vo.3の記事はこちらをご覧ください。
6. 社会課題解決PBLの参加経験がつなぐ未来
最後に、このPBL参加の経験がどのように自業務につながっていくのかをお伝えし、締めくくっていきたいます。
終了時には、「今回のプロジェクトを経験し、実業務において意識・行動面に変化があれば具体的に教えてください。 」「この経験は、今後のキャリアにどのように活かせると思いますか?」という問いを投げかけており、研修期間の3か月の中で、既にチームの雰囲気をよりよくするために「依頼した仕事が終わった際に、一言添えるよう意識するようになった」という声や、仕事を進める上で「1つ1つの局面での判断力やメンバーとベクトルを合わせること、周囲への働きかけ、納期の観点を特に意識するようになった」などといった声がありました。
今後とっていきたいアクションをみていくと、チームの雰囲気づくりやメンバー間の関係性構築に関することが見出せましたが、特筆すべきは、今回の経験によって「今後取るべきリーダーシップ像がクリアになっている」ということです。
上記のように、チーム内の認識すり合わせ、役割分担、情報まとめ・発信、行動力、メンバーの得意に目を向けることなどなど、チーム内で自分が意識を向けるべきところややるべきことが明確になっているのが分かります。今回のプログラムの狙いの1つはリーダー育成でしたが、各自がプロジェクト内で苦労したこと、その中でチャレンジしていったことが学びとなり、自業務においても各場面でリーダーシップを発揮していこうとする様子が伺えます。
一方で、仕事への取り組み姿勢、熱量の変化をあげている声も多くありました。
今後に向けて、物事を推進するチャレンジ精神、良いと思ったことは取り入れる、目的意識を持って業務にあたる、想いを持って取り組む、責任をもって楽しむ、といった精神面の意識変化がみてとれます。リーダーシップを発揮していく上では、自分が発揮すべきリーダーシップのイメージはもちろん、直面している仕事への想い・熱量は重要になってきます。本プログラムでは、行動面・精神面ともに今後のリーダーとして必要な学びを得ることができていたといえます。
7. 最後に~「PBL」は本気で向き合う分学びが多く、視座をあげるきっかけをつくる~
参加者のコメントの中で「自部署の業務から離れて、1つの課題に対してチーム活動を行うことで、客観的に物事(自分の業務に関すること)を考えられるようになった」という声がありました。
<客観的>に自身の業務について考えることができるようになったのは、本プロジェクトにおいてチーム運営や、その中での効果的な仕事の進め方を「考えてやってみる」経験をしたからではないでしょうか。
これまでは無意識に過ごしていたことも、考えることで、自業務にもどってからもそこへのアンテナが立つようになります。これまでみてきた学びにもも現れているように、今回の経験は、視座をあげて普段のチームや業務について考え、取り組むことができるきっかけとなっていたといえます。
最後に、参加者が、今後本プログラムに参加する人に向けて送るメッセージをご紹介します。
これらのコメントからは積極的にプロジェクトに関わり、本気で考え行動することで学びが多きものになる、というメッセージが伝わってきます。まさに、PBLは自分が動いた分だけ学びが得られる場となります。普段とは異なる環境や異なるテーマに対して、普段関わらない人と一緒にプロジェクトを推進することで、多様な個々人の実践が生まれ、その実践こそが今後につながる活きた学びとなり、人や物事との関わりの中で新しい価値観に出会いを通して、今の自分、今後の自分、仕事、キャリアについて考えるきっかけになる貴重な機会を生み出しているといえるのではないでしょうか。
(※今回は、学びとしてよりインパクトの大きかったものを取り上げましたが、他にも自分自身の強みや自社の強みを改めて認識する、社会課題への意識が醸成されるといった学びも見受けられました。その内容についてはまたの機会に紹介できたらと思います)
・・・・・・・・・・・・・
▼参考リンク
<ウィル・シードが提供する、異業種での越境学習プロジェクト>
https://xbf.willseed.co.jp/
<法政大学教授石山氏による基調講演|越境は個人の志をどう磨くか>
https://www.willseed.co.jp/column/202203-1/