?みたいな知識も、最終的には詰め込まないといけませんが、それは、「流れ」をつかむには「たいへん」なので、また興味があるときに教科書で勉強してみてください!

復習記事


参照記事(過去のものです)


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