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#96 SNS社会における信用と限界費用

今日は「紹介と距離感の重要性」について

税理士として30年間働いてきた私は、多くの一流経営者から学びを得ています。これは、お客様と特別に親しい間柄であるからではなく、申告書を作成する過程や日常のやりとりを通じて、資産管理会社のレシートを拝見させていただいたり、申告書を作成するまでの質問や日々のやりとりを通じて得られた知見です。

だからもしかしたら解釈に誤りがあるかもしれませんが、一流の経営者やビジネスパーソンは「信用」を非常に重視しています。この「信用」という価値観は、ビジネスの世界で極めて重要です。

特に、「紹介者責任」は重要な概念です。紹介は、両者に相乗効果をもたらすマッチングですが、紹介によって問題が生じないように非常に慎重に行われます。

ある意味、一歩、距離を縮めることに、とても慎重なのです。

紹介者が自らの評判と信用をかけて他者を推薦することで、双方の信頼関係が築かれ、ビジネスネットワークが強化されます。

しかし、紹介にはリスクも伴います。紹介者が推薦する人物やサービスの能力を過大評価した場合、その結果として期待に応えられなかったとき、紹介者の判断力が疑問視されることになります。これは評判の損失や責任問題につながる可能性があります。

わたしたちは「限界費用」がゼロのものであれば、ごく自然にシェアし合う習慣ができつつあります。ゼロではないものは、信頼している人やごく親しい人とだけシェアします。これは誰もがそうで、私たちもいきなり路上で見知らぬ人々に飲み物をご馳走したりはしませんよね?  一方で、何かしらの概念や考え方であれば、ハッシュタグ「#」を用いてどこまででもシェアすることができます。限界費用はゼロです。

オードリータンさんが述べられていたように限界費用ゼロ社会(限界費用がゼロあるいは限りなくゼロに近づくことで出現する社会)の概念は十分成立し得るかもしれません。一方でこのようにも述べられています。「急いですべてのことにそれを当てはめようとしてはなりません。人は、「自分たちが慣れ親しんでいるモノやサービスの限界費用がゼロであり、それをシェアしても自分に損失がない」とわかりきっているからこそシェアしようとしてくれるのですから、他人に「これは限界費用がゼロだから」と、無理強いしてはなりません。相手にとっては実際のところ限界費用が発生していることもあるわけで、その場合は相手を追い詰めることになってしまいます。限界費用がゼロであるのか、ただ限りなくゼロに近いだけなのか、その見方は両方成立するのです。

私はこの話を読んで、先ほどの紹介者責任を思い出したのです。

最後に私は「人」というより特定の人やグループ、組織、会社、商品を宣伝することになかなか難しい仕事をしています。
もともとの性格や職業倫理として、自分の関与しているお客様と類似商品に肩入れできない。気軽にSNSに投稿できないし、昔で言えば再生している会社を推測されてはいけないし、いろいろな意味で常に「客観視する」「公平中立でいる」そんなことを意識している。ということを理解していただけるとうれしいなと思います。

私たちは関与する顧客や商品に偏見を持たず、常に客観的で公平中立を保つよう努めてきた価値観をもっています。




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