人生を歩く。タイトルは、まだない。

どっちでもいい、と思った。
自分の人生に対してこんな表現は何だか適当で後ろ向きな様に聞こえるかもしれない。
でも、それはひどくポジティブではないが、少なくともネガティブな気持ちではないどっちでもよさだった。

仕事を選ばなければいけない、という年になって迷った。
アニメの仕事をしたいか、コーヒーについて学びたいか。

どっちを選んでも、楽しいだろうと思った。
むしろ、分身して二人の私として二つ分の人生を歩めるのなら、どっちも生きてみたいと思える進路だ。

アニメの仕事は忙しい。そして悲しきかな、尊敬して入りたいと思った会社は大企業の子会社だったので、多分倍率がものすごい。
例えるなら、ちょっと大きめのびんに入った金平糖のうち、3粒とか5粒とかしか取られない。
あとは棚の奥で忘れられて、お母さんのおやつになる。

でも、入れたら好きなことを仕事にできるし、社風としても視野が広くて変な人も多そうなので、毎日トキメいて生きていけそう。人生の体感速度がきっとちょっとゆっくりになる。
営業はまずもって興味がないし、最もやりたくない仕事の一つだったけど、ここならやってみてもいいかなと思えた。

コーヒーは、私の生き方にあってると思う。
私は多分、人より生きる速さが遅い。
学校で板書を取るのも、給食を食べるのも、ラインの返信も、遅い。
前に、友達に「文句とか全然そういうのじゃなくてね、こくりちゃんて電波が届かないところに生きてるよね。それが羨ましいなって思った。」と言われたことがある。
成人式で久しぶりにあって後日食事をした時だった。コーヒーの中で砂糖が溶けていく様に、その言葉が胸の中で広がった。嬉しかった。自分の性格について、取り立てて誰かにこっぴどく否定されたことはなかったけれど、世の中の速さについていけていないな、とは思っていた。それを勝手に負担に感じていただけなのだが、自分の性格を初めて褒めてもらえた気がした。

コーヒーの道…というか将来的にお店を持つことになるだろうから、その勉強をしなければいけない。
去年、京都に20日間ほど住んでみて、この街でなら私の早さで生きていけるかもしれないと思った。もともと、京都には第二の人生として住みたいと思っていたけれど、予定は崩れるものだから少々早まっても悪くない。
外国の人たちとシェアハウスをしながら、コーヒーのお店で修行を積むのは、きっと楽しい。
幸せなことに、元来学ぶことと、じっくり努力することは嫌いじゃない。どっちかといえば好きな方。英語も話せる様になりたい。心配なのはメンタルくらい。人間関係はきっとどこに行っても大変だ。

でも、きっとどんな道を選んでも大丈夫。それがまっすぐ向き合える道なら、途中で違う目的地に向かうことになっても後悔はしない。だから、多くの人と違う道でも自分で選んだことなら堂々としてていいんだぞ、私。そして、譲れないものと、踏ん張りどころをちゃんと見極めて生きていけよ。              就活は人生経験だ。人生の結果じゃない。

きっと今年はいろんなことがある。今は、来年何をしてるのか見当もつかない。冒険小説の序章みたいだ。
遭難したような気持ちになることもあるけど、本当の遭難はきっとこれからだ。
でも、諦めなければ島は見つかるし見つからなくても、探しつずけていればどこかしらには流れ着く。
大事なのは流れた先でどうやって生きていくか。               さあ、面舵一杯帆を揚げて、来年の私に期待大!

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2020年の私へ。
元気ですか。生きてますか。達者ですか。
この日の私は、テスト前の妙な高揚感と根拠のない自信と根拠のない将来へのキラメキに満ち溢れて、こんな文章をしたためたみたいです。どうかお許しを。     
あなたが自分の選んだ人生に後悔していませんように。
生きてるだけで儲けもん。
美味しいものをいっぱい食べて、暖かいお風呂に浸かって、          アイスに入ったゆずの皮に喜んで、
小さな幸福をいっぱい感じて生きてください。
幸多からんことを。

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